請求書の送付状(送り状・添え状)無料テンプレート|文例も紹介
監修者: 市川 裕子(ビジネスマナー監修)
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ビジネスでは、他社と取引を進めていく中で、請求書のやり取りが行われます。請求書を送る際は相手に確実に届くよう、また、ていねいな対応を心掛けるためにも送付状を添えることが適切です。本記事では、中小企業の経理・請求関連担当者や個人事業主に向けて、無料で使用できる請求書の送付状テンプレートを紹介します。本記事を読むことで、ビジネスマナーに則った送付状を簡単に作成できます。テンプレートを活用することにより、文書作成が効率的かつ、受け取り手に対してもていねいな印象を与えることができるでしょう。自社のルールや送付する相手に合わせて調整して利用してみてください。
請求書の送付状の無料テンプレート(Word)
請求書の送付状はWordやExcelのテンプレートを使うと便利ですが、ここでは、無料で使えるものとして3つのパターンを紹介します。
シンプルな送付状テンプレート
必要最低限の情報だけを記載する、シンプルなテンプレートです。初めて送付状を作成する方におすすめです。日付、宛先、会社名、部数、送信者の情報(社名、部署名、氏名)などを修正して利用してください。送付状を添えることで、受け取り手に送付内容を明確に伝えることができます。
シンプルな送付状テンプレート(部署名、担当者名付き)
先に紹介した「シンプルな送付状テンプレート」に、送付先の部署名および担当者名を追加したものです。送付する相手があらかじめ指定されている場合などに使用します。日付や宛先などを修正してから利用してください。
メッセージを書き添えたい人向けの送付状テンプレート
送付状に一言メッセージを添えたい場合に便利なテンプレートです。メッセージ欄の上部に「弊社資料」「ご案内」「御見積書」「納品書」「御請求書」「その他」の各チェックボックスがあらかじめ記載しているため、チェックを入れるだけで送付する書類の内容がわかるようになっています。印刷すれば、メッセージ部分を手書きすることも可能です。日付や宛先などは修正してから利用してください。
請求書の送付状の記載項目
請求書の送付状には、いくつか重要な記載項目があります。これらの項目を適切に記載することで受け取る側にとってわかりやすく、ビジネスマナーに則った送付状になります。記載すべき項目は以下のとおりです。
- 送付日
- 宛先
- 送信者の情報(社名・部署名・氏名)
- 件名
- 挨拶文(前文・本文・末文)
- 書類の概要
- 送付枚数、部数
- 備考(メッセージ)
送付日は送付状の右上に記載し、書類を送った日付を明確にします。次に、宛先は受取人の会社名、部署名、担当者名を記載します。送信者の情報としては、会社名、部署名、氏名、連絡先を記載し、受け取った相手が確認などする際に連絡が取れるようにします。
件名は、送付状の内容をひとめで理解できるように簡潔に記載します。例えば、「請求書送付のご案内」などです。挨拶文は、前文・本文・末文で構成するのが一般的であり、前文では、時候の挨拶や日ごろの感謝を述べ、本文では送付する書類の内容を説明します。末文では、今後お願いする対応についてなどを記載します。
書類の概要として、送付する書類の名称と枚数を箇条書きで記載します。例えば、「請求書1部、請求明細書1部」などです。箇条書きの前には「記」、後には「以上」と記載します。
備考欄には、請求書に関する特記事項やメッセージを記載します。イレギュラーな内容などがある場合は、その説明を記載します。必要に応じて活用すると良いでしょう。
請求書の送付状の文例
ここでは、3つのシチュエーションに合わせた文例を紹介します。
個人に送る場合の文例
個人に送る場合の文例として「普段からやり取りのあるお客様」「かしこまった挨拶を用いる場合」「送付が遅れた場合」の3つのパターンに分けて取り上げます。
【普段からやり取りのあるお客様へ送る場合】
20XX年X月X日
□□株式会社
□□部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
日頃より大変お世話になっております。
早速ではございますが、下記の通り請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
【かしこまった挨拶を用いてお客様に送る場合】
20XX年X月X日
□□株式会社
□□部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、下記の通り請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
【送付が遅れてしまったお客様に送る場合】
20XX年X月X日
□□株式会社
□□部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
日頃より大変お世話になっております。
このたびは送付が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。
さて、下記の通り請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
法人に送る場合の文例
法人宛の場合は、ビジネスマナーを守りつつ、相手に対してていねいな印象を与えることが重要です。「一般的な場合」「かしこまった挨拶を用いる場合」「送付が遅れた場合」の3つのパターンを紹介します。
【一般的な場合】
20XX年X月X日
〇〇株式会社
××部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
さて、下記の通り請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
【かしこまった挨拶を用いる場合】
20XX年X月X日
〇〇株式会社
××部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、下記の通り請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
【送付が遅れた場合】
20XX年X月X日
〇〇株式会社
××部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは送付が大変遅くなってしまい、誠に申し訳ございませんでした。
お詫び申し上げます。
さて、下記の通り請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
差し替えの請求書を送る場合の文例
紛失や破損などの理由で相手の要望に応じて差し替えの請求書を送る場合
請求書の差し替えが必要となった場合は、相手に対してていねいな対応を心掛けることが重要です。以下に、紛失や破損などで相手の要望に応じて差し替えを送る場合の文例を紹介します。
20XX年X月X日
〇〇株式会社
××部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
日頃より大変お世話になっております。
先日お問い合わせいただいた請求書に関しまして、再発行させていただきました。
下記の通り、再発行の請求書をお送りいたしますので差し替えをお願いいたします。
なお、先に発行済みの請求書につきましては、お手数ですが破棄いただきますようお願いいたします。
ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
差し替えの送付状では再発行であることを明確にして、元の請求書を破棄していただく旨も忘れずに伝えましょう。
自社のミスで差し替えを依頼する場合
次に、自社のミスで差し替えを依頼する場合の文例を紹介します。
20XX年X月X日
〇〇株式会社
××部
□□様
▲▲株式会社
▲▲部 ▲▲
請求書送付のご案内
拝啓
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
このたび、○月○日付で発行いたしました請求書に誤りがございました。深くお詫び申し上げます。
つきましては、訂正した請求書を再発行させていただきましたので、ご査収ください。
お手数ですが、先にお送付しております請求書は破棄していただきますようお願い申し上げます。
今後、このようなことがないよう社内の確認体制を強化し、再発防止に努めてまいります。
何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
記
1. 〇年〇月分請求書(No.0000-1) 1通
以上
送付状では誤りを謝罪したうえで、再発行した請求書の確認と先に発行している請求書を破棄していただく旨を記載します。相手方にはお詫びと差し替えのお願いするをていねいに伝えることが重要です。
【Q&A】請求書・送付状に関するよくある質問
請求書・送付状に関してよくある質問とその回答をまとめました。
請求書の送付状(送り状・添え状)とは?
書類を送付する際に同封するあいさつ状で、書類の内容や送付状況を相手に伝える役割をもつ書類のことです。書類の種類や枚数を明記し、送付が間違いなく行われたことを確認し認識違いを防ぐ役割を持っています。場合によっては取引上で必要な説明を記載することもあります。
送付状は「送り状」や「添え状」とも呼ばれ、呼び方は様々ですが、基本的には呼び方が異なるだけで意味は同じです。また、いずれも請求書と同じタイミングで送るのが一般的です。送付状は、ビジネス上のマナーであり、添えることで受け取る側に対してていねいな印象を与えることができます。
請求書・送付状の送り方は?
請求書の送付方法は、「郵送する」「電子データで送る」「FAXで送る」の3種類があります。郵送する場合は、封筒に請求書と送付状を同封し請求書在中と明記して送ります。電子データで送る場合は、PDFなどの形式で作成しメールに添付して送信します。FAXで送信することも可能ですが、送信前に連絡を入れるなど、他の方法とは少し手順が異なることに注意しましょう。
詳しい請求書の送り方については、こちらをご覧ください。
請求書の送付状は必ず同封する?
請求書に送付状を添えることは基本的に必要です。送付状は、送付内容を明確に伝えるための重要な書類であり、受け取る側に対して挨拶とともに送付の中身を知らせる役割と、ていねいな印象を与える役割を持っています。
ただし、請求書をPDFデータにしてメールで送る場合は、送付状を別途添付する必要はありません。送付状の内容をメール本文に記載することで、同様の役割を果たせるからです。受け取る側もわかりやすく、迅速に確認し対応していただくことが可能です。
請求書を送るときは送付状を添えるようにしましょう
請求書を送る際には送付状を添えるようにしましょう。受け取り手に送付内容を明確に伝えるためのもので、ビジネスマナーとしても欠かせません。送付日、宛先、送信者の情報(社名、部署名、氏名)、件名、挨拶文、書類の概要、送付枚数、備考などの項目を記載することにより、受け取り手は送付された書類の内容をひとめで理解することができ、認識の誤りやトラブルを防ぐことができます。
送付状は、テンプレートを利用することで初めての方でも簡単に作成できます。シンプルなものや、メッセージを書き添えられるものなど、用途に応じて選べます。テンプレート内の日付や宛先、会社名、送信者の情報などは修正して使用できるので、簡単で効率的です。
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Misocaは、インボイス制度に必要な適格請求書の発行に対応しています。さらに発行した請求書は「スマート証憑管理」との連携で、インボイス制度・電子帳簿保存法の要件を満たす形で電子保存・管理することが可能です。
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この記事の監修者市川 裕子(ビジネスマナー監修)
マナーアドバイザー上級、秘書検定1級、ビジネス実務マナー、硬筆書写検定3級、毛筆書写検定2級、収納アドバイザー1級、など。 出版社や人材サービス会社での業務を経験。秘書業務経験よりビジネスマナーとコミュニケーションの重要性に着目し、資格・スキルを活かし、ビジネスマナーをはじめとする各種マナー研修や収納アドバイザー講師として活動。
