2022/05/09更新 個人事業主として開業するには?開業の方法をステップに分けて解説

個人事業主として開業するには? 開業の方法をステップに分けて解説

「フリーランスになりたい」「自分でお店を開きたい」と思い、いざ開業しようと考えても、何から手を付ければよいかわからず戸惑う方はいるかもしれません。しかし、あらかじめ考えておくべきことや手続きが事前にわかっていれば、スムースに開業までの準備ができるでしょう。
ここでは、個人事業主として開業に役立つ基礎知識や手続きを、5つのステップにまとめて解説します。

開業する場合の5つのステップ

一口に「開業する」といっても、その業種はさまざまです。開業の準備や手続きは共通する部分も多いため、内容をしっかり事前に知っておくことが大切です。まずは、開業のためのステップ5つを順に見ていきましょう。

開業のステップ

  1. STEP1.
    開業の目的や理由を考える
  2. STEP2.
    事業計画を立てる
  3. STEP3.
    開業形態を決めて、開業の手続きを行う
  4. STEP4.
    資金を集める
  5. STEP5.
    事業開始の準備を行う

STEP1. 開業の目的や理由を考える

まず、自分がなぜ開業したいのか、その目的や理由をしっかり考えることが大切です。単なる思い付きだけで開業しても、モチベーションが長続きしない可能性があります。また、開業後は、仕事のやり方やライフスタイルが大きく変わるかもしれません。以下の項目について自問自答し、開業した後の姿を具体的にイメージしてみましょう。

開業することが自分にとってメリットがあるか

「好きな分野、得意な分野で仕事ができる」「束縛されることなく、自分の判断で事業を進められる」など、開業にはさまざまなメリットがあります。しかし、それらの一般的なメリットが、すべての方に当てはまるとは限りません。開業することで自分にはどのようなメリットがあるのかを具体的に考えてみましょう。
また、「勤めている会社が激務なので、自分の時間を作るために開業したい」と考えていても、開業後は休日もなく、仕事に明け暮れるケースもあります。開業することによって、開業前よりも暮らしや気持ちの面で幸せになれるイメージが持てるかなども冷静に考えてみることが大切です。

自分自身が納得できる開業の目的や理由があるか

開業する理由は人それぞれですから、「この目的がなければ開業は成功しない」というものはありません。自分自身が納得したうえで、意思を固めることができれば、あとは実行する覚悟を決めるのみです。他人の意見や状況に流されることなく、「なぜこの道を進むのか」と確認する作業が、開業の第1ステップといえるでしょう。

STEP2. 事業計画を立てる

開業の目的や理由が定まったら、次に事業計画を立てます。具体的にどのようなことを決めるのかを見ていきましょう。

何をやるか決める

事業計画を立てるうえで第一に考えなければいけないのは、「開業して何をするか」ということです。例えば、扱う商品やサービスの他、その特徴や価格などを決めることが大切です。自分の好きなことや強み、得意なこと、社会に求められていることなどを整理して、どのような事業を行っていきたいのかを明確にしましょう。

誰にどのチャネルでどのように販売するかなど収入源を決める

ビジネスは、自分が強くやりたいと思っても、売上がなければ成り立ちません。開業して何をするかが決まったら、その商品やサービスを誰に向けて提供するかを考えましょう。そのうえで、直売や代理店など販路をどのチャネルにするのか、買い切りや継続購入など販売方法をどうするのかを決めます。

ターゲットへの訴求力や競争優位性を調査する

ビジネスで提供する商品には、物やサービス、知識、技術などさまざまな選択肢があります。いずれにしても、市場ニーズとマッチしなければ、思うような利益を上げることは難しいでしょう。
ターゲットの興味を引くには、競合他社との差別化を図る必要があります。例えば、自分の事業独自の強みや売りをターゲットに約束できる利益として提示する、USP(Unique Selling Proposition)というマーケティング手法を使ってみるのもいいかもしれません。
有名なUSPの事例に、ドミノ・ピザが行っていた、30分以内に届けられなければ無料というサービスがあります。提供できること、やりたいこと、早くピザを食べたいというニーズすべてをとらえた施策で、事業独自の売りも、ターゲットに約束できる利益も提示し、広く支持されたものです。

ベン図:ニーズ、できること、やりたいこと。共通部分:USP

USPを掘り下げるためには、顧客層へのヒアリングや他社の商品・サービスの調査を行い、市場ニーズを分析してみるのもいいかもしれません。その際の分析方法の1つとして、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つのカテゴリーから事業戦略を検討する「SWOT分析」が挙げられます。

内部環境 プラス要因 Strength 事業成功に活かせる自社の強みはある? マイナス要因 Weakness 事業成功に不足している自社の弱みはある? 外部環境 プラス要因 Opportunity 事業成功の追い風となるチャンスはある? マイナス要因 Threat 事業成功の逆風となる脅威はある?

いつまでにどれくらいの売上になりそうか資金計画を立てる

何を誰にどうやって売るかが決まったら、いつまでにどれくらいの売上になりそうかを考え、現実的な資金計画を立てます。資金計画を立てる際には、商品・サービスの仕入れや生産方法、見込み客数、コストなどを踏まえ、実現可能な計画を立てることが大切です。
事業計画書を作成するには、無料のブラウザツール「事業計画作成サポートツール 新規ウィンドウで開く」が便利です。飲食業、小売業(店舗)、ネットショップなど業種ごとのフォーマットが用意されており、質問に答えていくだけで事業計画書・数値計画書が完成します。さらに、先輩企業の事業計画と照らし合わせて資金計画をシミュレーションすることも可能です。

STEP3. 開業形態を決めて、開業の手続きを行う

開業には、個人事業主として事業を立ち上げるだけでなく、法人として会社を設立する方法もあります。自分が始めたいビジネスに合った開業方法を選択し、必要な手続きを進めましょう。

個人事業主と法人のどちらにするか決める

開業する際に、個人事業主でスタートするか会社を設立するかで迷うことがあるかもしれません。個人事業主と法人には、それぞれメリットとデメリットがありますが、両者の大きな違いの1つは課税される税金の種類です。税金の種類が違うことにより、同じ利益でも納める税金の額が変わってきます。
かんたん税金計算シミュレーション」では、事業の売上や経費、事業の想定利益から自分の給与にしたい金額などを入力すると、概算の税金を手軽にシミュレーションできます。個人事業主と法人で納める税金にどれくらいの違いがあるかを把握し、開業スタイルを検討する際の参考にするといいでしょう。

個人事業主は税務署に開業届を提出する

個人事業主として開業する場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書 新規ウィンドウで開く」(開業届)を納税地の税務署に提出する必要があります。開業届の提出期限は、開業から1か月以内です。従業員を雇う場合には、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 新規ウィンドウで開く」も提出しましょう。
また、個人事業主は確定申告を行う必要がありますが、確定申告を青色申告で行えば、最大65万円の青色申告特別控除など、白色申告にはないさまざまなメリットがあります。青色申告を行う場合は、事業開始から2か月以内に「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。事業を開始してから2か月間様子を見て、白色申告にするか青色申告にするかを決めることもできますが、忙しい創業期に手続きを失念しないよう、開業届と共に提出するのがおすすめです。
なお、確定申告の際は、クラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」を使用すれば、提出用書類が自動で作成でき、申告がスムースに行えます。

許認可が必要であれば手続きを行う

業種によっては、開業にあたって許認可が必要です。許認可とは、営業するために必要な手続きのことで、
「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」の5つの種類があります。手続き窓口はその種類によって異なるため、事前に確認しておきましょう。例えば、飲食業や食品製造業などは保健所の許可、ペットショップや旅行業などは都道府県庁への登録、理容業や美容業、マッサージ業、クリーニング業などは保健所への届出が必要です。また、許認可の種類によっては、法人の方がふさわしいものもあります。

個人事業主か法人化の違いや選択基準については、こちらの記事も併せてご覧ください

STEP4. 資金を集める

事業計画や開業形態が固まったら、ビジネスにかかるコストが把握できるので、不足する分については自己資金の追加や融資などを検討しましょう。資金が不足しない場合はコストの漏れやコストの掛けどころを再度確認します。
なお、開業に必要な資金は、大きく分けて「設備資金」と「運転資金」の2つです。それぞれに該当する主なものは下記のとおりです。

設備資金

設備資金とは、店舗やオフィスを借りる場合の敷金や礼金、内装費、家具の他、固定電話やインターネット回線などのインフラ、製造設備など、設備にかかる費用のこと。

運転資金

運転資金とは、家賃、光熱費、仕入れ代金、外注費、通信費、広告宣伝費など、事業を運営していくうえで継続的にかかる費用のこと。

設備資金と運転資金を分けて考えることで、継続的に必要な費用を割り出すことが可能です。開業してすぐは売上があるとは限りません。事業の内容や規模によって異なりますが、運転資金は一般的に3か月分程度を確保しておいた方がよいといわれています。

開業する際には、事業に使える自己資金を確保してスタートさせましょう。資金計画どおりに軌道に乗らなかった場合に備えて、自己資金に加えて、日本政策金融公庫の創業融資制度などを利用し、外部から資金調達をしておくとさらに安心です。外部から資金を調達した場合、その方法によっては返済の義務があります。返済で経営が圧迫されないように、開業に必要な資金の3割以上は自己資金で準備しておくことが大切です。

なお、主な資金調達の方法には、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」などをはじめ、国や地方自治体による補助金・助成金などがあります。

開業の資金については、こちらの記事も併せてご覧ください

STEP5. 事業開始の準備を行う

開業の手続きが完了したら、事業開始の準備を行います。飲食店や小売店などは、必要に応じて店舗の内外装の工事を行い、仕入れ先を確保しましょう。オープンに合わせてアルバイトを雇う場合は、採用活動も必要となります。

また、生活費など事業に関係のないお金と事業用のお金が混同しないよう、事業用に金融機関の口座を作っておきましょう。開業届の控えなどの書類を提出すれば、屋号の入った口座が開設可能です。必要な書類は金融機関によって異なるため、詳細は金融機関にお問い合わせください。

確定申告ソフトなら簿記や会計の知識がなくても確定申告できる

開業後は特にさまざまな作業が発生しますが、その中でも重要なのは「会計業務」です。事業が本格的に動き出してから慌てることのないよう、あらかじめ経理処理の方法を決めておくといいでしょう。すべての経理業務を自分で行おうとすると、本来の事業に割く時間が圧迫されてしまうため、開業のタイミングで確定申告ソフトを導入しておくことをおすすめします。確定申告ソフトを使うことで、簿記や会計の知識がなくてもかんたんに帳簿付けができます。

また、開業した後は、毎年確定申告が必要です。初心者でもかんたんに使えるクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」なら、簿記や会計の知識がなくても確定申告することができます。
確定申告には白色申告と青色申告の2つの方法があり、事前申請の有無や提出書類の数、控除の額などの違いがあります。例えば、青色申告を行うには事前申請が必要です。さらに、確定申告の際に提出する書類の数が多いため、少し手間がかかってしまう点はデメリットでしょう。しかし、税額の計算元となる所得金額が最大65万円控除(減額)されるので、青色申告は節税面で大きなメリットがあります。青色申告を事前申請しない場合は、白色申告を行うことになります。

弥生のクラウド確定申告ソフトなら、白色申告も青色申告もそれぞれ対応しているので安心です。どちらも画面の案内に沿って日付や金額などを入力するだけで、確定申告に必要な書類を自動作成。青色申告特別控除の最大65万円の要件を満たした資料の用意もかんたんです。
やよいの白色申告 オンライン」は、すべての機能が無料で使用できます。また「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料、無料期間中でも全機能が使用できるので、どちらも気軽にお試しいただけます。

開業するにはしっかりとした事前準備を

開業するには、各種の許認可や開業届などの手続きの他にも、準備しなければならないことがたくさんあります。特に飲食店や小売店などの場合、店舗コンセプトや出店エリア、ターゲット層なども検討する必要があります。
また、開業後は、確定申告を行う義務があるため、日々のお金の管理も重要です。開業してから慌てないように、開業準備とあわせて、確定申告ソフトなどの導入も進めていきましょう。

著者:森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル 新規ウィンドウで開くを運営。
URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/ 新規ウィンドウで開く

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