1. 弥生株式会社
  2. クラウド請求書作成ソフト
  3. 請求書作成お役立ち情報
  4. 請求書の基礎知識
  5. 請求書をメールで送付する際の例文・件名や送り方を解説

請求書をメールで送付する際の例文・件名や送り方を解説

かつては、取引先に請求書を発行する場合は、紙の請求書を郵送する方法が主流でした。しかし近年では、紙ではなく、メールで請求書を送付するケースが増えてきています。

請求書をメールで送付するとき、満たすべき要件などはあるのでしょうか。また、請求書のメール送付にあたっては、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、請求書をメールでやりとりする場合の注意点やメリット・デメリットなどを、具体的なメール文例と共に解説します。

請求書とは支払いを求める書面のこと

請求書は、取引先に納品した商品やサービスの対価を、期日までに支払ってもらうために発行する書類です。取引の確定後、または商品の納品後、基本的には取引先の締日に合わせて発行します。

前払いや店頭などでの即時払いを除き、一般的には商品などを納品後、請求書を発行しなければ取引先から代金が支払われることはありません。これは、法人でも個人事業主でも同様です。

【無料】実務対応もこれで安心!電子帳簿保存法の完全ガイドをダウンロードする

請求書の記載内容

請求書に記載する内容は、次のとおりです。紙の請求書を郵送する場合も、請求書をメール送付する場合も、記載内容は変わりません。

請求書の宛名

請求書の宛名欄には、請求相手である取引先の氏名や会社名を、正式名称で記載します。株式会社や一般社団法人といった名称も、「(株)」「(一社)」などと略さずに正式名称で記載します。企業によっては、部署名や担当者名の記載が必要な場合があるため、請求書発行前に確認しておきましょう。

請求書を発行する側の会社名(氏名)、住所、連絡先など

請求書には、発行者である自社の社名(個人事業主の場合は氏名や屋号)、住所、連絡先を記載します。印鑑がなくても法的には問題ありませんが、「請求書には押印が一般的」と考える企業は少なくありません。改ざんリスクを防止するうえでも、押印しておいた方が安心です。

請求書作成(発行)日

請求書を作成(発行)した日付を記載します。西暦、和暦のどちらでも問題ありません。「2023.4.1」「令和5年4月1日」のように、西暦や年号は正確に記入しましょう。

なお、請求書の発行日にルールを定めている企業も多いため、事前に取引先へ確認しておくことが大切です。

請求書番号

請求書番号とは、社内で管理するための番号です。必須ではありませんが、請求書番号があると、後で管理や検索をするのに便利です。見積書や納品書などの番号と揃えて管理する方法もあります。

税率ごとに合計した請求金額(税込)

合計請求金額の欄には、消費税などを含めた請求金額の総額を税率ごとに分けて記載します。

取引内容

取引内容には、納品した商品やサービスごとの品名や数量・単価・金額(単価に数量を掛けた金額)を記載します。品名は、商品名や品番など、自社と相手先の双方にとってわかりやすく記載することが重要です。また、数量は一般的に個数を記しますが、具体的な数量の記載が難しい場合は「一式」でも構いません。

消費税の軽減税率(8%)が混在している場合は、その旨も明記します。

消費税や源泉徴収

個人事業主は取引の種類によって、報酬や料金から所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。その場合、所得税と復興特別所得税の金額を記載するほうが、取引先にとって親切です。消費税や源泉徴収に関する記載は、事前に取引先との確認が必要です。

支払期限

取引先に事前に確認のうえ、支払期限(振込期限)を記載します。基本的には、「月末締めの翌月末払い」など、企業ごとに締日と支払日が決まっています。

振込先

支払い方法が銀行振込の場合、銀行名・支店名・口座番号・口座名義人といった振込先情報を記載します。振込手数料をどちらが負担するかについては、事前に取り決めのうえ、請求書にも記載しておきましょう。

なお、2023年10月に導入されるインボイス制度に対応する場合は、インボイス(適格請求書)に適応した項目記載が必要です。請求書の書き方についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

請求書をメールで送る際の事前チェック

請求書は、郵送してもメールで送付しても、その効力は変わりません。ただし、請求書をメールで送る場合は、下記について事前にチェックが必要です。

取引先の了承を得る

請求書のメール送付は、法律上や税務上は問題ありません。ただし、取引先によっては、請求書を処理する都合上、メールでの送付には対応できないケースがあるかもしれません。特に、初めての取引先とやりとりをする場合は、メールで請求書を送ってもいいか事前に確認し、了承を得ておきましょう。

同じ取引先と継続してやりとりしている場合も、担当者や担当部署が変わった際には再度確認しておくと安心です。もちろん、取引先の方から「請求書はメールで送ってください」と言われた場合は、事前確認は必要ありません。

PDFファイル形式で送る場合

WordやExcelで作成した請求書は、そのままメールに添付せず、PDFファイル形式に変換してから送りましょう。WordやExcelの場合、取引先によっては「バージョン違いでファイルを開けない」「ファイルが壊れていて確認できない」といったリスクがあります。また、WordやExcelは書き換えが可能なので、不正につながりやすいという問題もあります。請求書のような大切な書類をメールで送る際には、書き換えができないPDFファイル形式にすることが基本です。

また、ファイル送信サービスや請求書作成システムからダウンロードして送付する場合も、PDFファイル形式にしましょう。PDFファイルであれば、互換性が高いため、先方のパソコンではファイルが開けないなどのトラブルを避けることができます。

押印について確認する

前述したとおり、請求書に押印がなくても法律上は問題ありません。しかし、日本のビジネス慣習として、「請求書には押印が必要」と考える企業が多いのも事実です。

請求書をメールで送る際には押印が必要か、必要な場合は電子印鑑でも問題ないかどうかを取引先に確認します。もし、電子印鑑ではなく実際の押印が必要なら、紙の請求書に押印してから、スキャンしてPDFファイル形式に変換しなくてはなりません。

請求書への押印については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

原本の郵送が必要かどうか確認する

企業によっては、メールで請求書を送付した後、紙の原本の郵送が必要なケースがあります。請求書の送付時には原本を郵送すべきかを確認し、原本が必要と言われたらすぐに郵送します。その場合、メール本文にも、追って原本を郵送する旨を記載しておくといいでしょう。

請求書をメールで送る際の注意点

取引先の了承を得て請求書をメール送付する際にも、いくつか気を付けたい点があります。請求書のメール送付時の注意点についてご説明します。

わかりやすい件名にする

請求書の送付時に限らず、メールの件名はわかりやすいものにするが理想です。特に、請求書のような重要な書類を送るときには、他のメールに埋もれてしまうことのないように、ひと目見てわかる件名が望ましいでしょう。

例えば、「◯月分請求書送付のご案内」など、メールの内容がわかりやすく、かつ検索しやすい件名がおすすめです。

ファイルを添付していることを明記する

メールにファイルを添付するときには、どのようなファイルを添付したのかをメール本文にも記載するのがビジネスマナーです。請求書のファイルを添付したことを伝えると共に、請求書番号や支払期限といった請求書情報も、併せて本文に記載しておきます。これらを本文に明記しておけば、「担当者が添付ファイルを確認するのを忘れる」といったことの防止にもつながります。

請求書のPDFにパスワードをかけるなどの保護をする

請求書には、取引内容や振込先口座といった機密情報が記載されています。第三者が簡単にデータを開けないように、請求書のPDFにパスワードをかけるなどのセキュリティ対策を講じる必要があります。

また、その際、パスワードは同じメールに記載するのではなく、別のメールで明記するといった配慮も必要です。

請求書をメールで送る際のテンプレート

ここからは、請求書をメールで送付する場合のテンプレートをご紹介します。ケースごとに文例をご紹介しますので、参考にしてみてください。

文例1

請求書をメールで送り、原本は郵送しない場合

件名:
2月分請求書送付のご案内

本文:
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯課
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
ミソカインボイス株式会社の田中です。

「◯◯◯」の件について、添付にて請求書を送付させていただきます。
ご査収の上、請求書記載のお振込先に◯月◯日までにお振込みいただくようお願い申し上げます。

請求書番号:0000-00000
請求金額:10,000円
支払期限:2023年3月31日

不明点等については田中までお問い合わせください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

ミソカインボイス株式会社
◯◯部 田中
TEL:000-000-000
メールアドレス:xxxx@example.com

文例2

請求書をメールで送り、原本を郵送する場合

件名:
2月分請求書送付のご案内

本文:
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯課
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
ミソカインボイス株式会社の田中です。

「◯◯◯」の件について、添付にて請求書を送付させていただきます。
ご査収の上、請求書記載のお振込先に◯月◯日までにお振込みいただくようお願い申し上げます。
また、こちらの請求書の原本を郵便にてお送りしておりますので、併せてご確認ください。

請求番号:0000-00000
請求金額:10,000円
支払期限:2023年3月31日

不明点等については田中までお問い合わせください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

ミソカインボイス株式会社
◯◯部 田中
TEL:000-000-000
メールアドレス:xxxx@example.com

文例3

請求書をメールではなく、原本で郵送している場合

件名:
2月分請求書送付のご案内

本文:
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯課
◯◯様

いつも大変お世話になっております。
ミソカインボイス株式会社の田中です。

「◯◯◯」の件について、請求書を郵送にてお送りいたしました。
ご査収の上、請求書記載のお振込先に◯月◯日までにお振込みいただくようお願い申し上げます。

請求書番号:0000-00000
請求金額:10,000円
支払期限:2023年3月31日

不明点等については田中までお問い合わせください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

ミソカインボイス株式会社
◯◯部 田中
TEL:000-000-000
メールアドレス:xxxx@example.com

請求書をメールで送るメリット・デメリット

請求書のメール送付には、メリットとデメリットがあります。それぞれについて確認しておきましょう。

請求書をメールで送るメリット

請求書のメール送付には、自社だけではなく、取引先にとってもメリットがあります。請求書をメールでやりとりする主なメリットは、下記のとおりです。

  • 郵送にかかる手間やコストの削減
    紙の請求書を郵送すると、紙代、印刷代、封筒代、切手代などのコストや、送付作業の手間が発生します。また、請求書を保管するためのスペースの確保や、ファイリング作業なども必要です。請求書をメール送付すればこれらの手間やコストが削減できるうえ、郵送よりも早く請求書が相手に届きます。
  • トラブル防止
    請求書を郵送する場合、郵便事故や宛名・住所の書き間違いなどによる未着のリスクがあります。また、社内の機器の故障などによって、請求書の印刷や発送が期日を過ぎてしまうといったことも考えらえるでしょう。メールならデータで請求書を送付できるので、そのようなトラブルが生じても期日までに請求書を取引先に送ることができます。請求書のメール送付は、こうしたトラブルの防止にもつながります。

請求書をメールで送るデメリット

請求書のメール送付は、コストや手間を削減できるのが大きなメリットです。その一方で、請求書のメール送付には、下記のようなデメリットもあります。

  • 電子データ作成や保管に関するシステムの導入・運用コストがかかる
    請求書をデータで送るためのシステムを新たに導入する場合、導入コストや運用コストがかかります。ただし、請求書は、2023年10月に開始するインボイス制度で、増える必要項目への対応や管理面でシステム化を検討したほうがいいでしょう。さらに、請求書は電子帳簿保存法の対象になる証憑でもあります。そのため、電子データとして送信した証憑は電子データで保存が必要となり、遅かれ早かれシステムの導入は必要です。メール送付を機に、自社に合ったシステムの導入を検討するのもいいでしょう。
  • 電子データの情報漏洩リスク
    請求書のメール送付にあたっては、メールの宛先間違いや、コンピューターウイルスなどによる情報漏洩リスクが発生します。このようなリスクを防ぐため、社内で電子データの取り扱いについて規程を設けるなど、十分な対策が必要です。
  • 紙での請求書を求める取引先がいる
    請求書のメール送付は一般的になってきたとはいえ、紙での請求書を希望する企業も一定数存在します。そのような取引先には、従来どおり郵送で対応しなければならず、かえって二度手間になってしまうかもしれません。しかし、2022年1月施行の改正電子帳簿保存法に伴い、「請求書は紙のみ」という企業は減少傾向にあります。

請求書に関する電子帳簿保存法への対応

2022年1月1日施行の電子帳簿保存法の改正によって、電子データでやりとりした請求書は、電子データのまま保存することが義務付けられました。2023年12月末までは経過措置として、従来どおり紙に出力しての保存も認められますが、それ以降はすべての事業者が改正電子帳簿保存法への対応が必要です。

例えば、請求書をメールで送付または受領したり、請求書のPDFデータをダウンロードしたりする場合も、電子帳簿保存法に則って電子保存が必須となります。その他、電子帳簿保存法に関して必要な対応について、具体的にご説明します。

電子データ化した請求書の保存期間

請求書の保存期間は、紙・電子データ共に、法人の場合はその事業年度の確定申告期限の翌日から7年間です。ただし、青色申告で赤字決算の場合や、青色申告書を提出しなかった事業年度に災害損失欠損金額が生じた場合は、10年間(2018年4月1日前に開始した事業年度は9年間)の保存が必要です。

また、個人事業主の場合、請求書の保存期間は確定申告期限の翌日から5年間です。なお、2023年10月のインボイス制度開始以降、適格請求書発行事業者となる個人事業主は、法人と同様に、インボイスを7年間保存する必要があります。

2022年の電子帳簿保存法改正により、新しくスキャナ保存を開始する場合は、税務署長への申請は原則不要(※)になりました。

  • スキャナ保存を開始した日より前に紙で保管していた書類(過去の重要書類)をスキャンして、電子データによる保存に切り替える場合は、税務署に「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の適用届出書(過去分重要書類)」を提出する必要があります。

検索機能を備えた保存

請求書を電子保存する場合は、「取引年月日」「取引金額」「取引先」を含む統一したファイル名称を設定しましょう。ファイル名をまとめた一覧表などを作成し、検索しやすい状態にしておく必要があります。

訂正・削除など改ざん防止

データの訂正や削除に関する事務処理規程を策定するなど、電子データを改ざんされないような対策を講じます。社内でルールを定め、紛失防止などに関しても適切な措置をとらなくてはなりません。

請求書の作成や送付はクラウドサービスの利用が便利

請求書を郵送からメール送付に切り替えると、さまざまな手間やコストを削減することができます。さらに、請求書の作成・発行業務を効率化するなら、クラウドサービスの利用がおすすめです。クラウド請求書作成ソフト「Misoca」なら、請求書はもちろん、見積書、納品書、注文書、領収書、検収書といった、ビジネスに必要な書類をすべて電子的に作成できます。

【無料】実務対応もこれで安心!電子帳簿保存法の完全ガイドをダウンロードする

クラウド見積・納品・請求書サービスなら、請求業務をラクにできる

クラウド請求書作成ソフトを使うことで、毎月発生する請求業務をラクにできます。
今すぐに始められて、初心者でも簡単に使えるクラウド見積・納品・請求書サービス「Misoca」の主な機能をご紹介します。
Misoca」は月10枚までの請求書作成ならずっと無料、月11枚以上の請求書作成の有償プランも1年間0円で使用できるため、気軽にお試しすることができます。

見積書・納品書・請求書をテンプレートでキレイに作成

自社情報は自動で反映、取引先は選択、品目と単価を入力して税率を選択すれば、請求金額は自動で計算

Misocaは見積書 ・納品書・請求書・領収書・検収書の作成が可能です。取引先・品目・税率などをテンプレートの入力フォームに記入・選択するだけで、かんたんにキレイな帳票ができます。

各種帳票の変換・請求書の自動作成で入力の手間を削減

各種帳票の変換もクリック操作でスグに完了

見積書から納品書・請求書への変換や、請求書から領収書・検収書の作成もクリック操作でスムーズにできます。固定の取引は、請求書の自動作成・自動メール機能を使えば、作成から送付までの手間を省くことが可能です。

インボイス制度(発行・保存)・電子帳簿保存法に対応だから”あんしん”

請求書の電子管理、適格請求書の発行に対応

Misocaは、インボイス制度に必要な適格請求書の発行に対応しています。さらに発行した請求書は「スマート証憑管理」との連携で、インボイス制度・電子帳簿保存法の要件を満たす形で電子保存・管理することが可能です。

会計・確定申告ソフトとの連携で請求業務から記帳までを効率化

Misocaで作成した請求書データは、弥生会計、やよいの青色申告、弥生会計 オンライン、やよいの青色申告 オンライン、やよいの白色申告 オンラインなどの会計・確定申告ソフトに連携することが可能です。請求データを会計ソフトへ自動取込・自動仕訳できるため、取引データの2重入力や入力ミスを削減し、効率的な業務を実現できます。

この記事の監修者辻・本郷税理士法人

国内最大規模の税理士法人。専門分野に特化した総合力を活かし、一般企業の税務顧問をはじめ、医療法人、公益法人、海外法人など多種多様なお客様へサービスを提供。開業支援から事業承継、相続・贈与対策、オーナー向けの資産承継など、法人・個人問わずお客様のニーズに柔軟かつ的確に応えるべく、幅広いコンサルティングを行っている。
Webサイト:https://www.ht-tax.or.jp 新規タブで開く

この記事の監修者辻・本郷ITコンサルティング

国内最大級の税理士法人である辻・本郷 税理士法人のグループ会社として2014年に創業。実践した数多くのDX化ノウハウをグループ内外に展開。バックオフィスに課題を抱える組織のコンサルティングから導入までをワンストップで行う。電子帳簿保存法やインボイス制度対応等、最新のコンサルティング事例にも精通。「無数の選択肢から、より良い決断に導く」をミッションとし、情報が多すぎる現代において、お客様にとっての「より良い」を見つけるパートナーを目指す。

カテゴリ一覧

    人気ランキング

      初心者無料ダウンロード資料

      無料ですべてのお役立ち資料をダウンロードできます。

      「Misoca」がよくわかる資料

      「Misoca」のメリットや機能、サポート内容やプランなどを解説!
      導入を検討している方におすすめ

      請求業務の課題解決ガイド

      請求業務を効率化したい方必見!
      見積・納品・請求業務のよくある課題と解決方法について解説します。

      その他のお役立ち資料を見る