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イラストレーターは開業届を提出すべき?出すタイミングや書き方を解説

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イラストレーターは開業届を提出すべき?出すタイミングや書き方を解説

イラストレーターであっても、事業所得が継続的に発生していれば開業届の提出が原則です。ただし提出のタイミングや、あえて提出を控えた方がよいケースもあります。本記事では、開業届を出すべきかどうかの判断基準とタイミングの目安に加え、書き方や著作権・フリーランス新法の注意点まで解説します。

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イラストレーターに開業届は必要?出す・出さないの判断基準

イラストの制作で収入を得ながら、開業届を出すべきか迷っている方は少なくありません。副業でも継続的な収入があれば原則として提出が必要になる一方、あえて提出を控えた方がよいケースもあります。ここでは、開業届を出す・出さないの判断基準と、提出することで得られる青色申告のメリットについて解説します。

副業でも継続的な収入(事業所得)があれば原則提出が必要

クラウドソーシングやSNS経由でイラスト制作の依頼を受け、継続的に収入を得ている場合、その所得は「事業所得」に該当する可能性があり、その場合は開業届の提出が対象となります。一方で、知人から単発で謝礼程度のイラスト制作を頼まれた場合など、不定期で少額の収入にとどまるケースでは「雑所得」として扱われ、開業届の提出は必須ではありません。

事業所得か雑所得かを分けるポイントは、収入の「継続性」と「営利性」です。帳簿をつけて記録を残し、営利を目的として反復・継続的に受注している実態があれば、本業か副業かにかかわらず事業所得と判断されやすくなります。

事業所得や不動産所得、山林所得を生ずべき事業を開始した場合には、その事実があった日の属する年分の確定申告期限までに「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならないとされています。イラスト制作を事業として継続していく場合は、早めに提出の準備を進めておきましょう。

出さない方が良いケースはある?

開業届の提出にはメリットがある一方、状況によっては提出を急がない方がよいケースもあります。開業届は一度提出すると簡単に取り下げられるものではないため、提出前に自分の状況を確認しておきましょう。

会社を退職して失業保険(雇用保険の基本手当)を受給中、またはこれから受給する予定がある場合は注意が必要です。開業届を提出すると事業を開始しているため「就業状態にある」とみなされ、求職者向けの失業保険を受け取れなくなる可能性があります。

また、配偶者や家族の社会保険の扶養に入っている場合も注意が必要です。開業届の提出や事業による収入の水準によっては扶養の対象から外れ、以降は自分自身で国民健康保険や国民年金の保険料を負担しなければならなくなる場合があります。

該当する可能性がある方は、開業届を提出する前に、ハローワークや加入している健康保険組合に自分のケースがどう扱われるかを確認しておくと安心です。

以下の記事でも詳しく解説しています。

出す主なメリットは青色申告による節税

開業届を提出する主なメリットは、青色申告承認申請書を併せて提出した場合青色申告による節税効果を受けられる点です。

開業届と併せて「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出しておけば、正規の簿記の原則に従って記帳するなどの要件を満たすことで、最大65万円(2027年分から最大75万円)の青色申告特別控除をはじめとした税制上の優遇を受けられます。

また、副業でのイラスト制作が事業所得として赤字になった場合、青色白色にかかわらず給与所得など他の所得と損益通算できる点もメリットです。会社員としての給与所得がある場合、この損益通算によって所得税の負担を軽くできる可能性があります。

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開業届を出すタイミングと遅れた時の扱い

開業届には提出期限がありますが、実際には期限を過ぎてから提出する人も少なくありません。ここでは、提出期限の原則と、遅れた場合の扱いについて解説します。

原則は事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までだが遅れても罰則はない

開業届は、所得税法第229条により、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに納税地の所轄税務署へ提出するのが原則とされています。

とはいえ、提出が遅れたからといって、罰金や過料などのペナルティが科されるわけではありません。開業届の提出義務そのものに強制力を伴う罰則規定はなく、期限を過ぎても税務署から指摘を受けることは基本的にないのが実情です。

ただし、提出が遅れるほど青色申告など各種手続きのタイミングを逃しやすくなるため、事業を始めたら早めに準備を進めることをおすすめします。

「売上が安定してから」「初めて確定申告するタイミング」で出す人も多い

提出期限を過ぎても罰則がないことから、開業届をいつ出すかについて、決まった「正解」があるわけではありません。実際には副業のイラスト制作で得た売上がある程度安定してきた段階や、初めて確定申告を行うタイミングに併せて開業届を提出する人も少なくありません。「まだ収入が少ないうちから届出をするのは気が早いのでは」と感じ、ようすを見てから提出するケースもあるようです。

ただし、開業した年から青色申告の特典を受けたい場合は注意が必要です。開業届の提出を先延ばしにすると、通常はこれと併せて提出する青色申告承認申請書の提出も遅くなるため、青色申告を受けられるタイミングも遅れます。青色申告のメリットを初年度から受けたい方は、開業届と併せて青色申告承認申請書の提出時期も意識しておきましょう。迷ったときは、青色申告のメリットを受けたい年から逆算して提出時期を決めるのがおすすめです。

過去に遡って提出することは可能?

「イラスト制作を始めてからしばらくたつが、まだ開業届を出していない」という方もいるでしょう。開業から数か月、あるいは数年が経過した後でも、開業届を過去の日付に遡って提出すること自体は可能です。

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イラストレーターの開業届の書き方

開業届の様式自体は業種を問わず共通ですが、イラストレーターとして開業する場合、職業欄や事業の概要欄の書き方、屋号の決め方には気を付けたいポイントがあります。順番に見ていきましょう。

職業欄・事業の概要欄の記入例(個人事業税の課否にもかかわる)

開業届の職業欄には「イラストレーター」、事業の概要欄には「企業広告・出版物・Web媒体向けのイラスト制作ならびにキャラクターデザイン業務」のように、実際に手がける業務内容を具体的に記載するとよいでしょう。

この職業欄・事業の概要欄の書き方は、個人事業税の課否にも関わってくる点に注意が必要です。イラスト制作の実態が「デザイン業」や「請負業」に分類されると判断された場合、事業所得が290万円を超える部分について、第3種事業として税率5%の個人事業税が課税されます。

一方で、独自の作品制作を中心とする「画家」など美術の創作活動寄りの業務とみなされれば、個人事業税は非課税となる場合があります。どちらに分類されるかは事業の実態によって判断が分かれるため、依頼を受けて制作する業務が中心であれば、その実態が伝わるように事業の概要欄を具体的に記載しておくことが大切です。

職業欄・事業の概要欄は後から変更することもできますが、開業時点でできるだけ実態に即した書き方をしておくと安心です。

以下の記事でも詳しく解説しています。

屋号の決め方

屋号は開業届に必ず記載しなければならない項目ではなく、空欄のままでも提出できます。ただし、屋号を設定しておくと、請求書や名刺、SNSのアカウント名などに使え、取引先や顧客に事業内容を印象づけやすくなるというメリットがあります。イラストレーターとして活動する場合は、どのようなイラストを手がけているのかがイメージしやすく、覚えてもらいやすい名称を選ぶとよいでしょう。個人名だけで活動するよりも、屋号を掲げた方が「事業として活動している」という印象を持ってもらいやすい面もあります。

屋号を決める際の注意点もあります。「株式会社」「合同会社」など、実際には法人ではないにもかかわらず法人と誤認されるような表現を屋号に含めることはできません。また、既に広く知られている有名企業の名称や、商標登録済みの名称と類似する屋号を使うと、後々トラブルに発展する恐れがあるため避けましょう。屋号を決めたら、SNSのアカウント名やドメイン名など、今後長く使っていく名称として問題がないかも併せて確認しておくと安心です。

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イラスト受注時の注意点|著作権とフリーランス新法

クラウドソーシングなどを通じてイラスト制作の依頼を受ける機会が増えていくと、契約や取引に関するトラブルにも注意が必要になります。駆け出しのうちから、著作権の扱いとフリーランス新法の基本だけは押さえておきましょう。

イラストの著作権は、契約によって発注者へ譲渡することができますが、「著作者人格権」は譲渡できず、制作者自身に残ります。そのため、著作権を譲渡した後であっても、納品したイラストの色や表情などを無断で改変されると、著作者人格権の侵害として問題になる可能性があります。

また、2024年11月に施行されたフリーランス新法により、発注事業者には報酬額や支払期日などの取引条件を書面やメールなどで明示する義務があり、原則として納品後60日以内に報酬を支払わなければならないというルールも定められました。まずはこの2点を知っておくだけでも、不利な取引条件を見抜きやすくなります。

フリーランス新法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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開業届の作成・提出をかんたんにする方法

イラストレーターとして開業届を提出する際は、職業欄・事業の概要欄の書き方が個人事業税の課否にかかわる点と、副業の収入状況等に応じた開業届の出す・出さないの判断基準を押さえておくことが大切です。

「弥生のかんたん開業届」を使えば、画面の案内に沿って入力するだけで、開業届や青色申告承認申請書を無料で作成できます。イラストレーターとして事業を始める方は、ぜひ活用してみてください。

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よくあるご質問

副業の収入でも開業届は必要ですか?

副業であっても、継続的な収入があり「事業所得」に該当する場合は、開業届の提出が原則必要です。単発の謝礼程度で不定期な収入にとどまる場合は「雑所得」として扱われ、提出は必須ではありません。判断のポイントは収入の継続性と営利性で、帳簿をつけて営利目的で反復・継続的に受注していれば事業所得とみなされやすくなります。国税庁の届出制度について詳しくは、国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など新規タブで開く」をご確認ください。

開業届の職業欄はどう書けばよいですか?

開業届の職業欄には「イラストレーター」、事業の概要欄には「企業広告・出版物・Web媒体向けのイラスト制作ならびにキャラクターデザイン業務」のように具体的な業務内容を記載するとよいでしょう。この書き方は個人事業税の課否にもかかわり、「デザイン業・請負業」寄りと判断されると事業所得290万円超の部分に第3種事業として税率5%の個人事業税が課税される一方、「画家」など美術創作寄りとみなされれば非課税となる場合があります。事業の概要欄の書き方について詳しくは「開業届の事業の概要の書き方は?職業欄の具体例や注意点も解説」をご確認ください。

イラスト受注時の著作権はどうなりますか?

イラストの著作権は契約により発注者へ譲渡できますが、「著作者人格権」は譲渡できず制作者自身に残るため、納品後に色や表情などを無断で改変されると著作者人格権の侵害として問題になる可能性があります。また2024年11月施行のフリーランス新法により、発注事業者には報酬額・支払期日などの明示義務があり、原則として納品後60日以内に報酬を受け取れます。フリーランス新法について詳しくは「フリーランス新法とは?制定の背景や実務上の注意点を解説【2026年対応版】」をご確認ください。

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この記事の監修者高崎 文秀(税理士)

高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役。早稲田大学理工学部応用化学科卒。

都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業。現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行う。

高崎 文秀(税理士)

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