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請求書の再発行を依頼されたときの注意点や正しい対処法を解説

監修者:辻・本郷税理士法人/辻・本郷ITコンサルティング

2023/11/17更新

ビジネスにおいて、発行したり受け取ったりすることの多い請求書は、紛失や記載内容の誤りなどによって再発行を依頼されることも少なくありません。請求書の再発行が必要になったときは、二重請求や請求先の混乱を避けるためにも、正しい手順で対処することが大切です。

そこで今回は、請求書を再発行する理由や再発行の手順などを解説します。併せて、インボイス制度の開始に伴う請求書に関する変更点や、電子帳簿保存法の要件との関連についても併せて見ていきましょう。

請求書の再発行が必要なケース

請求書は、自社または請求先が請求書を紛失したときや、発行した請求書の内容に誤りがあった場合に再発行が必要となります。なお、請求先が請求書を紛失した場合、支払期限が設けられているため、できるだけ早く再発行の対応をする必要があります。

具体的に請求書の再発行が必要なケースと、どのように対応すればいいのかを見ていきましょう。

請求書の保存期間中に紛失した場合

請求書の保存期間は基本的に7年間で、保存期間中に紛失した場合は再発行する必要があります。保存期間中に請求書を紛失すると、所得税法や法人税法における保存義務を怠ったことにつながるため、自社が紛失したのであればできるだけ迅速に再発行しなければなりません。

なお、先述のとおり、請求書の保存期間は基本的に7年ですが、欠損金の繰越控除がある法人だと10年間、個人事業主だと5年間、個人事業主であっても消費税の課税事業者の場合は7年間と、業態などによって異なります。自社の正確な保存期間を把握しておくことも重要です。

請求書の保存期間に関しては、以下の記事を参照ください。

送付後に請求書の誤りに気付いた場合

請求書を送付後に、発行側が自ら内容に誤りがあると気付いた場合は、早急に請求先へ連絡したうえで再発行します。その際、記載する発行日や支払期日は初回に発行した日付のままで発行するのが一般的です。

送付後に請求先から請求書の誤りを指摘された場合

請求先(買手側)から記載内容の誤りを指摘された場合は、その正否を売手側(発行側)が確認する必要があります。修正が必要なのであれば、該当箇所を修正したうえで再発行しましょう。

ほかにも、取引先(買手側)から支払方法を変更してもらいたいと依頼を受けた場合などにおいても、請求書を再発行する必要があります。

インボイス制度開始以降は、売手側(発行側)が適格請求書発行(インボイス)事業者であれば、インボイス(適格請求書)としての記載項目を満たしていない場合には、記載事項を満たしたうえで、改めて適格請求書を交付する必要があります。また、請求書の記載内容に誤りがあった場合には、修正した適格請求書を交付することとなります。なお、適格請求書の受領側(買手側)において、適格請求書の記載事項を追記したり修正したりすることはできません。

請求書を再発行するにあたり、売手側(発行側)が相手方の同意を得ることなく勝手に項目を修正したり追加したりすることはトラブルのもととなりますので、注意が必要です。修正や追加する箇所について、請求先(買手側)へ確認し、必ず了承を得たうえで再発行します。

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請求書を再発行する手順

請求書を再発行する際には、初回に請求書を発行したときとは、いくつか手順が異なる場合があります。続いては、請求書を再発行する流れを、3つの手順に分けて確認していきましょう。

1. 再発行を依頼された請求書の内容を確認する

まずは、再発行する請求書に記載する会社名や氏名、案件名とのその内容、金額、日付などを改めて確認します。その際、誤った箇所は修正しましょう。

なお、請求書には請求書番号を入れることをおすすめします。再発行する場合も、請求書番号を照らし合わせながらであれば、ミス防止につながるためです。

請求書番号についての記事は、以下もご参照ください。

2. 該当の請求書を再発行する

再発行する請求書を作成します。再発行する請求書に記載する日付は、紛失した場合と内容に誤りがあった場合いずれにおいても、初回に発行した請求書の日付にします。

なお、初回に発行した請求書の支払期日が過ぎていた場合は、契約書を確認したうえで新しく期日を設定し直す必要があります。契約内容によって、支払期日の記載について対応が異なる可能性があるためです。

また、万が一紛失したと思っていた請求書が見つかった際、再発行したものと併せて二重請求とならないように、再発行する請求書には「再発行」の旨を記載しておきましょう。

3. 請求書を送付する

再発行した請求書に案内状を添えて、請求先に送付します。記載内容の誤りを理由に再発行した場合は、案内状に謝罪文も忘れず入れます。二重請求を避けるためにも、すでに送付してある初回発行分の請求書の破棄してもらいたい旨を書き添えておくと安心です。

メールで請求書の再発行を依頼する・依頼された場合の文例

請求書の誤りについては、メールで依頼が来る、もしくは依頼したいというケースも考えられます。

ここでは、メールで請求書の再発行を依頼する場合と、再発行を依頼された場合それぞれの文例をご紹介します。

取引先に請求書の再発行を依頼する場合

取引先に請求書の再発行を依頼するときは、再発行してほしい請求書番号や、再発行が必要となった理由を明記しましょう。

メールを送る際のテンプレートをご紹介しますので、送付の際は参考にしてみてください。

文例

件名:
請求書再発行のお願い

本文:
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯課
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
ミソカインボイス株式会社の田中です。

先日、貴社よりお送りいただいた請求書(請求書番号:No.◯◯◯◯)につきまして、再発行をお願いしたくご連絡いたしました。

◯月◯日に受理いたしましたが、私の不手際でお送りいただいた請求書を紛失してしまいました。
今後は、再発防止のために改善策を徹底してまいります。

お忙しい中、多大なご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ありませんが、請求書を再発行していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

ミソカインボイス株式会社
◯◯部 田中
TEL:000-000-000
メールアドレス:xxxx@example.com

取引先に再発行を依頼された場合

請求書の再発行依頼に返信するときは、再発行した請求書番号を明記します。また、取引先の請求書の紛失を理由に再発行した場合は、初回発行分の請求書が見つかったときは必ず破棄するようお願いすることも忘れないようにしましょう。

メールを送る際のテンプレートは、下記とおりです。

文例

件名:
請求書再発行のご依頼に関して

本文:
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯課
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
ミソカインボイス株式会社の田中です。

先日、お問い合わせいただきました請求書(請求書番号:No.◯◯◯◯)の再発行についてご連絡いたしました。
添付にて、請求書をお送りいたしますので、ご確認ください。
なお、紛失された請求書が見つかりました場合には、そちらの請求書は破棄いただきますようお願い申し上げます。

不明点等については田中までお問い合わせください。
よろしくお願い申し上げます。

ミソカインボイス株式会社
◯◯部 田中
TEL:000-000-000
メールアドレス:xxxx@example.com

請求書を再発行する際のポイント

続いては、請求書を再発行する際に記載する、項目別のポイントを確認していきましょう。また、インボイス制度に伴い発行する、適格請求書の場合の注意点についても解説します。

  • 請求書の宛名
    請求先の会社名や氏名を記載します。会社名などは正式名称で、株式会社も「(株)」などと略さずに記載するのがマナーです。また、宛名には必ず「御中」「様」といった敬称を添えます。
  • 請求書を発行する側の会社名(氏名)、住所、連絡先
    発行側の会社名や氏名、住所、連絡先も、省略せずに正式名称で記載します。
  • 請求書作成(発行)日
    基本的には、初回発行した請求書に記載した発行日をそのまま使用します。再発行日を記載する場合は、欄外などに初回の発行日を明記しておくと安心です。
  • 請求書番号
    請求書を管理しやすくするためにも、請求書番号を記載します。この請求書番号は初回に発行した請求書と同じ番号を記載します。番号のつけ方に決まりはありませんので、自社で管理しやすいルールを決めましょう。
  • 取引内容の詳細
    商品やサービス名、納品日や数量などをわかりやすく詳細に記載します。
  • 取引金額の詳細
    合計額だけでなく、各商品やサービスの単価と小計、消費税、源泉徴収などを記載します。
  • 支払期日
    支払期日を過ぎた後に請求書を再発行する場合も、基本的には初回発行分と同じ支払期日を記載します。ただし、延滞利息に関する契約をした場合は、契約内容の確認が必要です。
  • 振込先
    振込先の金融機関名、支店名、口座番号、口座の種類、口座名義を記載します。

適格請求書の場合に記載が必要な項目

2023年10月1日から開始されるインボイス制度で発行する適格請求書には、上記に加えて次の2つの項目を記載する必要があります。

  • 適格請求書発行事業者の登録番号
    インボイス制度開始以降は、適格請求書に「登録番号」を記載しなくてはなりません。
    登録番号とは、所轄の税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受けた事業者に対して通知される番号です。法人であれば「T+法人番号」、個人事業主などは「T+13桁の数字」です。マイナンバーや法人番号と重複しない、事業者ごとの番号となります。
  • 適用税率と税率ごとに区分された消費税額
    インボイス制度では、適用税率と税率ごとに区分された消費税額を記載しなければなりません。インボイス制度の導入を踏まえて、税率および税額を記載するための請求書のフォーマットの変更も事前に検討しておくといいでしょう。請求書発行システムを利用している場合は、システムがインボイス制度に対応しているかどうかも確認が必要です。

適格請求書の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

請求書を再発行する際の注意点

請求書を再発行する際は、二重請求のリスクや支払期日の設定について注意が必要です。具体的にどのような点に注意すべきなのか、確認しておきましょう。

再発行であることを明記する

再発行した請求書は、初回発行分の請求書と混同したり、紛失したと思っていた請求書が見つかったときに二重請求となったりするのを防ぐためにも、「再発行」の旨を明記しておきます。再発行したものと一目でわかるように、赤文字で記載したりスタンプを押したりすると安心です。

支払期日を過ぎていた場合は契約内容を確認する

初回発行分の請求書に記載した支払期日が過ぎてしまっていた場合も、再発行する請求書では期日の変更をしないのが基本です。

しかし、契約書に延滞利息に関する内容がある取引では、支払期日を2週間から1か月程度延長する場合もあります。そのため、請求書の支払期日が過ぎていた場合は、契約書の支払期日に関する内容を確認したうえで対応を決めましょう。

電子帳簿保存法に関する注意点

請求書の作成や発行にシステムを利用している人も多いでしょう。電子発行された請求書は、記載漏れやダウンロード提供期間が過ぎたなど以外では、相手先にデータがあるため再発行の可能性は低いでしょう。請求書システムから印刷した紙の請求書を送付した場合は、システムから再発行にも即時対応することができます。

なお、電子データで取引先へ送付または受領した請求書は、一定の保存要件のもと、電子データのまま保存しなければなりません。2023年12月31日までは猶予期間となっているため、紙での保存もできますが、2024年1月1日以降は電子データのまま保存する必要があります。

電子帳簿保存法での電子取引の電子データ保存に関しては、令和5年度税制改正において、以下の2つの改正が行われています。

令和5年度税制改正による改正点

  • (1) 電子帳簿保存法の要件に従えなかった場合
    電子取引の電子データを電子帳簿保存法の要件に従って保存できなかったことについて「相当の理由がある」場合には、電子データの出力書面を保存しておくなどの条件を満たしたうえで、ほかの要件を満たさずに電子データを保存することができる。
  • (2) 電子帳簿保存法の要件である検索機能がない場合
    電子取引の電子データの出力書面を取引年月日等および取引先ごとに整理・保存するなどの要件を満たしたうえで、検索機能なしに電子データの保存を可能とする。ただし、電子帳簿保存法のほかの要件を満たす必要がある。

これらはいずれも、2024年1月1日以後に保存が行われる電子取引に関してのものです。(1)の、「相当の理由がある」が具体的にどのようなケースに該当するのか、現時点(2023年4月10日)では明らかではありません。
そのため、詳細情報が公開された段階で、本記事を更新する予定です。

法人・個人事業主にかかわらず、電子データで発行・受領した請求書は、電子データとして保存することが必須となります。

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請求書の再発行手順や管理方法を見直しましょう

ビジネスにおいて、請求書は重要な証憑書類のひとつですが、発行したり受け取ったりする機会が多いため、紛失や記載内容の誤りなどが発生してしまうこともあるでしょう。その際には、迅速な対応が求められます。また、請求書を再発行する際は、再発行とわかりやすく記載するなどして、二重請求のミスに備えることも大切です。

請求書は、2023年10月1日から開始されるインボイス制度や、2024年1月1日から完全義務化される電子帳簿保存法に深く関わる書類でもあります。
発行手順や管理方法について改めて見直し、インボイス制度や電子帳簿保存法にしっかりと備えることが重要です。

この記事の監修者辻・本郷税理士法人

国内最大規模の税理士法人。専門分野に特化した総合力を活かし、一般企業の税務顧問をはじめ、医療法人、公益法人、海外法人など多種多様なお客様へサービスを提供。開業支援から事業承継、相続・贈与対策、オーナー向けの資産承継など、法人・個人問わずお客様のニーズに柔軟かつ的確に応えるべく、幅広いコンサルティングを行っている。
Webサイト:https://www.ht-tax.or.jp 新規タブで開く

この記事の監修者辻・本郷ITコンサルティング

国内最大級の税理士法人である辻・本郷 税理士法人のグループ会社として2014年に創業。実践した数多くのDX化ノウハウをグループ内外に展開。バックオフィスに課題を抱える組織のコンサルティングから導入までをワンストップで行う。電子帳簿保存法やインボイス制度対応等、最新のコンサルティング事例にも精通。「無数の選択肢から、より良い決断に導く」をミッションとし、情報が多すぎる現代において、お客様にとっての「より良い」を見つけるパートナーを目指す。

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