英語を活かした副業とは?仕事の種類や探し方について解説
監修者: 齋藤一生(税理士)
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副業は英語でsecond job、またはside jobといいますが、日本ではダブルワークともいわれ、昨今では副業の解禁が進んでいます。その中で、英語が得意な方は、英語力を副業に役立てたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、英語を活かせる副業の主な種類や選び方のほか、英語を副業に活かすメリット・注意点についてわかりやすく解説します。副業を選ぶ際の参考にしてください。
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英語を活かした副業の種類
英語を活かした副業には、どのような種類があるのでしょうか。具体的には、以下のようなものがあります。
翻訳・通訳
翻訳や通訳は、英語力を活かせる副業の代表格です。どちらの仕事も英語から日本語、日本語から英語へと翻訳・通訳する能力が問われます。
翻訳には産業翻訳・出版翻訳・映像翻訳などの仕事があります。報酬は訳出した日本語の単語数、または英語の原文1ワード当たりの単価によって決まり、医療・薬学のように専門性の高い分野ほど単価が高くなるのが一般的です。TOEICのスコアなどを応募要件として設けている企業も見られますが、採用選考時に実施される翻訳テストの結果が重視されるケースが多いといわれています。
通訳には同時通訳と逐次通訳の2種類があります。前者はリアルタイムで通訳し、後者は話者が話し終えてからまとめて訳すという違いがあるものの、どちらも高度な英語力とコミュニケーション力が問われることに変わりはありません。近年はビデオ通話が普及したため、在宅で通訳の副業に挑戦できる場合もあります。
英語関係のライティング・チェッカー
ライティングやチェッカーは、パソコンとインターネット環境さえあれば始められるため、在宅で副業に取り組みたい人に向いています。
ライティングとは、英語に関わるテーマの記事を執筆する仕事のこと。英語の勉強方法や英会話を上達させるコツなどを紹介する日本人向けの記事が多いことから、日本語で執筆するケースがほとんどです。文章を書くことが好きな人であれば、英語力を身に付けてきた経験そのものを活かせます。
チェッカーとは、翻訳された文章を校正・校閲する仕事のこと。対象となる文章には英語・日本語の両方のパターンがあります。誤字脱字や誤訳、訳抜けがないかをチェックするほか、表記の不統一などを定められたルールに則って確認していく仕事です。
英語力に加えて他人が翻訳した文章を校正・校閲する能力も問われるため、自分で翻訳するよりも難度が高いケースもあります。
オンライン英会話講師・家庭教師
近年は、オンラインで受講できる英会話教室や家庭教師といったサービスが数多くあることから、英語力を活かして在宅で講師や家庭教師を務める方法もあります。
いずれもネイティブスピーカーのニーズが高い一方で、TOEIC対策や英検対策などをサポートしてほしいというニーズもあるため、英語力に長けた日本人を採用するケースも珍しくありません。
英会話講師や家庭教師には、自身が英語を話せるだけでなく、初心者にもわかりやすく教える能力が問われます。受講生が「話しやすい」と感じる雰囲気で授業を進める必要があることから、コミュニケーション力を備えていることも重要なポイントの1つです。人にものを教えるのが好きな人や、英語を学びたい人を応援する仕事をしたい人に適した副業といえます。
個人輸入・輸出代行
個人輸入や輸出の代行とは、個人で輸入・輸出ビジネスに取り組む人をサポートする仕事です。海外向けに商品の出品登録をしたり、発送伝票の作成などを行ったりする際には、英語力が求められるケースが少なくありません。
また、海外の事業者や顧客とメッセージをやりとりする可能性もあることから、英語力に長けた人材が求められているのです。
輸入・輸出の代行といっても個人で始めるわけではなく、一般的には輸入・輸出代行業者から業務委託を受けて働くことになるため、多くの場合マニュアルが用意されています。基本的にはパソコンとインターネット環境があれば始められることから、自宅で副業に取り組みたい人向きの仕事です。
ホテルや飲食店の接客・観光ガイド
来日した外国人向けに、ホテルや飲食店での接客や観光ガイドを英語で行う仕事もあります。近年は外国人の来日観光客が増加傾向にある一方で、宿泊施設や飲食店によっては英語での応対が難しいケースが少なからずあります。英語が話せるスタッフは重宝されるため、英語力を活かして働きたい人におすすめです。
観光ガイドの場合、英語力に加えて、観光スポットに関する知識やその土地の歴史や文化に関する知識も求められます。観光客から質問された際、即座に答えられるように知識を身に付けておくことが大切です。
英語を活かした副業の探し方
ここまでに紹介したとおり、英語を活かせる副業にはさまざまな種類があります。では、こうした副業を探すにはどうすればよいのでしょうか。上手な探し方を紹介します。
求人サイトで探す
一般的な求人サイトには、副業OKの案件や英語力が応募要件の求人が掲載されています。求人を探す際に「副業・ダブルワーク可」や「英語を使う仕事」といった条件で絞り込んでいくと、希望条件に合った求人を見つけやすくなります。
求人サイトによっては、希望条件を登録しておくと、条件に合った新着求人をメールで知らせてくれる機能もあります。新着求人が掲載されたらすぐに応募できるよう、求人は常にチェックしていくことが大切です。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングに登録すれば、英語力が必要な案件を探すこともできます。クラウドソーシングに掲載されている案件には、大きく分けて専業フリーランス向けのものと副業ワーカー向けのものがあります。
副業ワーカーを想定している案件の多くはフルリモートで働けるため、在宅で取り組むことも可能です。こうした案件を中心に探していくことによって、本業の合間を縫って取り組める副業を見つけやすくなるはずです。
また、案件への応募だけでなく、依頼者とのやりとりや報酬の受け取りがクラウドソーシング内で完結することも大きなメリットといえます。
特に報酬の支払いについては、副業に取り組む上でトラブルになりやすいポイントでもあるため、初めて副業に挑戦する人はクラウドソーシングで案件を見つけるとよいでしょう。
英語を活かした副業を行うメリット
英語を活かして副業に取り組むことで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主な3つのメリットを紹介します。
高単価な案件が多い傾向がある
一般的な傾向として、求められる知識やスキルの要件が多いほど副業の報酬も高くなるケースが多く見られます。英語力を自身の強みとしてアピールできれば、高単価の案件が見つかる可能性が高まるでしょう。
例えば、英語力を強みに飲食店スタッフの求人を探す場合、外国人が頻繁に来店する店舗であれば英語を話せるスタッフを募集している可能性があります。店舗としては英語力の高い人材を採用するために、英語を話せない飲食店スタッフよりも高い時給を提示することが想定されます。
このように、英語力はより高い報酬を得るためのアピール材料になるのです。
すきま時間を活用できる
すきま時間を有効活用して副業に取り組めることも、英語力を活かした副業のメリットの1つです。パソコンとインターネット環境さえあれば進められる仕事も数多くあるため、本業の勤務を終えた後の時間帯や、本業が休みの日を利用して在宅で副業に取り組めます。
まとまった時間を確保するのが難しい場合には、自分で予定を立てて進められる副業を選ぶのがおすすめです。例えば、翻訳やライティング、チェッカーといった仕事であれば、納期にさえ間に合えば自分にとって都合のよいタイミングで取り組むことも可能です。本業と両立させるためにも、すきま時間を活用できることは重要なポイントといえます。
英語力をキープできる
副業で日常的に英語を使っていくことによって、英語力をキープできるというメリットもあります。英語はコミュニケーションツールのため、せっかく知識やスキルを身に付けていても、活用しない期間が続くと鈍ってしまいがちです。仕事で英語を使う必要に迫られる状況を作り出すことによって、自身の英語力を保ちやすくなります。
英語を副業で活用していく中で、これまで知らなかった表現に出会ったり、知識が強化されたりすることもあるはずです。副業を通じて報酬を得られるだけでなく、自身の英語力をさらに伸ばすチャンスにも巡り会える可能性があることは大きなメリットといえます。
英語力を活かした副業を行う際に問われること
英語力を活かした副業に取り組む際に問われるポイントがいくつかあります。より効果的にスキルアップを図るためにも、次に挙げる3点を押さえておきましょう。
英語力を問われる
英語力が必要な案件に応募する以上、依頼者が求める英語力の水準を満たしていなければなりません。肝心な英語力が不足していれば、依頼者の要求に応えられなかったり、クレームの原因となったりすることもあり得ます。
実務においては、英語の知識量よりも英語を「使えるかどうか」が問われるケースがほとんどです。例えば、翻訳の仕事を副業に選ぶ場合には、日頃から英訳や和訳に取り組んで能力に磨きをかけておく必要があります。
知識のインプットに終始するのではなく、実務で活かせるようアウトプットの練習を積み重ねていくことが大切です。
英語力以外のスキルも培っておく
英語力を活かして副業に取り組めるのはすばらしいことですが、英語力のみで継続的に収入を得るのは決して容易ではありません。語学力に長けた人材は数多く存在するため、英語が得意というだけではアピール材料としては弱いケースも少なくないからです。
人材としての市場価値をより高めていくには、複数のスキルを掛け合わせていくのがポイントです。一例として、「英語力×コミュニケーション力」「英語力×コンサルティング力」「英語力×営業力」といったスキルの掛け合わせをすることで、より希少性の高い人材になれるといえます。英語力だけに特化するのではなく、他のスキルも培っていくことを意識してください。
専門性を高める必要がある
副業の報酬を上げていくには、専門性を高めていくことが重要です。特定の分野や領域で専門性の高い知識やスキルを保有しているかどうかが、報酬の差となって表れるケースは少なくありません。
例えば、翻訳の案件であれば、一般の人に広く読んでもらうための記事よりも、学術論文や技術仕様書などの翻訳のほうが高単価を提示される傾向があります。それは、専門性の高い分野ほど、英語力に加えてその分野に関する知識が求められるからです。
英語力を伸ばしつつ、自身の専門性を高めるためのインプットやスキルアップに取り組んでいくことをお勧めします。
英語に関係する副業を行った際の確定申告の方法
副業などで本業以外の年間所得の合計が20万円を超えた場合には、所得税の確定申告を行う必要があります。所得とは、収入金額から必要経費を差し引いた金額のことです。副業のために購入した書籍や機器などは、必要経費として計上することができます。副業の所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要ですが、翻訳や通訳の場合は報酬から源泉徴収されて支払われているため、所得が20万円以下であっても確定申告を行うと所得税が還付される場合が多いです。そのほか、税務署に確定申告しない場合には、副業で1円でも利益が出ていれば、居住地のあるいる自治体への住民税の申告は別途必要となる点も覚えておきましょう。なお、英語を活かした副業の所得区分が給与所得に該当する場合には、その給与収入の額面が20万円を超えるか否かで確定申告の必要性の有無を判断してください。
また、副業でも取引相手によっては適格請求書(インボイス)の発行を求められることもあります。適格請求書(インボイス)発行事業者として登録した場合、消費税の確定申告および納付が必要です。
副業を始める際は、取引相手とのスムーズなやりとりを行うために、インボイス発行事業者の登録と消費税の納付についても視野に入れておく必要があります。
英語力を活かせる副業を見つけて、スキルアップと報酬アップを目指そう
英語力を活かして取り組める副業には、数多くの種類があります。英語力をアピールポイントとすることによって、選べる仕事の幅を広げたり副業の報酬アップを目指したりできるでしょう。
その一方で、英語力はあくまでもスキルの1つです。英語を仕事で活用できる人材は数多く存在するため、英語力以外のスキルも併せて伸ばしていく必要があります。今回ご紹介した副業の仕事内容や副業に取り組む際の注意点などを参考に、ぜひ英語力を活かせる副業を見つけてください。
なお、副業での所得が発生して事業所得で確定申告が必要になる場合は、初めての人でも無料で利用できる「やよいの白色申告 オンライン」が勧めです。さらに適格請求書発行事業者はインボイス制度の要件に従った帳簿付けが必要ですが、「やよいの白色申告 オンライン」なら、初めての人でも手軽に帳簿付けを進めることができます。確定申告をスムーズにできるよう、ぜひ導入をご検討ください。
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事業所得になる副業の確定申告は会計ソフトを使って楽に済ませよう
会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。
事業所得になる副業は、帳簿付けが必要です。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド確定申告ソフト『やよいの白色申告 オンライン』です。『やよいの白色申告 オンライン』はずっと無料で使えて、初心者や簿記知識がない方でも必要書類を効率良く作成することができます。e-Tax(電子申告)にも対応しているので、税務署に行かずに確定申告をスムーズに行えます。
副業の所得区分を事業所得・雑所得どちらにするか迷っている場合、まずは帳簿付けをしておきましょう。事業所得で確定申告する場合は帳簿が必要です。雑所得の場合、帳簿付けの義務はありませんが、売上や仕入・経費などの集計に帳簿がある方が便利です。
なお、『やよいの白色申告 オンライン』では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書は作成できません。もし、『やよいの白色申告 オンライン』で作成した収支内訳書から確定申告書を作成すると自動で「事業所得」に集計されます。国税庁の確定申告コーナーで、自分で収支内訳書と確定申告書に転記して申告をしてください。
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