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領収書の正しい訂正方法と注意点を解説!ミス防止の事前準備も紹介

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領収書を訂正しても基本的には問題ありません。しかし、実際に領収書を訂正するうえで、意外と漏れがちなビジネスマナーは多いもの。「こういう場合はどうすればいいの?」と、悩んでしまう方もいるでしょう。

さらに、「訂正したものは無効」と書かれている領収書やクラウド領収書、インボイス(適格請求書)として発行した領収書などに該当する場合は、訂正ではなく、再発行が必要です。

そこで、本記事では訂正が可能なケースと不可能なケースの違い、領収書の正しい訂正方法、訂正時にしてはいけない4つの対応、ミスの予防策について解説します。

 領収書を訂正できないケース・できるケース

領収書に間違いがあった場合、基本的に訂正できます。ただし、条件によっては訂正できない場合もあるので、訂正が可能かどうかの判断基準や条件を説明します。

領収書を訂正できないケース

領収書を訂正できないケースは、主に以下の3つです。3つの内、どれか1つでも該当した場合は、再発行しましょう。

  • 「訂正したものは無効」と書かれている領収書
  • クラウド領収書
  • インボイス(適格請求書)として発行した領収書

まず、領収書に「訂正したものは無効」と書かれている場合は訂正できません。

クラウド領収書の場合も二重線などで訂正できないため、後から変更すると改ざんになってしまいます。また、インボイス(適格請求書)として領収書を発行した場合は、登録番号や金額、そのほかの項目についても、誤りをみつけても訂正できません。

領収書を再発行する場合は、新たに作成した領収書に再発行であることを明記しましょう。

参考:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A新規タブで開く」問33・34

領収書を訂正できるケース

領収書の間違いは、基本的に再発行が望ましいです。しかし、以下のケースの場合、すべて訂正可能です。

  • 金額の訂正方法
  • 宛名の訂正方法
  • 日付の訂正方法
  • 但し書きの訂正方法

訂正するのは、基本的に1ヵ所までです。訂正する場合は、誰が間違いをみつけたのか、いつ訂正したのかなど、訂正の過程を記録しておきましょう。後から税務署に確認されたとき、どのような経緯で訂正に至ったのかを明確に答えられるようにしておくためです。

間違いが複数ある場合は、再発行してください。

領収書を正確に訂正するための事前知識

誤りをみつけた領収書が訂正してもよいものだとわかれば、いよいよ訂正していきます。正しく訂正できていないと税務調査でチェックを受ける可能性があるので、正確に訂正する方法を確認しておきましょう。

正確に訂正するために押さえておきたい事前知識を紹介します。

二重線は間違っている部分に引く

領収書を訂正する際は、訂正部分を明確に示すため、間違っている部分に「二重線」を引きます。一文字間違った場合でも、一文字だけでなくその単語を消し、数字の場合はその数字すべてを消します。二重線の上からでも、元の文字や数字が読めることが大切です。

訂正する場合は、0.5mm程度の太さの油性ボールペンを使うとよいでしょう。太字のペンを使ってしまうと、小さめの文字がつぶれて読めなくなる可能性があります。水性のペンは、水がつくとにじんでしまうので、油性ボールペンで訂正するのがおすすめです。

二重線例

訂正印は二重線の中央に押す

誰が訂正したのかを明確に示すために、訂正印は必ず押しましょう。訂正した部分に引いた二重線の中央に訂正印を押します(訂正印例①)。

訂正印例① 二重線の上に訂正印を押す

ただし、二重線の上に訂正印を押すと、下の文字が読みにくくなってしまう場合は、正しく記載した横に訂正印を押しても大丈夫です(訂正印例②)。

訂正印例② 正しく記載した文字の横に訂正印を押す

訂正印は、その文書に使用した印鑑と同じ印鑑を押すのが正式です。

基本的には以下の使い分けで問題ありませんが、まずは会社の規定を確認してみましょう。

重要書類の場合 その契約書に押した印鑑と同じ印鑑を押す(銀行印や実印など)
社外書類の場合 会社印
社内書類の場合 担当者の印
  • シヤチハタタイプの印は、社内書類など会社で認められている場合は使用しても問題ありませんが、重要書類や社外書類の場合は、朱肉を使う印鑑を使用しましょう。

【ケース別】領収書の訂正方法を紹介

正確に訂正する方法を確認したところで、訂正が可能なケース別の訂正方法を紹介します。

金額の訂正方法

訂正前と訂正後の金額が、一目で読み取れるように訂正しましょう。数字を訂正する場合は、数字の一部だけでなく「数字すべて」を訂正します。

訂正の手順は、次の通りです。

金額の訂正手順

  1. 手順1.誤った金額を二重線で消す
  2. 手順2.二重線の中央に訂正印を押す
  3. 手順3.正確な金額を記入する
  4. 手順4.改ざん防止のため、正しい数字の前に「¥」後ろに「-」を記載する正確な金額を記入する
【金額訂正例】本来は「30,000円」のところを「3,000円」と記載していた場合。

宛名の訂正方法

宛名の訂正をする際も、間違い部分を二重線で消して訂正印を押し、正確な宛名をわかりやすく記入しましょう。間違いが一文字だった場合、一文字だけ訂正するのではなく、会社名単位で訂正します。

訂正する手順は、次の通りです。

宛名の訂正手順

  1. 手順1.誤った宛名を二重線で消す
  2. 手順2.二重線の中央に訂正印を押す
  3. 手順3.正確な宛名を記入する
【宛名訂正例①】本来は「株式会社ミソカインボイス」のところを「ミソカイソボイス株式会社」と記載していた場合。

名前や会社名を間違えられるのは、受け取り側にとって気持ちがよいものではありません。ビジネスマナー的にも、宛名を間違えた場合は、再発行してきれいな領収書を渡した方が望ましいでしょう。

日付の訂正方法

日付は取引の発生日を示すものです。後から変更すると税務上の問題が生じる可能性があるため、正しく訂正しましょう。

訂正する手順は、次の通りです。

日付の訂正手順

  1. 手順1.誤った日付を二重線で消す
  2. 手順2.二重線の中央に訂正印を押す
  3. 手順3.正確な日付を記入する
【日付訂正例】本来は「2023/10/19」のところを「2023/9/19」と記載していた場合。

注意!1文字だけ間違えてもすべてを二重線で消す

以下のように、1文字だけ間違えた場合でも、「2023/9/18」すべてを二重線で消して訂正します。

(誤)2023/9/18
(正)2023/9/19

但し書きの訂正方法

但し書きは取引の内容が明確にわかるよう記載するものです。不正確な記載は誤解を招くため、何の代金なのかを具体的に記載しましょう。

訂正する手順は、次の通りです。

但し書きの訂正手順

  1. 手順1.誤った但し書きを二重線で消す
  2. 手順2.二重線の中央に訂正印を押す
  3. 手順3.何の代金か具体的にわかるように但し書きを記入する
【但し書き訂正例】本来は「文房具代」と具体的に記載するところを「品代」にしていた場合。

領収書を訂正する時にしてはいけないNG行動4つ

領収書の訂正方法がわかったとしても、訂正時に間違った行動をしてしまうと、領収書として認めてもらえない場合があります。そのような事態を防ぐためにも、領収書を訂正する時に「してはいけないNG行動4つ」を知っておきましょう。

インク浸透印など印鑑以外を使う

訂正印を押す際は、インク浸透印(シヤチハタタイプ)を使うのはNGです。印鑑は訂正の正確性を示すものであるため、誰でも購入できる印は訂正の証拠として認められない可能性があります。朱肉を使う印鑑を使用して、訂正しましょう。

修正液や修正テープで訂正する

領収書の訂正に、修正液や修正テープを使用するのはNGです。修正ペンや修正テープで修正すると、訂正前の文字が不明瞭になってしまうからです。間違えた箇所を消す際は、必ず二重線を引いて訂正印を押しましょう。

砂消しゴムなどもNG!

砂消しゴムを使用して訂正するのもNGです。

領収書が破れたり、穴が空いたりするなど破損するリスクがあることや、訂正箇所の原文が読めなくなることから、砂消しゴムは使わないでください。

1文字だけでも、二重線を引き訂正印を押して訂正しましょう。

こすると消えるペンで訂正する

領収書の訂正に、こすると文字が消えるペンを使うのはNGです。何かの拍子でこすれてしまうと、明確な訂正内容が確認できなくなる恐れがあります。油性のボールペンなど、消えないペンで訂正しましょう。

受取人に訂正を依頼する

受取人に訂正を依頼するのは、基本的にNGです。領収書は本来、発行者のみが記入できるものだからです。税務調査で指摘を受けることもあるので、原則として発行者側が行います。

領収書でミスしないための予防策5つ

領収書の訂正があると、訂正処理の手間が増えるだけでなく、「もう間違えられない」と緊張感が増すなど、仕事にも少なからず影響が出てきます。理想としては、領収書のミスが出ない状態にするのが一番ではないでしょうか。

ここでは、二度と領収書のミスを出さないための予防策を5つ紹介します。

領収書作成前の確認リストを作成する

領収書を作成する際に記入が必要な事項をまとめた「確認リスト」を作成しておきましょう。確認リストでチェックをしながら作成することで、ミスを未然に防げます。

領収書作成や訂正前に下書きをする

紙の領収書を作成する前には、一度下書きをするようにしましょう。面倒なようでも、このひと手間でミスを防げます。領収書の訂正をする際に、いきなり書き始めるとその訂正自体を間違えてしまうこともあるでしょう。

訂正箇所をさらに訂正するようになると、ごちゃごちゃとしてわかりにくくなり、見た目がよくないだけでなく信頼にも関わるため、結局は再発行することになります。

領収書作成前の確認リストを作成する」でご紹介した確認リストをチェックしながら、下書きをして清書すると確実です。

領収書の見本を活用する

必要事項の書き間違いや記入漏れ、見落としなどの間違いを防ぐために、領収書の見本を作成しておきましょう。誰が見ても、どこに何を記入すればよいか分かるように、入力が必要な箇所は線やボックスの色を変えるなどでわかりやすくしておきます。

見本例

また、金額を入力する際の「¥」や「,」、日付のフォーマット(例:20〇〇年〇〇月〇〇日)を入れておくと、領収書によってバラバラな記載になるのを防げます。

正しく記入した見本の領収書を用意しておくと、照らし合わせながら記入できるので便利です。実際の使用状況や相手先に合わせてカスタマイズし、定期的に見直しをおこなっていきましょう。

上の見本は、領収書の無料エクセルテンプレートの「シンプル6」のテンプレートを使用しています。以下のリンクから見本をダウンロードできますので、自社用にカスタマイズしてご活用ください。

見本はこちら新規タブで開く

名刺を活用する

取り引きをする際は、あらかじめ相手から名刺をもらっておくことで、名前や会社名などの間違いを防げます。

口頭のみでやり取りをした場合、「川元」を「川本」、「岩佐」を「湯浅」、「株式会社〇〇」を「〇〇株式会社」などと間違えてしまう可能性があります。

名刺はすぐにファイルに入れたりデータ化したりしておき、領収書を作成する際に確認しましょう。

また、漢字の旧字体にも注意が必要です。普段はわかりやすさを優先して常用漢字を使われていることがあります。正式な名前は旧字体の場合もあるので注意しましょう。

以下、間違えやすい漢字の一例を表にしました。

間違えやすい漢字例
旧字体 新字体

漢字の他にも、社名のカタカナやアルファベットなども間違いやすいので、しっかりと確認します。

請求書作成ソフトを利用する

会計ソフトを利用すると、自動計算やエラーチェック機能があるので人為的なミスを防げます。入力した見積書、納品書、請求書、請求明細書から領収証を作成できるため、入力の手間やミスを削減できるからです。経理業務の効率化にもつながるため、利用を検討することもおすすめです。

まとめ

領主書が訂正できないケースは下記のとおりです。

  • 「訂正したものは無効」と書かれている領収書
  • クラウド領収書
  • インボイス(適格請求書)として発行した領収書

1ヵ所程度のミスであれば、以下の一般的なケースについては訂正できます。

  • 金額
  • 宛名
  • 日付
  • 但し書き

領収書の訂正をする際は、以下のNG行動をしないように気をつけましょう。

  • インク浸透印など印鑑以外を使う
  • 修正液や修正テープで訂正する
  • こすると消えるペンで訂正する
  • 受取人に訂正を依頼する

領収書のミスを未然に防ぐための予防策を行うことで、スムーズな経理業務につながります。

  • 領収書作成前の確認リストを作成する
  • 領収書作成や訂正前には下書きをする
  • テンプレートを活用する
  • 名刺を活用する
  • 会計ソフトを利用する

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但し書きの記入も簡単!領収書の発行・管理は「Misoca」にお任せ

領収書を発行する際は、但し書きを正しく記入する必要があります。経費計上する際にも、適切な但し書きの書き方が重要といえるでしょう。

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