請求書の宛名の書き方とは?間違いに気づいたときの対処法や注意点を解説
監修者: 高崎文秀(税理士)
更新

今回は請求書の書類上に記載する、取引先の会社(個人)の宛名の書き方を説明します。
封筒の宛名の書き方はこちらの記事をご覧ください。
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請求書の宛名は正しく書くことが大切
宛名を間違って書かれた請求書は、請求書を受け取った側(買手側)は、自社・自事業宛ての請求書として証明しにくくなる可能性があります。
また、特に適格請求書(インボイス)では、買手側の氏名または名称の記載が必須要件です。宛名が誤っている場合、適格請求書の要件を満たさず、買手側が消費税の仕入税額控除を受けられない可能性があります。
そのため、宛名を間違えた場合、適格請求書の要件を満たした形で請求書を修正し再発行しなければなりません。また、適格請求書発行事業者ではない、免税事業者の場合でも、買手側が経過措置(税額控除)を適用するためには正しい宛名の記載が求められます。
-
参照:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項
」
参照:国税庁「5 経過措置(免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)」
参照:e-Gov法令検索「消費税法 第五十七条の四第二項」
参照:e-Gov法令検索「消費税法施行令 第七十条の十一(適格簡易請求書の交付が認められる事業の範囲)」
誤りに気付いたら正しい宛名で再発行しましょう。
また、自社・自事業にとっての不利益にもなり得ます。宛名が間違っていたことで再発行の時間を要し、請求書が取引先に届くのが遅れることなどが予想されます。
また、宛名を間違ったまま処理を進めることで、請求書が先方に届かなかったり、異なる取引先に送付されたりするなど、信用問題にかかわるトラブルも発生し得ます。請求書の宛名を正確に記載することは、円滑な取引と健全な経営を支える基本です。
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請求書の宛名の書き方
請求書を発行する際に注意したいのが、宛先への敬称です。会社の規模や取引内容、宛先が会社名か個人名かなどによって、書き方は異なります。ここでは失礼のない宛名の書き方を紹介します。
会社名の場合
請求書の宛先が特定の担当者ではなく、会社名の場合は、敬称に「御中」を使用します。これは株式会社に限らず、財団法人・公益法人・学校などの場合も同様です。会社名を書く際は「(株)」と省略せず、正式名称で記載しましょう。また、社名の前後どちらに「株式会社」が付くかについても、必ず確認が必要です。
請求先の部署がわかっている場合は、「経理部」など部署名まで含めて記載すると、先方の処理がよりスムーズになります。この場合は、会社名の後に部署名を記入して、最後に「御中」と記載します。部署名が長い場合でも、省略せずに正式名称を記載するのがマナーです。
- 記入例:
-
- 株式会社○○御中
- 株式会社○○経理部御中
- ○○株式会社営業部御中
個人名の場合
請求書の宛先が企業の担当者や個人事業主、個人事務所で活動している士業など、個人名の場合は敬称に「様」を使用します。その際は、個人名の前に部署名や役職を明記します。宛名は必ずフルネームで記載し、誤送付を防ぎましょう。
なお、宛名に個人名を含める場合、敬称は「様」のみで、「御中」と併用しません。「○○株式会社御中 営業部△△様」は誤った記載です。
- 記入例:
-
- ○○税理士事務所 △△△△様
- 株式会社○○ 営業部 △△△△様
- 株式会社○○ 営業部 ご担当者様
- ○○株式会社 代表取締役社長 △△△△様
連名の場合
請求書の宛先として複数の担当者を記載する場合は、それぞれの名前に「様」を付けて記載します。○○・△△様とまとめず、○○様 △△様のように個別に書くのが基本です。名前の順序は役職順にし、上司に当たる方を先に記載します。
- 記入例:
-
- ○○株式会社 営業部 △△様 ××様
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請求書の宛名間違いに気づいたときの対処法
信用問題や経理上のトラブルを防ぐため、請求書の宛名は正確に記載することが求められます。宛名間違いに気付いた場合は、速やかに再発行しましょう。
軽微な誤りでも、二重線などで修正すると、請求書の改ざんと見なされるおそれがあるため、再発行で対応するのが確実です。
ここからは、再発行におけるマナーや、正しい対処法についてみていきます。
請求書の再発行については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
1.送付先に連絡する
請求書の誤りに気付いた場合、まず先方に電話で謝罪し、宛名以外の誤りがないかを確認します。そのうえで再発行の手続きを進めます。郵送の場合は到着時期を伝えます。電子メールでの送付を希望される場合は、改ざん防止のためPDFで送付しましょう。
相手のスケジュールに支障が出ないよう、誠実かつ迅速な対応が求められます。
2.請求書を再発行する
請求書を再発行する際は、先方の都合に合わせ、早急に届くように手配します。再発行して送付する前に、誤りのない内容であることをしっかり確認しましょう。
請求書には誤った請求書との混同を防ぐため、再発行であることを明記します。請求書番号は元の番号に枝番を付けるなど整理すると管理しやすくなります。例えば、元が「100」なら再発行分は「100-1」とする方法です。
クラウド請求書作成ソフト「Misoca」では、メールでの送付にも対応しており、迅速かつ正確に再発行できるため、実務効率の向上にも役立ちます。
3.ミスを防ぐための対策を行う
宛名間違いは支払いや税務処理に支障をきたす可能性があるため、再発防止策を講じることも大切です。上司に報告して情報を共有し、同じミスを繰り返さない体制を整えます。
再発防止策としては、必ずダブルチェックを行い、1人で作業を完結させないようにするなどがあります。また、手書きで宛名を記入している場合は、テンプレートやクラウドサービスの利用を検討するとよいでしょう。入力ミスの防止および作業効率の向上につながります。
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請求書に記載する項目
請求書を作成する際には、必要な項目を漏れなく記載することが求められます。特にインボイス制度では※印の項目が必須です。記載すべき主な項目は以下のとおりです。
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- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称(請求書の宛名)※
- 請求内容(取引内容、取引年月日)※
- 消費税に係る税率ごとに区分した表示※
- 発行日
- 支払い期日
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称(発行者)および登録番号※
- 振り込み先
- 特記事項
- 請求書番号
これらの項目を正確に記載することで、買手側が「仕入税額控除」を適用できない可能性や税務調査で取引内容を詳細に確認されるリスクを軽減できます。結果として、取引先との信頼関係を損ねるリスクが減ります。
特記事項や備考欄には、振込手数料の負担先などを記載します。先方に手数料の負担をお願いする場合は、あらかじめ合意の上「振り込み手数料は貴社にてご負担願います。」などを明記しておくとよいでしょう。
請求書の作成方法については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
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請求書の宛名を書くときの注意点
以下の部分では、請求書発行の基本となる宛名の書き方や送付方法についてまとめました。敬称の使い方や郵送・メール送付など、注意が必要なポイントを紹介します。
会社名を省略しない
請求書は取引が行われた証拠となる証憑書類です。日常的に用いられる「(株)」などの略称を用いても書類としては認められますが、礼儀・ビジネスマナーとして、請求書では「株式会社」と記載しましょう。部署名も同様に省略せず、例えば「販促部」ではなく「販売促進事業部」と正確に記載します。宛名に誤りがないよう、名刺や公式ホームページで確認しておくと安心です。
「御中」と「様」を併用しない
請求書の宛名では、敬称の「御中」と「様」を併用しないことが基本です。会社や部署宛には「御中」を、個人宛には「様」を使用します。「○○株式会社御中 △△様」ではなく、「○○株式会社 △△様」のように、敬称が混ざらないようにしましょう。
なお、請求書の敬称としては「殿」は使いません。「殿」は同格もしくは目下の人に対する敬称なので、取引先や顧客に使うには不適切です。
封筒には「請求書在中」と記載する
請求書を郵送する際は、封筒の表側に「請求書在中」と明記しましょう。取引先でほかの郵便物の中に埋もれてしまったり、紛失してしまったりすることを防ぐためです。
縦型封筒では左下に縦書きで、横型封筒では右下に横書きで「請求書在中」のスタンプを押します。スタンプではなく手書きでもかまいません。インクの色は青色を用いるのが一般的です。封筒に明記することで、受け取った側が中身をすぐに確認でき、手続きが円滑に進みます。
「請求書在中」の記載方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
メールでの送付時も「御中」や「様」を記載する
電子メールで請求書を送る場合も、敬称の使い方は紙の請求書と同様で、会社や部署宛のときは「御中」を、企業の担当者や個人事業主など個人宛には「様」を記載します。件名は「20××年○月分請求書送付のご案内」など、請求書の送付であることが一目でわかるようにします。
請求書送付方法については、メールで送付してよいか、紙での送付が必要か、押印が必要かといった点を事前に担当者と確認しておくことが大切です。メールでの送付の場合は、数値改ざん防止のためPDF形式で送りましょう。
メールでの請求書送付については、以下の記事でも詳しく解説しています。
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請求書の無料エクセルテンプレート
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請求書の無料テンプレートはこちらを参照してください。
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請求書の宛名に関するよくある質問
請求書の宛名について、間違いやすいポイントをいくつか紹介します。
請求書の宛名に「殿」を使っても問題ない?
「殿」は「様」と同じような敬称と思われがちですが、実際には同格または目下の相手に使う表現です。そのため、取引先や顧客に対して使用するのは不適切です。請求書の宛名には「御中」または「様」を使いましょう。
敬称の正しい使い方については、詳しくはこちらを参照してください。
請求書の宛名はどこまで書く?
請求書の宛名は、会社名だけでなく部署名や担当者名など、分かる範囲で正確に記載しましょう。企業には日々多くの郵便物が届くため、宛名が曖昧だと担当部署へ届くのが遅れ、支払い処理にも影響が出るおそれがあります。スムーズな処理のためにも、できるだけ正確に記載しておくのが安心です。
詳しくはこちらを参照してください。
請求書の宛名が間違っているとどうなる?
請求書は事業者間の取引を証明する大切な証憑書類です。宛名に誤りがあると取引先である「買手側が、自社・自事業宛ての請求書と証明しにくくなり、記載不備として扱われる可能性があります。特に適格請求書(インボイス)では買手側の氏名または名称の記載が必須であるため、宛名が正しくない場合には仕入税額控除の要件を満たさない可能性があります。また、宛名はその取引の相手先を特定する情報なので、宛名に誤りがあると税務調査などで確認が求められる可能性もあります。
- 参照:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項
」
- 参照:国税庁「5 経過措置(免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)
」
- 参照:e-Gov法令検索「消費税法 第二十二条
」
宛名に誤りがあった場合は、再発行や差し替え対応を行います。適格請求書(インボイス)の場合は、その要件に宛名(取引先の名称)があるため再発行が必須です。適格請求書ではない請求書でも宛名を正しく修正した請求書を再発行する方がよいでしょう。いずれにせよ担当者の手間や業務負担が増えるので、初めから正しく記載することが大切です。また、会社名や担当者名の間違いは信用にも関わるため、送付前に誤りがないか十分に確認しましょう。
請求書の宛名誤りについて、詳しくはこちらを参照してください。
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請求書の宛名は正しく書こう
請求書は、取引を証明する正式な書類です。宛名を正しく書くことは、相手への敬意を示すだけでなく、信頼関係や税務上のトラブルを防ぐうえでも欠かせません。会社名を略さず正式名称で書く、敬称を正しく使い分けるなど、基本を守ることがスムーズな取引につながります。
その一方で、宛名の誤りや入力ミスは、どんなに注意していても起こりうるものです。そうした業務をサポートしてくれるのが、クラウド請求書作成ソフト「Misoca」です。入力項目に沿って進めるだけで、宛名や金額の入力ミスを防ぎながら、体裁の整った請求書を簡単に作成できます。再発行や送付もスムーズに行えるため、事務作業の負担を大幅に軽減できる点が魅力です。
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この記事の監修者高崎文秀(税理士)
高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役
早稲田大学理工学部応用化学科卒
都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業し、現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また通常の税理士業務の他、一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行っている。

