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中間決算とは?行うタイミングや目的、スムースに行うポイントを解説

監修者:渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

2024/07/11更新

企業によっては、事業年度の半期時点で中間決算を行うことがあります。事業年度に1度の本決算はすべての企業に義務付けられていますが、中間決算に関しては、一部の大企業以外は任意です。では、中間決算は、いつ、何のために行うのでしょうか。

ここでは、中間決算を行う目的や時期、中間決算をスムースに行うためのポイントなどを解説します。

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中間決算とは事業年度の半期時点で行う決算のこと

中間決算とは、事業年度の半期時点で行う決算のことです。そもそも決算とは、事業者の一定期間ごとの収益と費用を取りまとめて損益状態を把握し、決算日時点の資産負債純資産を確定させ財政状況を把握する作業のことです。すべての事業者は、事業年度に1度、必ず決算を行う必要があり、これを本決算といいます。

一方、中小企業が中間決算を行うかどうかは、あくまで任意です。しかし、中間決算を行うことによって、本決算の業務がスムースになったり、上半期の自社の状況を正確に把握することができたりするため、中小企業でも中間決算を行う場合があります。なお、一部の上場企業などでは、四半期ごとの決算が義務付けられているため、中間決算は必須です。

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中間決算を行う目的

前述のとおり、中小企業にとって中間決算は任意です。しかし、義務付けられていなくても、中間決算を行う企業はあります。

中小企業が中間決算を行う主な目的は、下記のとおりです。

企業が財政状況を適宜確認し、必要に応じて適宜修正できる

中間決算を行う大きな目的は、自社の財政状況を定期的に把握し、経営に役立てることです。決算そのものや、決算に伴い作成する決算書は、自社の状況を把握し、今後の経営方針を決定するために必要不可欠です。

もし、事業年度に1度の本決算しか行わなかった場合、正確な経営状況を確認できるのは決算期ということになります。売上や利益、コストなどについては帳簿で把握できていると思っていても、帳簿だけでは企業の財務状況を正しく把握することができません。

そのため、改善の必要性に気付くのが遅れ、軌道修正が後手に回ってしまう可能性があります。事業戦略の実現に向けてよりスピーディーに対応していくためには、本決算に加えて、中間決算で半期ごとの財務状況を正しく把握することが重要です。

投資家や金融機関から投資・融資を受ける場合の判断材料になる

投資家や株主、取引先、金融機関といったステークホルダーに対して、半期時点での経営状況を公表することも、中間決算の目的の1つです。中間決算を行うことで、投資家や株主は、会社の経営戦略がうまく進んでいるか、自身の投資判断が正しいかを確認できます。

また、金融機関から融資を受ける場合などにおいては、中小企業でも、中間決算の決算書の提示が必要になることがあります。会社にとっては、中間決算によって経営戦略の振り返りを行うと同時に、ステークホルダーに自社の健全性をアピールできるというメリットがあります。

納税額を事前に把握でき、本決算の負担も軽減できる

中間決算には、本決算にかかる業務の負担を軽減するという目的もあります。本決算では1年分の収支や損益をまとめなければならず、多大な手間と時間がかかります。中間決算を行えば財務計算は半期分で済むため、業務負担を分散させることができるでしょう。また、中間決算によって納税額を事前に把握できれば、資金繰りなどの対策を打ちやすくなります。

決算の種類

一定期間における会社の損益を計算し、経営状況を明らかにするのが決算です。決算には、中間決算のほかにも、本決算、中間決算、四半期決算、月次決算、仮決算などがあります。

ここでは、各決算の特徴について、それぞれ説明します。

本決算

本決算とは、一事業年度に1度行う決算のことです。本決算はすべての事業者の義務であり、一般的には、決算というと、この本決算のことを指します。株式会社では、本決算の結果を株主総会で報告、または承認を受ける必要があります。

法人の事業年度は、1年以内の任意の期間で自由に決めてよいことになっていますが、1年間としている企業が大半です。一般的に、事業年度の終了日のことを、決算日といいます。

中間決算

中間決算は、事業年度の半期時点で行う決算です。中間決算を行う場合も、本決算と同様に、貸借対照表や損益計算書といった決算書を作成する必要があります。

四半期決算

四半期ごとに行われる決算のことを、四半期決算といいます。四半期とは、一事業年度を4つに区切った期間のことです。基本的には、1年を4つに分けた3か月ごとの期間を四半期といいます。

例えば、事業年度が4月から3月までの企業の場合、6月末が第1四半期決算、9月末が第2四半期決算、12月末が第3四半期決算、3月末が本決算となり、第2四半期決算が中間決算に当たります。

上場企業などでは四半期決算が義務付けられていますが、非上場の中小企業でも任意で四半期決算を行うケースがあるため、覚えておきましょう。

月次決算

月次決算は、1か月単位で行う決算のことです。上場・非上場にかかわらず、企業に月次決算を行う義務はありませんが、タイムリーな経営管理や戦略検討のために、任意で月次決算が行われることがあります。

仮決算

仮決算とは、企業が中間申告を行うために、事業年度の途中で仮に行う決算のことです。「事業年度の途中で決算を行う」という意味では中間決算と同じですが、中間決算は半期ごとの経営状況を把握するために行う決算、仮決算は税務申告のために行う決算、という違いがあります。ただし、仮決算と中間決算を同義で使うことも多いです。

中間決算を行う時期はいつ?

中間決算を行うのは、事業年度のちょうど半期時点です。例えば、事業年度が4月から3月までの企業であれば、事業年度が開始して6か月後の9月末が中間決算、3月末が本決算の時期となります。この場合、中間決算では、4月から9月の6か月間の損益をまとめて決算書を作成することになります。

なお、中間決算や仮決算の結果を基に中間申告を行う場合、申告期限は対象期間の末日から2か月以内です。例えば、事業年度が4月から3月までの企業であれば、9月末の2か月後の11月末が、中間申告の期限となります。

中間決算の準備をスムースに行うポイントは?

中間決算は本決算に比べて対象期間が短いとはいえ、損益計算や決算書作成などの手間が発生します。中間決算をスムースに進めるためには、事前の準備が大切です。

中間決算に取り掛かる前には、下記の点をしっかりと押さえておきましょう。

中間決算の目的を確かめておく

中間決算をスムースに行うためには、中間決算を行う目的を明らかにしておくことが大切です。特に中間決算が義務付けられていない中小企業の場合、目的があいまいなまま実施してしまうと、ただ経理担当者の負担が増えるだけになってしまいます。そのため、中間決算の意義や自社にとってのメリットなどを、あらかじめきちんと確認しておきましょう。

日々の取引を正しく記帳しておく

取引を正しく記帳しておくことは、中間決算を行ううえでとても重要です。日々の取引を正しく記帳できていなければ、決算を行うことができません。中間決算を行う前には、日々の取引をすべて記帳し、未確定のものがない状態にしておきましょう。

また、中間決算をスムースに進めるためには、月次決算を行うのもおすすめです。月次決算を行って、こまめに収益と費用を整理しておくことで、中間決算だけではなく本決算の業務負担を軽減することもできます。

資金繰りを確認して、仮決算による申告が必要か検討しておく

中間決算を行う前には、あらかじめ資金繰りを確認し、仮決算による申告が必要かどうか検討しておきましょう。

前事業年度の法人税額が20万円、確定消費税額が48万円を超える場合、中間申告が必要になります。法人税と消費税の中間申告には、それぞれ期限が定められています。中間申告にあたって資金繰りを確認すると同時に、納付書どおりに前年度の納税額の半分を納税するか、もしくは仮決算を行うのか、検討しておく必要があります。

しかし、中間申告をするからといって、必ず仮決算で中間申告を行わなければいけないというわけではありません。ただ、前期より今期の経営が苦しい場合や、前期の消費税額が特に多かった場合などは、仮決算による中間申告を選んだ方が、資金繰りが楽になるといえます。

中間決算に向けて準備すべきことをリストアップしておく

中間決算をスムースに進めるには、準備すべきことをあらかじめリストアップしておきましょう。中間決算の対象期間は6か月間と短いものの、行う作業は本決算とほぼ同じです。損益をまとめた後は決算書を作成するのはもちろんのこと、仮決算による中間申告も必要な場合、期日までに税務申告も行わなければなりません。

具体的には、現金や売掛金買掛金借入金棚卸資産などを帳簿と照らし合わせ、それぞれの残高が一致しているかどうかを確認します。業種によっては、実地棚卸などの作業も必要になるでしょう。

さらに、減価償却費の計上をはじめとする中間決算整理仕訳を行い、仕訳がすべて完了したら決算書を作成します。漏れやミスがないように、中間決算にあたってどのような作業が必要なのか、誰が担当するのかなどを、事前にしっかり確認しておく必要があります。

中間決算に向けてスケジュールを管理しておく

中間決算を行う際には、あらかじめ必要な作業のリストアップを行い、スケジュールを立てておきましょう。中間決算を行うのは、事業年度のちょうど半期時点であるため、毎年時期が決まっています。直前になってから慌てることのないように、いつまでに何をすべきなのかという計画を立てて、早めに取り掛かることが大切です。

早期の段階で専門家に相談する

中間決算をスムースに進めたい場合、早期の段階で専門家に相談することも大切です。前述のとおり、中間決算では本決算とほぼ同様の作業が必要になり、手間と時間がかかります。決算業務に慣れていないと、経理担当者に多大な負担がかかったり、本業にかけるべき時間を圧迫してしまったりすることがあるかもしれません。

法人の場合、本決算と税務申告に関しては税理士に依頼しているケースも多いでしょう。任意で行う中間決算であっても、もし自社だけで対応するのが難しいと思ったら、早めに税理士などの専門家に相談すると安心です。

会計ソフトの導入を検討する

会計ソフトの導入も、中間決算をスムースに進めるための手段の1つです。前述のとおり、決算業務は帳簿を基に進めます。中間決算を税理士に依頼する場合も、日々の取引の記帳は自社で行うのが一般的です。記帳の手間やミスを削減し、中間決算にかかる作業を効率化するには、会計ソフトの活用を検討するのがおすすめです。

例えば、表計算ソフトや手書きで帳簿をつけていた場合、計算ミスや転記ミス、記入漏れなどが起こりやすくなり、実際の残高との照合作業にも手間がかかってしまいます。しかし、会計ソフトを使えば、日々の仕訳にかかる手間と時間が大幅に削減され、中間決算業務もスムースに進めることができるでしょう。

また、会計ソフトの多くは、入力したデータを基に、法人決算に必要なさまざまな書類を自動で作成できます。中間決算や本決算を税理士に依頼しようと考えている場合は、顧問税理士と連携しやすい会計ソフトを選ぶこともポイントの1つです。

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会計ソフトなら、中間決算も簡単

中間決算をスムースに進める大きなポイントが、使い勝手の良い会計ソフトを選ぶこと。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」です。

「弥生会計 オンライン」は、初めて会計ソフトを導入する方でも簡単に使える、クラウド会計ソフトです。初年度無料ですべての機能が使用でき、気軽にお試しいただけます。

簿記・会計の知識がなくても使える機能と画面設計

「弥生会計 オンライン」は、簿記や会計の知識がなくても使える機能と画面設計で、初めて会計ソフトを使う方でも安心です。取引の日付や金額などを入力するだけで、小規模法人に必要な複式簿記帳簿が自動作成できます。
また、日々入力したデータは顧問の税理士・会計事務所(※弥生PAP会員の税理士・会計事務所)とクラウド上で共有できます。受け渡しの手間が省けて効率的です。

銀行明細、クレジットカードなどの取引データを自動で取り込みできる

「弥生会計 オンライン」を使えば、銀行明細やクレジットカードなどの取引データのほか、レシートや領収書のスキャンデータ、スマートフォンアプリで撮影したデータを自動で取り込み、自動で仕訳することができます。金融機関からダウンロードした取引明細や帳簿、ご自身で作成いただいたCSV形式のファイルを取り込むこともできるため、入力と仕訳の手間を省くことが可能です。また、スマートフォンから直接入力もでき、出先や移動中の時間を効率良く使えます。

日々の取引を自動で集計でき、見やすいレポートで管理できる

「弥生会計 オンライン」を使えば、入力したデータを基に日々の取引を自動で集計し、さまざまなレポートを自動で作成することができます。わかりやすいグラフレポートをいつでも確認可能なため、経営状態がひとめで把握できます。

初心者でも安心!カスタマーセンターがしっかりサポート

業界に精通した専門スタッフが、電話、メールでの操作サポートに加え、仕訳や経理業務の相談にもお答えします。製品操作が不安な方や業務が苦手な方でも、充実のサポートで安心してお使いいただけます。

  • カスタマーセンターによるサポートは、「サポート付きプラン(ベーシックプラン)」が対象です。

中間決算を自社の経営に役立てよう

一部の上場企業などを除き、中間決算を行うかどうかは各企業の任意です。そのため、義務ではないなら中間決算は必要ないと考える方もいるかもしれません。しかし、中間決算を行うことで、より短期的な経営状況の確認や軌道修正が可能になり、本決算の業務負担を軽減することにもつながります。

中間決算にかかる手間は、会計ソフトを活用することで、効率化できます。弥生のクラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」などの自社に合った会計ソフトを活用することで、中間決算をスムースに行いましょう。

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この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント®。
1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。

著書『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’21~’22年版新規タブで開く

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