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副業でせどりを始める方法は?メリットや準備するもの、手順を解説

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Amazon、Yahoo!オークションといったネットショップ、オークションサイトを個人でも気軽に利用できる現在、注目の副業としてあげられるのがせどりです。とはいえ、言葉は聞いたことがあるものの、「どうやってやるのか?」「せどりと転売の違いは?」「資格は必要?」など気になるかもしれません。

そこで、本記事では副業でせどりを選ぶメリット・デメリット、始め方、せどりと転売の違いなどを紹介するとともに、副業としてせどりで収入を得る場合に確定申告は必要かどうかを解説します。

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せどりとは?

せどりとは、商品を安く仕入れて高く売ることで利益を得るビジネスです。せどりはもともと、古本の売買に用いられる言葉でした。本の背表紙を見て選ぶことから、せどりと呼ばれるようになったとされ、価値の高い本を見つけて古本屋に売る人を、古書業界で「せどり屋」と呼んでいたことに由来します。

現在せどりで取引される商品は、古本に限りません。特に最近では、ECサイトやネットショップなどで商品を仕入れ、インターネットで販売することをせどりと呼ぶようになりました。ネットショップやフリマサイト、オークションサイトなど、初心者でも比較的せどりが簡単に行えるものもあり、副業として取り組むことが可能です。

副業でせどりを選ぶメリット

副業でせどりを選ぶメリットは何でしょうか。ここでは、3つに絞ってご紹介します。

時間や場所を選ばない

せどりは自分の裁量で行えるため、時間や場所を選ばないのがメリットです。商品の相場を調べたり、物を仕入れたりする行為は通勤時間や仕事から帰った後にできるため、本業とも両立しやすいといえます。

特別なスキルや経験があまり必要ない

せどりは、物を安く仕入れて高く売るというビジネスモデルなので、基本的に特別なスキルや経験はあまり必要ありません。そのため、比較的始めやすいといえるでしょう。

商売の知識が身に付く

せどりの経験を重ねることで、商売の知識が身に付くこともメリットです。せどりに取り組むことで、消費者のニーズが高い商品を理解できたり、安く仕入れられる仕入経路を知ることができたりするため、商売の基本が身に付くでしょう。

せどりで得た知識は今後、本格的にネットショップを展開するなど、事業規模を拡大する際に役立ちます。

副業でせどりを選ぶデメリット

せどりで副業をすることには、デメリットも存在します。次の4つのデメリットも理解したうえで、せどりを行うか検討しましょう。

商品を仕入れる費用がかかる

せどりは、商品がなければ販売できません。商品を仕入れるための費用が発生するため、最初はキャッシュフローが赤字でのスタートとなります。初期費用がかかるため、ある程度の資金確保が必要な点もデメリットといえるでしょう。

商品の保管場所が必要

多くの商品を仕入れて販売するとなると、売れるまでの期間、商品を保管しておくための場所も必要となることもデメリットです。自宅に保管場所がない場合は、有料のレンタルボックスなどを利用する方法があります。

梱包や発送の対応が必要

商品が売れた後は、梱包や発送という作業も発生します。基本的には手作業での作業となるため、面倒に感じる方もいるかもしれません。

ただ、梱包が雑だったり、発送に時間がかかったりすると買い手の不満や低評価につながる可能性もあるため、ないがしろにはできない作業です。

在庫を抱えてしまうリスクがある

たくさん商品を仕入れても、売れなければ不良在庫として残ってしまいます。商品を仕入れる際に費用がかかっているため、売れないということは在庫を抱えるだけでなく赤字にもつながります。そのため、最初の商品の見極めが何より大切です。

副業で行うなら新品せどりが比較的始めやすい

せどりには「中古品せどり」と「新品せどり」の2種類があります。

中古品せどりは、中古品を安く仕入れて高く販売する方法です。価値の高い中古品を選ぶために知識や経験が求められやすいですが、新品せどりよりも利益を期待できるといえます。

一方、新品せどりは、問屋や小売店などで仕入れた新品を、仕入原価より高く販売する方法です。商品を選ぶ手間が少なく、価格設定を行いやすいため初心者でも始めやすいといえます。

中古品せどりと新品せどりの大きな違いは、資格がいるかどうかです。中古品を取り扱う場合は「古物商許可証」の取得が必要です。無許可の状態で、中古品せどりを行うのは違法行為に当たります。新品せどりは資格などが不要なため、初心者でも比較的始めやすいといえます。

そのため、副業として行う場合、まずは新品せどりから始めて、慣れてきたら「古物商許可証」を取得し、中古品せどりを行うとよいでしょう。

副業でせどりを始めるために準備するもの

副業でせどりを始める場合、仕入れる商品を調べたり出品したりするには、パソコンやスマートフォンが必要です。そのほか、せどりを始めるにあたって準備するものは、以下となります。

古物商許可証

前述したとおり、中古品せどりを行うためには、警察署に申請して古物商許可新規タブで開くを取得することが必要です。お住まいの地域から近い警察署で申請を行いましょう。なお、申請には手数料として1万9,000円(※2024年12月時点)がかかります。

仕入れ資金

商品を仕入れるためには、仕入れ資金を確保しておかなければなりません。さらに、商品を発送するための梱包資材などの準備も必要です。

商品を仕入れる前に販売する「無在庫販売」は禁止されているため、あくまでも商品を仕入れたうえでせどりを始める必要があります。特に、ブランド品などの単価が高い商品を取り扱う場合には、仕入れ資金を多めに確保しておきましょう。

銀行口座

せどり専用の銀行口座を作っておくと、お金の流れがわかりやすくなります。後々の確定申告に役立ちます。

クレジットカード

仕入を全て現金支払いや銀行振り込みで行うのは非現実的ですし、現金預金が足りなくなると仕入ができなくなりますので、クレジットカードは必要となるでしょう。ただし、クレジットカードの使用限度額目一杯の仕入をして商品が売れない場合は、カード決済日に支払ができなくなってしまうので、仕入れ過ぎないように注意してください。

在庫の保管場所

仕入れた商品を保管しておく場所も確保しておきましょう。前述のとおり、せどりは商品を仕入れたうえで始める必要があります。在庫が増えた場合に備えて、どこに保管するかを検討することが大切です。

副業でせどりを始めるステップ

必要なものを準備できたら、せどりを始めましょう。せどりの流れを5つのステップに分けて紹介します。

1. 市場や商品をリサーチする

せどりで最も大事な工程が、どの商品を仕入れて売るのか選定することです。商品選定によって、売上は大きく変わります。そのため、市場や商品のニーズなどをしっかりとリサーチすることが必要です。商品を選定する際は、ニーズのある商品か、仕入れ額と販売額に差があるかなどを見極めましょう。

2. 商品を仕入れる

商品の仕入先としては、中古品せどりならリサイクルショップや古本屋などがあげられます。新品せどりなら、ECサイトやネットショップ、卸売業者などが考えられるでしょう。

繰り返しとなりますが、中古品を仕入れて販売する場合は、事前に古物商許可証を取得しておく必要があります。

3. 出品先を決める

商品を仕入れるのと併せて、出品先を決めます。出品先としてあげられるのは、Amazonや楽天市場などのネットショップや、メルカリなどのフリマサイト、Yahoo!オークションなどのオークションサイトです。どの出品先の販売価格が高く、また購入してくれそうなターゲットがいるか事前に確認しておきましょう。

4. 商品を出品・販売する

商品を仕入れて出品先が決まったら、相場や手数料などを考慮して価格を設定し、商品を販売します。単に商品を販売するだけでなく、商品の魅力が伝わる紹介文や写真などにもこだわりましょう。

なお、中古品を販売する場合は、取引完了後のトラブルを防ぐため、傷や汚れなどがあるかどうかも明記しておきます。

5. 商品を発送する

出品した商品が売れたら、次に行うのは商品の梱包・発送です。買い手にとっては購入から商品到着までの期間も評価のポイントになるため、スピーディーな対応が求められます。

とはいえ、特に壊れやすい商品については配送中に破損しないよう、緩衝材などを入れてていねいに梱包しましょう。

副業のせどりと転売の違い

副業でせどりを始めようという場合、転売に当たるのか、せどりとの違いがあるか気になる方もいるかもしれません。転売にはマイナスなイメージを持つ方も多いと思われますが、せどりと転売は、両方とも商品を安く仕入れて高く売るという点では同じです。そのため、明確な線引きはありません。

ただ、人気のコンサートや舞台、スポーツイベントなどのチケットを買い占めて定価を大幅に上回る価格で販売する転売は、2019年6月14日より「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(通称:チケット不正転売禁止法)が施行され、禁止されています。禁止される行為としては、以下となります。

チケット不正転売禁止法で禁止される行為

  • 特定興行入場券(チケット)を不正転売すること
  • 特定興行入場券(チケット)の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けること

禁止された理由としては、本当にチケットを必要としているファン(消費者)にとって大きな負担になるほか、興行主や出演者などにとっては利益にならないためです。

もともと、転売する目的でチケットを購入したり、会場周辺でチケットを転売したりするのは「ダフ屋行為」として各都道府県の迷惑防止条例で取り締まられてきました。ただ、インターネット上での売買は、迷惑防止条例で取り締まることのできる「公共の場所」または「公共の乗り物」での売買に該当しなかったため、新たにチケット不正転売禁止法が施行されたのです。

そのため、安く仕入れて高く売るという行為自体は同じでも、チケットの転売は禁止されていることを知っておきましょう。

ほかにも転売行為自体に違法性がなかったとしても、相手を騙したり、法律や販売サイトで禁止されている商品を販売したりした場合は、罪に問われてしまう可能性があります。たとえ初心者であっても、せどりを行う場合は、関係する法律をしっかり確認して、間違いがない取引を行うようにしましょう。

副業でせどりをするなら確定申告が必要?

副業でせどりをする場合に気になるのが、確定申告が必要かどうかです。ここからは、確定申告が必要な条件や経費などについて紹介します。

せどりでの所得が年間20万円超なら確定申告を行う

結論からいうと、せどりで得た年間収入から経費を差し引いた金額が20万円を超える場合には、所得税の確定申告が必要です。

所得とは、すべての収入から経費を差し引いた残りの金額を指します。国税庁のWebページでも、会社員であっても確定申告が必要な人として「1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」とあげられています。

反対に、本業である会社員として得る給与以外の所得総額が年間20万円以下であれば、確定申告は不要です。しかし、本業以外の所得の年間合計が20万円以下であっても、医療費控除や住宅ローン控除の初年分など年末調整で申告できない控除を受けるために確定申告をする場合は、副業で得た所得も含めて確定申告が必要です。

また、確定申告を行わない場合においては、副業で1円でも利益が出ていれば、居住地の市区町村に対しての住民税の申告は、忘れずに行いましょう。

※国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

せどりの確定申告についてはこちらの記事でも解説していますので、参考にしてください。

必要な経費を計上することで税負担を軽減できる

確定申告では、経費を計上することで所得税を抑えられることも知っておきましょう。

前提として、副業が雑所得、事業所得、不動産所得に該当する場合、必要経費が認められます。せどりによる副業の多くは雑所得に該当するケースが多いです。せどりによる副業が社会通念上、事業と称する程度で行っている場合で、帳簿を付けていれば、事業所得として申告できる可能性があります。

なお、必要経費として算入できる金額の条件は、次のとおりです。

必要経費に算入できる金額の条件

  • 収入を得るためにかかった費用の額
  • その年に生じた販売費、一般管理費、その他業務上の費用の額

例えば、せどりを行うにあたって計上できる経費には、以下のようなものがあげられます。

せどりで経費計上できるものの例

  • 業務で使用するパソコンやスマートフォン、タブレットの購入費
  • 通信費
  • 仕入れにかかる費用
  • コワーキングスペースの利用料
  • 消耗品(梱包資材など)
  • 販売や出品に伴う手数料
  • 家賃や水道光熱費(せどりの副業で使用した分のみ)

せどりで副業を始める際は、売上や経費などをきちんと把握できるよう、帳簿付けをしておくのがおすすめです。

期末時点での棚卸しが必要

仕入れた商品を在庫として持つ場合、在庫管理が必要です。特に、期末である12月31日時点で棚卸し(在庫確認)を行いましょう。なぜなら、確定申告で必要となる経費や利益を正確に把握するためです。例えば、経費は販売した分の仕入れにかかった費用のみ計上できます。

在庫は、販売した個数と仕入れ個数を比較することで把握が可能です。残った在庫は資産に当たり、仕入れた価格で在庫金額を集計します。このとき在庫が少なすぎると、販売機会を逃す可能性があるほか、反対に在庫が多すぎると赤字につながる可能性もあり、適切な在庫量をキープするためにも在庫の把握は欠かせません。

確定申告ソフトの利用がおすすめ

初めて確定申告を行う場合、自分で経費や売上、在庫を確認して帳簿を作成するのは手間がかかったり、難度が高かったりします。その点、確定申告ソフトを使えば、取引の日付や金額などを入力するだけで、必要な帳簿を自動作成できます。

売上状況をきちんと確認できるため、副業でせどりを行うにあたって強い味方となるでしょう。

副業でせどりを行うなら確定申告を忘れずに

せどりは、商品を安く仕入れて高く売ることで利益を得るビジネスです。中古品せどりと新品せどりの2種類があり、中古品せどりは「古物商許可」の取得が必要となります。

せどりは初心者でも始めやすく、時間や場所を選ばないといったメリットがあります。一方で、商品を仕入れるための費用がかかるというデメリットもあるため、両者を比較したうえで、副業でせどりを行うか決めるようにしてください。

なお、せどりの収入から経費を差し引いた金額が20万円超なら確定申告が必要となります。せどりでの副業が雑所得の場合、帳簿付けは義務ではありませんが、在庫確認や売上・経費などをきちんと把握するためにも帳簿付けをしておくのがおすすめです。帳簿付けをしておくことで、青色申告も可能な事業所得で申告できる可能性も出てきます。

その際には「やよいの白色申告 オンライン」を使って、手間のかかる帳簿付けの入力作業を自動化しましょう。

無料で利用できる「やよいの白色申告 オンライン」は、事業所得での確定申告のみ対応しています。雑所得で確定申告を行う場合は、「やよいの白色申告 オンライン」の帳簿や集計資料の数字を基に、国税庁の確定申告サイトから申告をするとスムーズです。

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事業所得になる副業の確定申告は申告ソフトを使って楽に済ませよう

会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。

事業所得になる副業は、帳簿付けが必要です。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド確定申告ソフト『やよいの白色申告 オンライン』です。『やよいの白色申告 オンライン』はずっと無料で使えて、初心者や簿記知識がない方でも必要書類を効率良く作成することができます。e-Tax(電子申告)にも対応しているので、税務署に行かずに確定申告をスムーズに行えます。

副業の所得区分を事業所得・雑所得どちらにするか迷っている場合、まずは帳簿付けをしておきましょう。事業所得で確定申告する場合は帳簿が必要です。雑所得の場合、帳簿付けの義務はありませんが、売上や仕入・経費などの集計に帳簿がある方が便利です。

なお、『やよいの白色申告 オンライン』では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書は作成できません。もし、『やよいの白色申告 オンライン』で作成した収支内訳書から確定申告書を作成すると自動で「事業所得」に集計されます。国税庁の確定申告コーナーで、自分で収支内訳書と確定申告書に転記して申告をしてください。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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