Webライターのための確定申告ガイド

2021/03/31更新

この記事の執筆者大野修平(公認会計士・税理士)

ライターとして記事を納品し、発注元からの入金を確認すると、思ったより入金額が少なかったことはありませんか? もしくは発注元から請求書の送付を依頼されて、手が止まってしまったことはありませんか?

Webライターとして活動すると、他の業種とは少し変わった税務上の取扱いが求められます。また、Webライターならではの節税方法もあります。本稿ではWebライターの皆さんが確定申告で悩まないように注意すべきポイントと節税方法について解説をしたいと思います。

POINT

  • きちんと確定申告をすることで、源泉徴収された税金を取り戻せることがある
  • 税金を取り戻すために、必要経費をしっかり集計する
  • Webライターならではの必要経費の算入方法がある

原稿料から源泉徴収された税金は取り戻せる

もしあなたが、会社員やアルバイトとして働いた経験があるのであれば、給料の手取額が額面金額(総支給額)より少ないことはご存知だと思います。これは、給与の額面額から所得税や社会保険料などが天引き(源泉徴収)された金額が手取額となるためです。

そして、実はWebライターの主な収入源である原稿料も同じように源泉徴収されているのです。その源泉徴収税額は原稿料の10.21%とされています。せっかく稼いだ原稿料なのに、税金が源泉徴収されていると思うと損した気分になりますが、そんなことはありません。

源泉徴収はあくまであらかじめ税金が控除されているに過ぎず、あなたが稼いだ所得に対する正確な税金の額は確定申告により決まり、そこで源泉徴収された税額分が調整されるためです。

これについてもう少し詳しく説明しましょう。確定申告時期になると、原稿の発注元、つまり原稿料の支払元から「支払調書」という書類が送られてくると思います。支払調書には、その年にその発注元からの支払金額のほか、すでに源泉徴収された税額も記載されていると思います。

確定申告においては、一旦この支払金額をベースに所得税等を計算した後、すでに源泉徴収されている金額を差し引いて納付税額を算定します。この時、支払元に源泉徴収されている税額は経費等を差し引く前の収入金額に対し税率を乗じて計算しますので、確定申告で計算した納税額より多くなってしまっていることがあります。

この場合、源泉徴収によって税金を払いすぎているわけですから、確定申告をすることによって払いすぎていた税金が還付、つまり取り戻せることも往々にしてあるというわけです。

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必要経費をしっかり集計しよう

先ほどお話したとおり、源泉徴収された税金も確定申告によって取り戻すことが可能です。
なぜなら、源泉徴収は「収入(原稿料)×10.21%」で税額が決まりますが、確定申告は「(収入(原稿料)-必要経費)×税率」で税額が決まるためです。確定申告では必要経費を差し引いた後に税率を乗じて税額が決定するため、必要経費をもれなく集計することが大切というわけです。

Webライターであれば取材に行ったり、知識を得るために書籍を購入したりすることがあると思います。日ごろからそういった費用のレシートや領収書を集めておき、必要経費として計上することが重要です。

どのような支払いが必要経費となるか、その範囲について迷うかもしれませんが、あまり難しく考える必要はありません。収入を得るために要した費用はすべて必要経費ですので、「これは収入を得るために必要な支払いだ」と言えるものであれば必要経費とすることができます。

例えば、Webライターであれば仕事の特性上、事務所などを借りず、自宅で業務をしている場合などもあると思います。その場合、事務所を借りていないからといって家賃を必要経費とできないわけではありません。

自宅であっても、その一部を仕事のために使っているのであれば、家賃を必要経費とすることが可能です。ただし、全額というわけにはいきません。仮に自宅の家賃が10万円だとすると、そのうちどれくらいの割合が仕事のための費用となるかを計算します。

例えば、4部屋あるうち、1室を事務所代わりに使っているのであれば部屋数を基準に1/4の25,000円を必要経費に算入しても良いですし、1日のうち5時間自宅で仕事をしているのなら時間を基準に1/5の2万円を必要経費に算入すればよいのです。

電気代や通信費などについても同じことが言えます。適切な基準を設定して、その割合に応じて必要経費に算入すれば良いということです。

なお、このようにプライベートな費用と仕事のための費用が混ざった支払いから、仕事のための費用を抜き出し、必要経費に算入することを「家事按分」と言います。どれくらいの割合で家事按分すれば良いかについて明確な判断基準はありませんので、万が一税務調査が来たときに「事業に必要な割合を、こうして決定した」と説明できれば良いのです。

Webライターなら、こんなものも経費にできる!

Webライターという職業はあまり大きな買い物をするわけではないので、少額の支払いであってももれなく集計することが節税のためのポイントです。

また、前述の家事按分を上手に使うことも大切です。とはいえ、「あまり経費にできそうなものがないよ」という声が聞こえてきそうですが、本当にそうでしょうか?

私は、Webライターだからこそ必要経費にできるものがたくさんあると思っています。Webライターの方の多くは、依頼されて記事を書くだけでなく、ご自身でもブログなどの媒体を運営されているのではないでしょうか? ブログで情報発信することによって、認知度が高まり、お仕事を受注することも多いと思います。

つまり、ブログ記事を書くことは収入を得るために必要な活動と言え、ブログ記事を書くために支払った費用は必要経費とすることができると思います。このような費用にはどんなものがあるでしょうか?

例えば、旅行に行った費用。旅行に行った先々で写真を撮り、それをブログ記事にしたとします。そして、とある旅行会社が運営するメディアから執筆依頼が来たとします。この場合、旅行をしてブログ記事にしなければ収入が発生しなかったのですから、旅行費の一部を家事按分し、必要経費とすることができるでしょう。

その他にも、購入した家具のレビューをブログ記事にしたところ家具会社から執筆依頼が来たり、外食したレビューをブログ記事にして執筆依頼が来たりした場合なども、費用の一部を必要経費とすることができると思います。

注意してほしいのは、ブログ記事にしたからといって何でも必要経費にできるわけではありません。収入を得るために必要な経費ではないと判断された場合には追徴課税される可能性もあります。

ブログ記事によってWebライターとしての認知度が高まり、実際に仕事の依頼が来たものについてのみ家事按分し、必要経費に算入するようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?必要経費をコツコツと積み上げ、きちんと確定申告することで、源泉徴収された税金を取り戻せる可能性があることがお分かりいただけたと思います。

今回ご紹介した、Webライターだからこそ必要経費にできる方法も参考に、きちんと確定申告をし、払いすぎた税金をとりもどしてください!

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者大野修平(公認会計士・税理士)

公認会計士・税理士
セブンセンス税理士法人ディレクター
大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入所。金融インダストリーグループにて、主に銀行、証券、保険会社の監査に従事。
トーマツ退所後は、資金調達支援、資本政策策定支援、補助金申請支援などで多数の支援経験を持つ。
また、スタートアップ企業の育成・支援にも力をいれており、各種アクセラレーションプログラムでのメンタリングや講義、ピッチイベントでの審査員および協賛などにも精力的に関わっている。

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