納品書は領収書の代わりになる?違いや代用できる書類を紹介
監修者: 高崎文秀(税理士)
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商品・サービスの納品時に発行される納品書は、原則として領収書の代わりにはなりません。本記事では経理・請求担当者や個人事業主の方に向けて、納品書・領収書それぞれの役割や記載項目、納品書を領収書のように適格請求書(インボイス)として扱えるかなど、納品書と領収書の特徴や違いをわかりやすく解説します。さらに、領収書の代わりになるものや、納品書と領収書に関する疑問もまとめましたので、参考にしてください。
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納品書だけでは領収書の代わりにならない
原則として、納品書を領収書代わりには使えません。企業や個人事業主が経費処理をする上で、納品書はあくまで商品・サービスを納品した事実を証明する書類であり、金銭の受け取りを証明する領収書とは役割が異なるためです。
納品書も領収書も所得税法・法人税法上の作成義務はなく、主に商習慣に基づき作成される書類です。作成・受領した場合には一定期間の保存が所得税法・法人税法で義務付けられている点は共通していますが、記載項目が違うため、納品書では金銭の授受を証明できません。
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参照:国税庁「電子帳簿保存法一問一答
」P.15
例外として、顧客が前払いした際に発行する「納品書兼領収書」は、必要な項目を満たしていれば、領収書の代用として利用できます。
適格請求書(インボイス)としては納品書で代用が可能
納品書は「支払った事実を証明する書類」としては領収書の代わりになりませんが、消費税の仕入税額控除を受けるための「適格請求書(インボイス)」としては、代用が認められる場合があります。
インボイス制度では、登録番号や適用税率など必要な項目がすべて記載されていれば、納品書を単体でインボイスとして扱うことが可能です。
インボイス制度に対応した納品書の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。
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納品書と領収書の役割の違い
納品書と領収書は、商品・サービスの取引に伴って発行される書類です。どちらも取引を証明する書類であることから混同されがちですが、それぞれに役割があります。
納品書とは
納品書とは、商品やサービスの納品時に、売手側が買手側に発行する書類です。法的には、納品書を発行する義務はありません。
しかし、納品書を発行すると、納品事実やその内容の確認がスムーズになり、納品した商品・サービスに誤りがあった場合にも確認しやすいという利点があります。
納品書については、以下の記事で詳しく解説しています。
納品書に記載する項目
納品書に記載する項目は企業や個人事業主によって異なりますが、一般的には以下の項目を記載します。
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- 納品書の宛先:納品先の企業名・屋号
- 発行日:納品書を発行した日、商品の出荷日、商品の到着予定日など
- 納品番号:管理や問い合わせ時に使用するための番号
- 発行者の企業名・屋号・住所・電話番号
- 納品した商品・サービスの合計金額
- 納品内容の内訳:商品やサービス名、数量・単価・金額
- 小計:商品・サービスにより消費税額が異なる場合、税率ごとに分ける
- 消費税
- 合計金額
- 備考:特記事項、売手側からのお礼の文言
領収書とは
領収書とは、取引により金銭の授受があったことを証明する書類です。売手側は領収書を発行することで、代金を受領済みであることの証拠となり、二重請求の発生を防げます。買手側は、領収書を受け取ることで、二重払いの防止につながります。
領収書は確定申告や税務調査において、税務申告の証憑となる書類です。領収書は電子データによる発行も可能で、書類であっても電子データであっても、一定期間の保存が法律で義務付けられています。
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参照:国税庁「電子帳簿保存法一問一答
」P.15
レシートは金銭の授受を証明する点で領収書と類似していますが、購入者の名前がない点、不特定多数の顧客に発行する点が領収書と異なります。
領収書やレシートについては、以下の記事で詳しく解説しています。
領収書に記載しなければならない項目
領収書は項目に抜けがあると証憑として認められない場合があります。通し番号など、必須でなくとも管理に役立つ項目もあります。以下の項目は記載しましょう。
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- 通し番号:番号を付けておくと管理がしやすく、透明性確保に役立つ
- 宛先:支払者の企業名・屋号・氏名など
- 領収金額:金額の改ざん防止のため、頭に「¥」、後ろに「※」「‐」などの記号を記載
- 内訳:税率ごとの金額を記載
- 領収日:支払いが行われた日、入金があった日
- 発行者の企業名・屋号・住所・電話番号
- ただし書き:「通信費として」など、用途が明確にわかる内容を記載。「品代」など何に使ったかわかりにくいあいまいな表現は避ける
インボイス対応の領収書に記載する項目
以下の項目が記載されている領収書は、適格請求書(インボイス)として認められます。
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1.適格請求書(インボイス)発行事業者の氏名または名称および登録番号
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2.課税資産の譲渡などを行った年月日
「課税資産の譲渡など」とは、事業として金銭を得る資産の譲渡を指す -
3.取引内容
軽減税率の品目は枠内に記載するか、※などの記号を付ける -
4.税率ごとに区分して合計した取引金額
取引内容の税率を8%、10%に分け、税込みか税抜きの合計額を記載 -
5.税率ごとに区分した消費税額等
税率を8%、10%に分けた消費税の合計額を記載 -
6.書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
簡易インボイスの場合、この項目は省略可能
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適格請求書(インボイス)については、以下の記事で詳しく解説しています。
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領収書の代用として使える書類
納品書は領収書の代わりにはなりませんが、以下のような書類は、記載項目の条件がそろっていれば領収書の代用として認められる場合があります。
レシート
レシートは、税法で領収書と同じく証憑とされるため、領収書の代わりにできます。ただし、レシートは購入者、取引内容の詳細などの情報が不足していることがあるため、レシートよりも領収書を重視する企業は少なくありません。
レシートと領収書については、以下の記事で詳しく解説しています。
クレジットカードの利用明細書
クレジットカード会社が発行した利用明細書は、所得税法や法人税法において、金銭の支払いを証明する証憑として領収書の代わりになります。明細書には「利用日」「利用店舗(支払先)」「利用金額」が記載されており、経費支出の事実を確認できるためです。
ただし原則として、インボイス制度における仕入税額控除を受けることはできません。控除を受けるにはカード会社ではなく、実際に商品などの代金を支払ったカード加盟店が発行した適格請求書(インボイス)が必要です。
例外として、高速道路の利用時にETCシステムで精算した場合には、クレジットカードの利用明細書をETC利用照会サービスの利用証明書と併せて保存することで、仕入税額控除を受けることができます。
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参照:国税庁「クレジットカード会社からの請求明細書
」
支払い完了メール
オンラインで商品やサービスを購入した際には、支払い完了メールを領収書として代用できるため、メールをPDFなどで保存します。領収書として代用する場合に必要な項目は、宛先・受領日・金額・商品名やサービス名・発行者情報です。
法人や個人事業主には電子データの保存が法律で義務付けられていますが、売上高が5,000万円以下の事業者や、日付や取引先ごとに整理された状態で提示できる体制を整えている場合は、検索機能の確保等の要件を問われません。なお、要件を満たせない相当の理由があり、税務調査時のデータ提供や書面提示に応じられる場合に限り、データを単に保存しておくだけの運用も認められています。
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参照:国税庁「電子帳簿保存法の内容が改正されました
」
銀行の振込明細書
銀行窓口やATMで代金を支払った際の振込明細書は、領収書として代用できます。売手ではなく銀行が発行した書類ではあるものの、支払先と支払元、金額が記載されているため支払いの証憑となるからです。
インボイス制度に対応するためには、原則として、売手が発行した「登録番号が記載された請求書」等を振込明細書と併せて保存します。
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参照:国税庁「金融機関の入出金手数料や振込手数料に係る適格請求書の保存方法
」
出金伝票
相手から領収書などをもらうことができない場合には、出金伝票に「日付」、「金額」、「理由」などを記載しておくと、証拠能力としては低いものの経費の証憑になります。例えば、取引先へのご祝儀や香典などです。
ただし、出金伝票は領収書を用意できない場合のみ使用する書類です。なお、税込みで1万円未満の少額取引は、インボイス発行事業者・免税事業者ともに、帳簿記載のみで仕入税額控除ができます。この少額特例は、2023年10月1日から2029年9月30日までの適用など、要件があります。
少額特例の詳細は以下をご覧ください。
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納品書と領収書に関するよくある質問
納品書と領収書をよく理解していない場合、経費処理などの業務で混乱することがあります。以下で納品書と領収書の違いを確認し、正しく扱いましょう。
納品書だけで経費にできますか?
納品書は納品事実を確認するための書類であり、支払いを証明する効力はありません。そのため、納品書を経費計上の証憑として利用することは、原則としてできません。詳細は「納品書だけでは領収書の代わりにならない」をご覧ください。
領収書の代わりになるものはありますか?
レシート、クレジットカードの利用明細書、支払い完了メール、銀行の振込明細書、出金伝票などが、領収書の代用となる可能性があります。ただし、いずれも領収書の代用として認められるには要件や条件を満たすことが求められます。詳細は「領収書の代用として使える書類」で確認してください。
納品書と領収書の役割の違いは何ですか?
納品書とは、商品・サービスの納品時に、売手側が買手側に対して発行する書類です。領収書は、取引で金銭の授受があったことを証明する書類であり、両者は役割が違います。納品書と領収書の違いについて、詳細は「納品書と領収書の役割の違い」をご覧ください。
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納品書や領収書の発行にはクラウドサービスの活用が便利
納品書は経費精算などで領収書の代わりとしては使用できませんが、納品書兼領収書として発行する場合は、必要な項目を満たしていれば領収書の代わりにできます。
また、インボイス制度で定められた項目の記載があれば、納品書も適格請求書(インボイス)として扱うことができます。
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この記事の監修者高崎文秀(税理士)
高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役
早稲田大学理工学部応用化学科卒
都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業し、現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また通常の税理士業務の他、一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行っている。

