労働条件通知書の書き方を記入例で解説 2026年10月法改正の変更点も紹介
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労働条件通知書とは、事業主が従業員を雇用する際に交付する書面です。賃金や労働時間、休日・休暇などの労働条件を明示するもので、法律で交付が義務づけられています。
労働条件通知書に記載すべき労働条件は、これまでの法改正により段階的に追加・拡充されてきました。なかでも2026年(令和8年)10月の法改正では、パートタイム・有期雇用労働者への明示事項が追加されています。記載項目が多く、記入の仕方に迷いやすい書類でもあるため、最新のルールを踏まえて作成することが大切です。
本記事では、労働条件通知書の明示事項や各項目の書き方を、記入例付きで解説します。作成時の注意点も紹介するため、労働条件通知書を作成する際の参考にしてください。
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労働条件通知書の書き方と項目一覧
労働条件通知書は、就業時間や賃金、休日など、労働に関する条件を記載し、労働者へ明示するための書面です。
労働条件通知書に記載する明示事項は、労働基準法施行規則第5条に定められています。明示事項は、必ず明示しなくてはならない「絶対的明示事項」と、企業で制度を設けている場合に明示しなければならない「相対的明示事項」に分けられます。また、パートタイム労働者や有期雇用労働者など、非正規雇用の労働者を雇用する際に追加で明示すべき項目もあります。
労働条件通知書は、労働者が内容を具体的に理解できる形、例えばできるだけ数字を使って記載することが大切です。例えば「会社の定めによる」「必要に応じて支給」などの表現だけでは、後から認識の違いが生じる可能性があります。金額や時間、対象者、支給条件などをできるだけ具体的に示すことで、労働条件を確認しやすくなります。
以下では、絶対的明示事項、相対的明示事項、非正規労働者向けに記載すべき事項について、それぞれの具体的な項目や書き方を記入例付きで解説します。併せて、各項目の法改正による変更点も紹介します。2026年(令和8年)10月施行のパートタイム・有期雇用労働者への明示事項の追加についても取り上げます。
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参照:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則 第5条
」
参照:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法の概要」P.6
書面で明示が求められる絶対的明示事項
書面での明示が求められる絶対的明示事項には、契約期間や就業場所、賃金、退職に関する事項などがあります。これらは労働契約を締結する際に必ず明示しなくてはならない項目であり、労働者の働き方や待遇を確認するうえで基本となる内容です。各項目の記入例を含めた詳細は以下のとおりです。
労働契約の期間に関する事項
労働契約に期間の定めがあるかを記載します。有期雇用の場合は契約の開始日と終了日も具体的に記載しましょう。期間の定めがない場合は、「期間の定めなし」と記載し、有期雇用と区別できるようにしておくと分かりやすくなります。
なお、試用期間を設ける場合は、試用期間の有無や期間についても労働条件通知書に記載しておきましょう。
- 【記入例】
- 期間の定め:なし
期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
アルバイト、パートタイム、契約社員や派遣社員など有期雇用の従業員については、更新の有無や更新を決める判断基準などを記載します。
2024年(令和6年)4月施行の法改正により、更新上限の有無と内容が明示事項に追加されました。更新上限は、通算契約期間または更新回数で記載します。最初の労働契約の締結後に更新上限を新設したり短縮したりする場合は、その理由をあらかじめ労働者に説明しなければなりません。
また、有期雇用の通算期間が5年を超える場合、労働者の申し込みにより無期契約へ転換できる「無期転換ルール」があります。2024年(令和6年)4月施行の法改正では、無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込める旨と、無期転換後の労働条件を明示することが義務づけられました。
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参照:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
」
参照:厚生労働省「無期転換ルールについて」
- 【記入例】
- 契約の更新:あり(次を判断基準として更新する場合がある)
更新の判断基準:①契約期間満了時の業務量、②勤務成績および態度、③会社の経営状況
更新の上限:あり(通算契約期間は上限5年とする/更新回数は上限4回とする)
就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
すべての労働者に対し、雇入れ直後の就業場所・業務内容を明示します。2024年(令和6年)4月施行の法改正により、将来の配置転換などによって変更される可能性がある就業場所や業務内容の範囲も、明示事項として定められました。
- 【記入例】
-
-
(1)就業の場所
雇入れ直後:本社(東京都〇〇区〇-〇-〇)
変更の範囲:会社の定める全事業所(転居を伴う転勤を含む) -
(2)従事すべき業務
雇入れ直後:総務・人事に関する業務
変更の範囲:会社の定めるすべての業務
-
始業・終業時刻、休憩、休日・休暇に関する事項
始業・終業時刻や休憩時間、休日・休暇、所定労働時間を超える労働の有無などに関する明示事項です。具体的には、以下のような項目を記載します。
- 始業・終業時刻
- 交替制やシフト制など、就業時転換に関する事項
- 所定労働時間を超える労働の有無
- 休憩時間
- 休日
- 休暇
- 【記入例】
- 始業・終業の時刻:始業 9時00分、終業 18時00分
休憩時間: 60分
所定外労働の有無:有
休日:毎週土曜・日曜日、国民の祝日、年末年始
休暇:年次有給休暇(入社6か月経過後に10日付与)、慶弔休暇
なお、勤務形態や休暇制度が複雑で明示事項が多岐にわたる場合は、所定時間外労働の有無を除き、基本的な取扱いと適用される就業規則の条項を示す方法でも記載できます。
休暇については、年次有給休暇のほか、代替休暇を含む法定休暇やその他の休暇も明示の対象です。代替休暇は、労使協定を締結したうえで、1か月60時間を超える法定時間外労働があった場合に、割増賃金の引き上げ分の支払いに代えて付与する有給の休暇です。制度として設けているか、有無を明示します。その他の休暇は、慶弔休暇や夏季休暇など、会社が恩恵的に定めている休暇がある場合に記載します。
賃金に関する事項
賃金に関する事項には、賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切日・支払日などが含まれます。昇給に関する事項も絶対的明示事項に含まれますが、書面などでの明示義務の対象からは除かれます。有無を記載したうえで、昇給制度がある場合は時期を明示し、詳細は就業規則の該当条文を参照とする形が一般的です。
また、社宅費や親睦会費など、労使協定に基づいて給与から控除する項目がある場合は記載するのが望ましいですが、絶対的明示事項にはあたりません。なお、退職手当や賞与などは相対的明示事項にあたり、制度を設けている場合は明示しなくてはなりません。相対的明示事項について詳しくは、後段で解説します。
- 【記入例】
- 基本給:月給 250,000円
諸手当:通勤手当(月額上限20,000円まで実費支給)
割増賃金率:所定時間外労働25%(月60時間超は50%)、法定休日35%、所定休日(法定外休日)25%、深夜労働25%
賃金締切日:毎月25日
賃金支払日:毎月末日(休日の場合は前営業日)
支払方法:指定する銀行口座への振込
労使協定に基づく控除:なし
昇給:あり(年1回・4月、就業規則第〇条により決定する)
退職に関する事項
定年制度や継続雇用制度の有無、自己都合退職の場合の手続きなどを記載します。解雇になりうる事由を明示する際は、「就業規則第〇条に定めるとおり」のように、就業規則の該当条文を参照する形で記載する方法もあります。
高年齢者雇用安定法では、定年を65歳未満に定めている事業主に対し、65歳までの雇用を確保するための措置を講じることが義務づけられています。2025年4月1日以降は、高年齢者雇用確保措置として、以下のいずれかの措置を講じなければなりません。
・定年制の廃止
・65歳までの定年の引き上げ
・希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入
- 引用:厚生労働省「経過措置に基づく基準対象者に限定した継続雇用制度を利用している事業主の皆さまへ
」
労働条件通知書に定年や退職に関する条件を記載する際は、自社の制度が上記の措置に対応しているかも確認しましょう。
- 【記入例】
- 定年制:あり(一律60歳)
継続雇用制度:あり(65歳まで)
自己都合退職の手続き:退職希望日の〇日前までに届け出ること(就業規則第〇条に基づく)
解雇の事由:就業規則第〇条から第〇条の規定に該当する場合
定めがある場合に記載する相対的明示事項
相対的明示事項は、企業で制度を設けている場合に明示する項目です。いずれも、制度がない場合は記載の対象になりません。以下では、各項目の内容と記載例を紹介します。
退職手当に関する事項
退職手当制度を設けている場合は、退職手当の対象となる労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払方法、支払時期などを記載します。
- 【記入例】
- 退職金制度:あり
- ※金額の算定および支払時期等の詳細は、別途定める「退職金規程」による。
- ※金額の算定および支払時期等の詳細は、別途定める「退職金規程」による。
臨時に支払われる賃金などに関する事項
賞与や結婚手当など、臨時に支払われる賃金がある場合は、支給時期や回数、金額、支給条件などを記載します。
- 【記入例】
- 賞与:あり
- ※ただし、会社の業績または本人の勤務成績によっては支給しない、あるいは減額する場合がある。
- ※ただし、会社の業績または本人の勤務成績によっては支給しない、あるいは減額する場合がある。
労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
制服や作業靴、工具など、業務で使用する物品の費用を労働者本人が負担する場合は、対象となる物品や金額、負担条件などを記載します。社員食堂の利用費など、食費を自己負担とする場合も対象です。
- 【記入例】
- 食費:社員食堂を利用する場合、1食につき300円を自己負担とし、毎月の給与から控除する。
作業用品:入社時に支給する指定の制服・安全靴について、紛失等により追加支給を希望する場合は実費負担とする。
安全及び衛生に関する事項
安全衛生に関する事項では、健康診断、安全教育、保護具の着用、危険防止措置など、会社で定めている安全衛生上の取り扱いを記載します。
- 【記入例】
- 雇入れ時および年1回、会社の指定する健康診断を受診すること。
業務従事中は、会社が支給する保護眼鏡およびヘルメットを必ず着用すること。
なお、深夜業を含む業務など、労働安全衛生規則が定める「特定業務」に従事する労働者については、その業務への配置替えの際および6か月以内ごとに1回の健康診断(特定業務従事者の健康診断)を行う必要があります。特定業務がある企業は、この点も踏まえて安全衛生に関する事項を明示・運用しましょう。
-
参照:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう
」
職業訓練に関する事項
会社が実施する研修や教育訓練制度がある場合、その時期や内容、対象となる人や実施方法などを記載します。社外で実施する場合は、場所や費用負担についても記載します。
- 【記入例】
- 入社後3か月間は、会社が実施する新入社員研修を受講すること。
災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
業務上の災害に対する補償や、業務外の傷病に対する扶助制度を設けている場合は、その内容や支給条件などを記載します。会社独自の法定外補償や見舞金制度がある場合も、相対的明示事項の対象です。
- 【記入例】
- 業務上および通勤途上の災害については、労働者災害補償保険法に基づき補償する。
会社独自の法定外補償および私傷病に対する見舞金については、就業規則第〇条の定めによる。
表彰及び制裁に関する事項
社内表彰制度や懲戒制度を設けている場合は、表彰の対象となる行為や条件、懲戒の種類・事由などを記載します。内容が多い場合は、就業規則の該当条文を参照する形で記載する方法もあります。
- 【記入例】
- 表彰および制裁(懲戒の種類・事由を含む)については、就業規則第〇条から第〇条の定めに従う。
休職に関する事項
休職制度の有無や休職が適用される要件、休職が可能な期間や復職の条件などを記載します。
- 【記入例】
- 休職制度:あり
業務外の傷病により〇か月以上欠勤した場合は休職を命じる。休職期間および復職の条件等については、就業規則第〇条の定めによる。
パート・アルバイトに対して追加で明示する事項
パートタイム労働者や有期雇用労働者を雇い入れる場合は、労働基準法で定められた明示事項に加えて、以下の項目も文書などで明示します。これらの項目は、パートタイム・有期雇用労働法第6条および、施行規則第2条に基づくものです。短時間労働者や有期雇用労働者は、昇給・退職手当・賞与の取り扱いが正社員と異なる場合もあるため、雇入れ時に有無を明示しておくことが求められます。なお、2026年(令和8年)10月1日施行の改正により、待遇の違いやその理由について説明を求められる旨が、新たに明示事項として加わりました。
また、雇用管理の改善などに関する相談に対応できるよう、相談窓口についても明示します。
- 昇給の有無
- 退職手当の有無
- 賞与の有無
- 相談窓口
- 待遇の違いやその理由について説明を求められること(※2026年(令和8年)10月1日から)
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参照:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(令和8年10月1日施行)
」P.1
参照:e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第6条」
参照:e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則 第2条」
その他の項目
労働条件通知書には、これまで解説した明示事項以外にも、「その他」欄として記載される項目があります。具体的には、社会保険の加入状況、雇用保険の適用の有無、中小企業退職金共済制度、企業年金制度、相談窓口などです。これらは労働条件通知書の明示事項そのものではありませんが、入社時に労働者へ伝える情報として、労働条件通知書に併記される運用が一般的です。
社会保険の加入状況や雇用保険の適用の有無は、書面で示しておくと労使間の認識が揃いやすくなります。中小企業退職金共済制度や企業年金制度による退職金制度を設けている場合は、相対的明示事項にあたり労働条件として明示する義務があります。制度の有無と、設けている場合は制度名を記載しましょう。
雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口は、短時間労働者および有期雇用労働者からの苦情を含めた相談を受け付ける際の受付先を記入する欄です。2026年(令和8年)10月1日からは、カスタマーハラスメントの防止措置が事業主の義務となります。これらの措置には、事業主の方針の明確化と周知・啓発、相談に応じ適切に対応するための体制の整備、事後の迅速かつ適切な対応などが含まれます。労働条件通知書の明示事項そのものではありませんが、事業主には相談体制の整備と周知が求められます。そのため、カスタマーハラスメントに関する相談窓口を労働条件通知書や就業規則等に記載して労働者へ周知しておくことは、防止措置の一つとして有効です。
また、就業規則は労働者への周知が義務付けられているため、確認できる場所や方法(社内の所定の場所での閲覧、社内共有フォルダなど)を記載しておくと、労働者が必要なときに就業規則の内容を確認しやすくなります。
- 【記入例】
- 社会保険の加入状況:厚生年金、健康保険
雇用保険の適用:有
中小企業退職金共済制度:加入していない
企業年金制度:なし
雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口:人事部 担当者〇〇(連絡先:03-XXXX-XXXX)
就業規則を確認できる場所や方法:人事部に設置、または社内共有フォルダにて閲覧可能
-
参照:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために
」
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そもそも労働条件通知書とは何か
労働条件通知書の作成にあたっては、まず書類の役割や交付の対象、雇用契約書との違いを押さえておくことが大切です。労働条件通知書は、雇用時に取り決めた条件を書面で示すものであり、労使間の認識違いを防ぐ役割があります。
なお、労働条件に変更があった場合は、変更後の内容を反映した労働条件通知書をあらためて交付しておくと安心です。
労働条件通知書について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
労働条件通知書の定義と交付の対象
労働条件通知書とは、使用者が労働者と労働契約を締結する際に、賃金や労働時間、休日・休暇、退職に関する事項などを明示する書面です。労働基準法第15条第1項では、以下のように定められています。
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
- 引用:e-Gov法令検索「労働基準法 第15条 第1項
」
労働条件通知書の交付対象は、正社員に限られません。パートタイム労働者や有期雇用労働者など、雇用形態を問わずすべての労働者が対象です。有期雇用労働者については、契約締結時だけでなく契約更新時にも、労働条件の明示が求められます。
雇用契約書との違いと使い分け方
労働条件通知書は、使用者が労働者に労働条件を明示するための「通知」です。労働者の署名や押印は必須ではなく、使用者から労働者へ交付することで、労働条件を伝える役割を持ちます。
一方、雇用契約書は、使用者と労働者が労働条件に合意したことを確認するための「契約書」です。労働条件通知書とは異なり、労使双方の署名・押印によって合意内容を確認するのが一般的です。
雇用契約書の作成自体は法律で義務づけられていませんが、口頭での契約だけでは認識の違いが生じるおそれがあります。そのため、実務では「労働条件通知書兼雇用契約書」として、労働条件の通知と労使双方の合意確認を1つの書面で行うケースもあります。
テンプレートなどを使用して労働条件通知書を作成する場合は、雇用契約書を兼ねた様式を選ぶと、交付・締結の手続きを効率化できます。
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労働条件通知書を正しく作成するための実践ポイント
労働条件通知書は、労働基準法で明示が義務づけられている項目を漏れなく記載し、正しく作成することが大切です。従業員に内容を理解してもらいやすい労働条件通知書を作成するには、どのような点に留意すればよいのでしょうか。以下では、実践時に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
厚生労働省のモデル様式を活用して作成する
厚生労働省のホームページでは、一般・林業・建設などの業種別や、雇用形態(常用・有期雇用、日雇、短時間労働、派遣労働など)に応じた多様な労働条件通知書のモデル様式を公開しています。交付したい従業員の雇用形態や業種に応じたテンプレートをダウンロードして活用すれば、手間を省きながら正しい労働条件通知書の作成が可能です。
厚生労働省のモデル様式をはじめとした、既製のテンプレートを使用する場合は、2024年(令和6年)4月以降の改正に対応した様式であるかも確認しましょう。雇用形態に応じた確認ポイントは以下のとおりです。
- すべての労働者
-
- 就業場所・業務の変更の範囲が記載されているか
- 有期雇用労働者
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- 契約締結時と契約更新時に、更新上限の有無と内容が記載されているか
- 更新上限がある場合、通算契約期間または更新回数の上限が具体的に記載されているか
- 無期転換申込権が発生する契約更新時に、無期転換申込機会が明示されているか
- 無期転換後の労働条件が明示されているか
これらの記載があるテンプレートを選べば、自身で法改正に応じて項目を追加などすることなく、効率的に労働条件通知書の作成が可能です。
弥生では、2024年(令和6年)4月施行の法改正に対応した、労働条件通知書兼雇用契約書のテンプレートを公開しています。こちらから無料でダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
あいまいな表現を避けて具体的に記載する
労働条件はあいまいな表現を避け、できるだけ数字を使って、誰が読んでも内容を理解できるよう具体的に記載しましょう。例えば「当社規定による」のような表現では、従業員が具体的なイメージを描けず、条件が正しく伝わらない可能性があります。
特に賃金や労働時間に関する項目は、労働者の働き方や生活に直接かかわる条件です。誤解が生じないよう、具体的な金額や時間、日数などを用いて明確に示しましょう。
また、賞与や退職手当について「あり」とだけ記載すると、条件にかかわらず支給されるものと誤解される可能性があります。業績や勤務期間などによって支給しない場合があるときは、その条件も併せて記載しましょう。賞与や退職手当を別途支給しない取り扱いとする場合も、労働者に誤解が生じないよう明確に示すべきです。
交付方法と保管期間を正しく把握する
労働条件通知書は原則として書面で交付します。ただし、2019年(平成31年)4月1日以降は、労働者が希望した場合に限り、FAXや電子メール、SNSなどの電子的方法でも明示できるようになりました。
電子的方法で明示する場合は、労働者本人が出力して書面を作成できる方法で行うことが条件です。また、労働者が電子メール等での明示を希望しているかを個別に確認し、送信後は本人が内容を確認できているかも確認すると安心です。
なお、SMSなどは文字数制限があり、PDF等のファイルを添付できない場合もあるため、労働条件通知書の交付方法としては避けましょう。
保存期間については、労働者名簿や賃金台帳、雇入れ・解雇・災害補償・賃金その他労働関係に関する書類について、5年間保存しなければならないと定められています(労働基準法第109条)。ただし、経過措置により、当分の間は3年間の保存とされています。
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参照:e-Gov法令検索「労働基準法第109条
」
参照:厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」P.6
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労働条件通知書の正しい書き方を理解して適切に交付しよう
労働条件通知書は、労働者に賃金や労働時間、休日・休暇などの労働条件を明示するための書類です。記載すべき項目や交付方法を正しく理解し、法改正で追加された明示事項にも対応できるようにしておきましょう。
従業員の入社後は、労働条件通知書で明示した内容に沿って、給与や手当、賞与などを正しく計算・支給することが求められます。「弥生給与 Next」では、給与・賞与明細の作成や年末調整業務、源泉徴収票のWeb配信などをクラウド上で進められます。給与計算や年末調整業務を効率化したい方は、「弥生給与 Next」の導入をご検討ください。
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※本記事は2026年5月14日時点の情報を基に制作しています。
※ご契約のプランによって利用できる機能が異なります。
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よくあるご質問
労働条件通知書に書くべきことは何ですか?
労働条件通知書には、賃金や労働時間、休日、休暇、退職に関する事項など、労働条件に関する項目を記載します。明示事項は、必ず明示する「絶対的明示事項」と、企業で制度を設けている場合に明示する義務が生じる「相対的明示事項」に分けられます。
絶対的明示事項には、労働契約の期間、就業場所・業務内容、労働時間、賃金、退職に関する事項などがあります。一方、相対的明示事項には、退職手当、賞与などの臨時に支払われる賃金、表彰・制裁、休職など、企業により制度の有無が異なる項目が含まれます。
また、2024年(令和6年)4月の法改正により、就業場所・業務の変更の範囲や、有期雇用労働者に関する更新上限など、明示事項が追加されました。さらに2026年(令和8年)10月の法改正で、パート・有期雇用労働者への明示事項が追加となります。各項目の内容は前の項で詳しく紹介していますので、そちらもご覧ください。
詳しくはこちらパート・アルバイトでも労働条件通知書は必要ですか?
労働契約を結ぶ際は、雇用形態にかかわらず、賃金や労働時間などの条件を労働者に示すことが求められます。
また、パートタイム労働者や有期雇用労働者を雇い入れる場合は、労働基準法で定められた明示事項に加えて、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4項目も文書などで明示します。
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参照:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法の概要
」P.6
-
参照:e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則 第2条
」
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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務
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