雑所得とは?確定申告の際の注意点などをわかりやすく解説

2024/02/16更新

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この記事の監修齋藤一生(税理士)

副業から得た所得は多くの場合、雑所得として所得税の確定申告を行うことになります。ただし、中には判断が難しいものもありますし、一定の金額を超えると確定申告が必要です。

ここでは、雑所得とはどういうものなのか、どのような所得が雑所得に該当するのか解説します。また、雑所得を得ていて確定申告が必要となるケースと、申告の際の注意点などについても見ていきましょう。

雑所得とは他の分類にあてはまらない所得のこと

所得とは、収入から収入を得るために支出した必要経費(給与所得の場合は給与所得控除を差し引いた金額)を差し引いたもののことです。所得税法は、収入を得た理由によって所得を下記の10種類に分類しています。「雑所得」は、この10種類のひとつで、他の9種類のどれにもあてはまらない所得全般を指します。

雑所得を除いた10種の所得は、下記のとおりです。

所得税法で定められた10種類の所得
所得の種類 内容
利子所得 預貯金や公社債の利子ならびに合同運用信託および公社債投資信託の収益の分配による所得です。
配当所得 株式や出資者が会社から受ける配当、投資信託や特定受益証券発行信託の収益の分配による所得です。
不動産所得 不動産を貸し出して得た所得です。具体的には、土地や建物などの不動産の貸し付け、借地権など不動産の上に存する権利の設定および貸し付け、船舶や航空機の貸し付けによる所得を指します。
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他の事業から得た所得を指します。
給与所得 勤務先から支払われた給与、賞与などの所得です。
退職所得 退職により勤務先から支払われる退職手当や、厚生年金基金等の加入員が退職した際に支払われる厚生年金保険法にもとづく一時金などの所得を指します。
山林所得 山林の譲渡による所得を指します。
譲渡所得 土地や建物、ゴルフの会員権などの資産を譲渡することによって生じた所得、および建物などの所有を目的とする地上権等の設定による所得で一定のものを指します。
一時所得 利子所得から譲渡所得までのいずれにも該当しないもので、営利を目的とした継続行為から生じた所得ではないもの、かつ労務や役務の対価ではないもの、資産譲渡の対価でもないものを指します。例えば、競馬の払戻金や懸賞の賞金、損害保険の満期返戻金などが該当します。
雑所得 上記の9種類の所得にあてはまらない所得。

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雑所得は大きく3つに分類できる

雑所得は、大きく分けると「公的年金等」と「業務」、「その他」があります。雑所得も他の所得と同様に課税対象となります。

「公的年金等」は国の年金制度にもとづく年金

公的年金などの所得とは、国の年金制度にもとづいて給付される年金のことです。収入金額から公的年金控除額を差し引いたものが、所得金額となります。公的年金などの所得にあたるのは、下記の4つです。民間保険会社の個人年金などは公的年金などの所得にはあたらず、「その他」扱いになります。

公的年金などの所得

  • 国民年金法、厚生年金保険法、共済組合法などの規定にもとづく年金
  • 過去の勤務により会社などから支払われる年金
  • 確定給付年金法の規定にもとづく年金
  • 外国の法令にもとづく保険、共済制度で、国民年金法等の規定にもとづいて支給される年金

副業の所得は、雑所得の「業務」になるケースが多い

雑所得は、「他の9種類の所得のどれにもあてはまらない所得全般」なのでその範囲は多岐にわたり、規模にもよりますが、多くの副業収入が該当します。原稿料や印税、講演料もそうですし、ネットショップでの売上も、多くの場合に雑所得の「業務」にあたります。

例えば、下記のようなもので事業所得に該当しないものは、雑所得として申告します。

フリマアプリやインターネットオークションでの収入

フリマアプリやインターネットオークションを使って営利目的でものを販売し、収入を得た場合は、それが本業でなければ雑所得になることが多いです。所得が年間20万円を超えれば確定申告が必要です。なお、不用品の売却の場合は「生活用動産」扱いとなり、雑所得にならないので、所得が20万円を超えても確定申告は必要ありません。ただし、貴金属や宝石、美術品などで、1点の価格が30万円を超えると課税対象になります。

ネットショップでの売上

ECサイト開発支援サービスの登場などで身近になったネットショップから得られた利益は、本業でなければ雑所得になることが多いです。例えば、ハンドメイド作品をECショップで販売している場合、売上から製作・販売にかかった費用を引いた額が雑所得となります。合計所得金額が年間20万円を超えるなら、確定申告が必要です。

原稿料や印税、講演料

原稿料や本の印税、講演料も、他に本業がある人が受け取った場合は基本的に雑所得になります。ライターや著述家、作家が受け取った場合は、本業での収入なので事業所得扱いになることが多いです。

FXや仮想通貨取引での利益

FXや仮想通貨取引での利益は、たとえ給与額より多くなったとしても雑所得の「その他」に該当します。また、株式や投資信託などの売買益は譲渡所得となり、特定口座の源泉徴収有りの口座で取引している場合は源泉徴収されるので、原則として確定申告は不要です。

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非営業用貸金とは、友人に貸したお金など、営利目的ではない貸金のことです。この友人から利息を受け取った場合、雑所得扱いになります。

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雑所得は確定申告が必要?

雑所得は、他の9種類の所得と同じように課税対象となります。通常、年末調整を受けている会社員なら確定申告は不要ですが、雑所得を含む給与以外の収入が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。最終的に納めるべき税額は、雑所得を給与所得など他の所得と合算し「総所得金額」を算出したうえで所得控除分を差し引き、金額に応じた税率を掛けて計算します。

公的年金などの所得の場合

雑所得のうち、公的年金などの所得の金額は、国税庁の「公的年金等に係る雑所得の速算表」にもとづいて算出されるもので、65歳以上かどうかと収入金額の額、公的年金などの雑所得以外の所得との合計額によって変わります。詳細は国税庁のWebサイトで確認できます。

例えば、65歳以上、公的年金の収入金額が240万円、合計所得金額が1,000万円以下であれば、下記の計算式のようになります。

240万円×0.75-27万5,000円=152万5,000円

ただし、公的年金などの所得に関しては「公的年金等に係る確定申告不要制度」があり、公的年金の収入が400万円以下で、かつ公的年金などの所得以外の所得金額が20万円以下である場合は、確定申告は不要とされています。この要件にあてはまる場合は、確定申告をする必要はありません。

副業で業務を行った場合

雑所得のうち「業務」の金額は、下記の計算式で算出します。

業務にあたる雑所得額の計算式

業務にあたる雑所得額=総収入金額-必要経費

例えば、副業としてハンドメイドでアクセサリーを作ってECショップで販売しているとします。年間の売上が30万円、材料費や宣伝費などでかかった経費が15万円だった場合、雑所得は30万円から15万円を引いた、15万円になります。

雑所得には確定申告が不要となる制度はないので、基本的には所得があるなら確定申告が必要ですが、会社員が副業で雑所得を得ている場合は、「年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下」の場合にのみ確定申告が不要となります。

なお、給与所得以外の所得が20万円以下なので、雑所得は10万円でも、一時所得など他の種類の所得があって、合わせて20万円を超えた場合は確定申告が必要になります。

個人事業主やフリーランスの場合は事業所得の確定申告が必要なので、雑所得が20万円以下であっても確定申告は必要です。また、雑所得が20万円以下で確定申告の必要がない会社員でも、医療費控除を受ける場合は、確定申告が必要になります。ただし、確定申告が不要な場合でも、1円でも所得があれば、代わりに住民税の申告が必要なのでご注意ください。

副業で業務を行った場合の確定申告については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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雑所得の確定申告時に必要な書類

雑所得について確定申告する際に注意したいのは、場合によっては、確定申告時に添付書類が必要になったり、請求書の長期保存が必要になったりすることです。

副業の業務に係る雑所得の確定申告は、2021年分までは確定申告書に収入や費用の合計額を記載するだけで済みました。しかし、税制改正により、2022年分の申告からは、副業の業務による雑所得が一定の条件を満たしている場合は、「収支内訳書」の提出が求められたり、領収書などの保管が義務付けられたりするようになっています。

具体的には、業務に係る前々年分の副業による雑所得の収入が300万円と1,000万円で線引きされており、下記のとおりです。この場合、注意したいのは、所得金額ではなく、収入金額である点です。

前々年分の副業による業務に係る雑所得の収入金額が300万円以下の場合

希望すれば、実際にお金をやりとりした時点で収入や必要経費を計上する「現金主義の特例」の適用を受けることができます。

前々年分の副業による業務に係る雑所得の収入金額が300万円超の場合

帳簿の作成や収支内訳書の提出は不要ですが、領収書や請求書など、取引に関する書類を5年間保存する必要があります。

前々年分の副業による業務に係る雑所得の収入が1,000万円超の場合

領収書等の5年間の保管に加え、帳簿を付け、確定申告書に「収支内訳書」など、収入と必要経費を記載した書類を添付する必要があります。

前々年の業務に係る
雑所得の収入金額
領収書等の保存義務 収支内訳書の作成義務 帳簿の作成義務
300万円以下 なし なし なし
300万円超
1,000万円以下
あり なし なし
1,000万円超 あり あり なし

雑所得と事業所得は何が違う?

雑所得と事業所得は、所得を得るための活動の内容からは区別されず、その活動が「社会通念上、事業と呼べるものかどうか」で区別されます。

2022年10月に国税庁が発表した「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)では、営利目的で継続的に事業を行っており、かつ年収が300万円を超えるかどうかを線引きの基準として示しています。副業については、「事業」と考えられるものかどうかが判断基準になります。

副業の収入は、事業とまではいえない場合は雑所得

国税庁が示した基準はあるものの、副業の収入が雑所得と事業所得どちらになるのか明確な基準はありません。継続性やかけた時間、事業規模、収入規模などを総合的に考えて、「事業として営んでいる」といえるなら事業所得、事業とまではいえないなら雑所得ということになります。なお、アルバイトなどで雇い主から給与を受け取っている場合は、給与所得になります。

雑所得も事業所得も、収入から必要経費を引いて所得を算出する点では同じですが、事業所得の場合は税制優遇のある青色申告が行えるといったメリットもあります。

雑所得と一時所得は何が違う?

もうひとつ、雑所得と区別がつきにくいものとして一時所得が挙げられます。一時所得とは、下記の条件を満たす所得のことです。

一時所得の要件

  • 利子所得から譲渡所得までの、雑所得を除く他の8種類の所得に該当しない
  • 営利を目的とする継続行為から生じた所得ではない
  • 労務や役務の対価としての性質をもたない
  • 資産の譲渡の対価としての性質をもたない

雑所得の定義は「他の9種の所得に該当しないもの」ですから、利子所得から譲渡所得までの8種類に該当せず、一時所得にも該当しないものが雑所得ということになります。

雑所得と一時所得との違い
雑所得 一時所得
要件 右の一時所得に該当せず、他の所得の要件にも該当しない
  • 営利目的ではない行為、または営利目的でも一時的な行為から生じたものである
  • 労務などの対価ではない
  • 資産の譲渡の対価ではない
具体例
  • 公的年金
  • 非営業用貸金の利子
  • 副業の収入
  • 懸賞や福引の賞金品
  • 競馬や競輪の払戻金
  • 損害保険の満期返戻金

例えば、たまに競馬に行って馬券を買い、それが当たって払い戻しを受けたなら、その払戻金は一時所得です。しかし、年間収支で利益を得られるように一定の購入パターンにもとづいて、数年間にわたりほぼすべてのレースの馬券を購入していたような場合は、継続的な行為といえることから一時所得とはならず、雑所得扱いになります。

なお、一時所得には最大50万円の特別控除があるので、実際に課税される所得額は、総収入金額から収入を得るために支出した金額(経費)を引いた額から、さらに特別控除額である最大50万円 を引いた金額となります。

一時所得と雑所得の違いについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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副業収入は、多くの場合雑所得となり、年間20万円を超える場合は確定申告が必要になります。年間収入が300万円を超えなければ記帳の義務はありませんが、確定申告をスムースに行うために、また副業の状態を把握するためにも、しっかり帳簿をつけておくことが大切です。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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