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介護事業で会社設立するには?指定申請の要件や費用を解説

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介護事業で会社設立するには?指定申請の要件や費用を解説

介護事業で訪問介護・通所介護などの介護保険サービスを提供するには、原則として法人でなければ「指定居宅サービス事業者」の指定を受けられません。

本記事では、この指定を受けるための人員・設備・運営基準や申請手続きの進め方、会社設立に伴う費用についてまとめて解説します。

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介護事業を始めるには「指定居宅サービス事業者」の指定が必要

介護事業で介護保険サービス(訪問介護・通所介護等)を提供するには、都道府県または市区町村から「指定居宅サービス事業者」の指定を受ける必要があります。指定を受けるための基準と、指定申請は法人でなければ受けられない点について、以下で解説します。

指定を受けるための人員・設備・運営基準

指定居宅サービス事業者の指定基準は、①人員基準②設備基準③運営基準の3本柱で構成されています。例えば訪問介護では、常勤換算で2.5人以上の訪問介護員を配置すると共に、専従の常勤管理者を1人置くことが必須です。

運営基準では、利用者への重要事項説明と同意の取得、虐待防止のための研修の実施、サービス提供記録の2年間保存などが求められます。

事業者が満たすべき人員・設備・運営に関する基準が具体的に定められています。

指定申請は原則法人でなければ受けられない

介護保険法第70条第2項第1号では、指定居宅サービス事業者として申請できるのは原則として法人に限られており、個人事業主は指定を受けられないと定められています(病院・診療所が行う一部のサービスは例外です)。

個人事業主のままでも実施できるのは、介護保険の適用を受けない自費サービスに限られ、介護報酬(保険給付)を得る事業を行うことはできません。

居宅サービス事業を行う者が都道府県知事の指定を受けるにあたり、原則として法人であることが求められる旨が規定されています。

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介護事業で会社設立する際のポイント

介護事業で会社を設立する際は、定款の事業目的の書き方と、指定を受けずに個人でも行える自費サービスとの違いという2つのポイントを押さえておく必要があります。それぞれの内容を順番に解説します。

定款の事業目的に介護保険法に基づく居宅サービス事業等を明記する

介護事業で会社を設立する場合、定款の事業目的欄には「介護保険法に基づく居宅サービス事業」「介護保険法に基づく居宅介護支援事業」等を明記しておく必要があります。事業目的にこれらの記載がないと、指定申請の審査を通過できないため、注意しましょう。

訪問介護・通所介護などサービス種別を個別に列挙するか、包括的な表記にまとめるかは、自治体によって運用が異なります。定款の作成段階で表記の仕方を誤ると、後から修正が必要になり、指定申請のスケジュールに影響が出かねません。会社設立前の早い段階で、指定申請を行う管轄窓口へ記載方法を確認しておくとよいでしょう。

以下の記事でも詳しく解説しています。

個人でも介護保険適用外の自費サービスなら開業できる

介護保険の指定を受けず、家事代行や外出時の付き添いといった自費サービス(介護保険が適用されない自由診療的なサービス)に限定するのであれば、法人化せず個人事業主のままでも開業は可能です。指定申請の手続きや人員基準を満たす必要がないため、比較的少ない準備で事業を始められる点が特徴です。

ただし、自費サービスのみでは提供できるサービスの範囲や利用者数に限りがあり、事業規模を大きく広げにくい面もあります。介護報酬(保険給付)を得る本格的な事業展開を目指す場合は、指定を受けるために法人化が前提となるため、事業計画の早い段階から会社設立を検討しておく必要があります。

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訪問介護における人員要件と人材確保のポイント

訪問介護事業を運営するには、管理者・サービス提供責任者・訪問介護員の配置基準を満たす必要があります。人員基準の内容と、有資格者の採用・育成や人材不足への対応策という2つのポイントについて解説します。

管理者・サービス提供責任者・訪問介護員の配置基準

訪問介護事業所では、サービス提供責任者は常勤1名以上の配置が原則必須ですが、利用者数(40人ごと)に応じて必要となる員数については常勤換算方法(非常勤との組み合わせ等)での配置も認められています。また、訪問介護員についても常勤換算で2.5人以上の配置が求められます。利用者数が増えるほど、必要な人員数も比例して増えていくしくみのため、事業計画の段階で見込み利用者数に応じた人員数を試算しておく必要があります。

サービス提供責任者には、介護福祉士または実務者研修修了者等であることといった資格要件も定められており、だれでも担当できるわけではありません。併せて、事業所ごとに専従の常勤管理者を1名配置しなければなりませんが、管理者はサービス提供責任者等と兼務できる場合があります。

これらの人員基準を満たせないまま指定申請を行うと、審査を通過できません。開業直前になって人員が不足していることに気付くと、事業開始のスケジュールが大きく後ろ倒しになりかねないため、開業前の段階から必要な人材の確保・採用計画をあらかじめ立てておくことが重要です。人員配置は指定後も継続して維持しなければならない基準であるため、採用だけでなく定着に向けた職場環境づくりも併せて検討しておくとよいでしょう。

有資格者の採用・育成と人材不足への対応策

サービス提供責任者や管理者には、介護福祉士・実務者研修修了者・介護支援専門員等の資格要件が定められています。開業前に必要な人数の有資格者を確保すると共に、開業後の退職や休職に備えた採用・育成計画を継続的に立てておく必要があります。

介護業界は慢性的な人材不足にあるため、求人媒体の活用や処遇改善加算による待遇の向上など、採用力を高める工夫も欠かせません。人材の確保が難しいまま開業してしまうと、人員基準を満たせず運営に支障が出る恐れもあるため、採用活動は事業計画の早い段階から着手しておくとよいでしょう。

なお、介護職員初任者研修課程等を修了し実務経験を有する特定技能外国人は、訪問系サービスへの従事が認められています。国内での人材確保が難しい場合の選択肢の1つとして、外国人材の活用も検討するとよいでしょう。人材の確保・育成・定着は、開業後の事業運営を安定させるうえでも継続的に取り組むべき重要な課題です。

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指定申請の手続きの流れ

介護事業の指定申請は、申請書類の準備から指定後の指導監査への対応まで、一連の流れに沿って進める必要があります。ここでは、STEP1からSTEP3までの3段階に分けて、手続きの流れを解説します。

STEP1|申請書類一式を準備する

指定申請にあたっては、以下の書類一式を準備します。

  • 指定申請書
  • 運営規程
  • 従業員の資格証・雇用契約書の写し
  • 事業所の平面図・設備概要
  • 定款の写し・登記事項証明書

いずれも指定申請の審査で確認される重要な書類であり、記載内容に漏れがあると申請そのものが受理されない場合もあります。これらの書類に不備があると、申請の受理自体が遅れてしまうため、提出前に内容をよく確認しておきましょう。特に従業員の資格証や雇用契約書は、開業までに必要な人材を確保できていることが前提となるため、書類準備と並行して採用状況も確認しておく必要があります。書類の準備には一定の時間がかかるため、開業予定日から逆算して余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

STEP2|都道府県・市区町村へ申請し審査を受ける

申請書類一式がそろったら、都道府県または政令市・中核市へ申請します。申請先は、提供するサービスの種別によって異なるため、事前にどの窓口が管轄になるかを確認しておく必要があります。

審査には一定の期間を要し、多くの自治体では申請月の翌々月1日付けで指定されるなど、指定日についてもルールが定められています。指定日を過ぎてからの営業開始はできないため、申請から指定までの期間を見込んだうえで、申請のスケジュールは事業開始を予定する時期から逆算して立てるようにしましょう。

STEP3|指定後は定期的な指導監査への対応が必要

指定を受けた後も、運営基準を満たしているかどうかを確認する実地指導・監査が定期的に行われます。指定を受けて終わりではなく、事業を継続する間はこうした確認が繰り返し行われる点を理解しておく必要があります。

記録の不備や運営基準違反が見つかると、指定取消などの行政処分につながる可能性もあるため、指定後も運営基準を満たす体制を維持し、日々の記録や研修の実施状況を適切に管理しておくことが大切です。指導監査への対応は、事業を長く継続していくうえで欠かせない取り組みといえます。

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介護事業の会社設立にかかる費用と資金計画

会社設立そのものにかかる一般的な費用は他の業種と共通していますが、介護事業ならではの費用要素もあります。ここでは、介護事業に特有の費用と資金計画の考え方について解説します。

設立費用・申請手数料・設備コストと運転資金の考え方

介護事業で会社を設立する場合、法人設立費用(登録免許税・定款認証等)に加えて、以下のような費用がかかります。

  • 指定申請手数料
  • 人員確保・研修費用
  • 設備基準を満たすための事業所の賃借費用や什器・備品費用

一般的な会社設立費用に、これらの介護事業特有の費用が上乗せされる形になるため、資金計画を立てる際は両方を合わせて見積もっておく必要があります。

また、介護報酬は請求してから入金されるまでに2〜3か月のタイムラグがあります。開業後しばらくは介護報酬による収入が入らない期間が続くため、その間の人件費や諸経費を支払えるよう、人件費数か月分等の運転資金もあらかじめ見込んでおく必要があります。資金繰りの見通しが立たないまま開業すると、指定後の運営に支障が出かねないため、開業前の資金計画の段階で十分な運転資金を確保しておきましょう。

以下の記事でも詳しく解説しています。

会社設立手続きの費用と手間を抑える方法

会社設立手続きにかかる費用や手間を抑えたい場合は、「弥生のかんたん会社設立」をぜひご活用ください。画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、会社設立に必要な書類を作成できます。

なお、「弥生のかんたん会社設立」で対応できるのは会社設立に関する手続きであり、介護保険の指定申請そのものを代行することはできない点に注意しましょう。指定申請は、別途、都道府県・市区町村の窓口で手続きを行う必要がある点も併せて押さえておきましょう。

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人員・指定要件を満たして介護事業の会社設立を進めよう

介護事業では、訪問介護や通所介護といった介護保険サービスを提供するために、原則として法人でなければ「指定居宅サービス事業者」の指定を受けられません。指定を受けるには、人員基準・設備基準・運営基準を満たしたうえで、定款の事業目的への明記や指定申請の手続きを進める必要があります。人員確保や費用計画も含めて準備を整え、着実に介護事業の会社設立を進めていきましょう。

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よくあるご質問

介護事業は個人事業主でも開業できますか?

介護事業では、原則として個人事業主のまま指定を受けることはできません。介護保険法第70条第2項第1号により、指定居宅サービス事業者として申請できるのは原則として法人に限られており、個人事業主は指定を受けられないと定められています(病院・診療所が行う一部のサービスは例外です)。個人事業主のままでも実施できるのは、介護保険の適用を受けない自費サービスに限られ、介護報酬(保険給付)を得る事業を行うことはできません。指定の要件について詳しくは「介護保険法第70条第2項第1号(e-Gov法令検索)新規タブで開く」をご確認ください。

訪問介護の人員配置基準を教えてください

訪問介護事業所では、サービス提供責任者は常勤1名以上の配置が原則必須ですが、利用者数(40人ごと)に応じて必要となる員数については常勤換算方法(非常勤との組み合わせ等)での配置も認められています。また、訪問介護員についても常勤換算で2.5人以上の配置が求められます。サービス提供責任者には、介護福祉士または実務者研修修了者等であることといった資格要件も定められており、事業所ごとに専従の常勤管理者を1名配置しなければなりません(管理者はサービス提供責任者等と兼務できる場合があります)。人員基準について詳しくはこちらをご確認ください。

介護事業の開業費用はいくらですか?

介護事業で会社を設立する場合、法人設立費用(登録免許税・定款認証等)に加えて、指定申請手数料・人員確保や研修費用・設備基準を満たすための事業所の賃借費用や什器備品費用がかかります。また、介護報酬は請求してから入金されるまでに2〜3か月のタイムラグがあるため、開業後の人件費数か月分等の運転資金もあらかじめ見込んでおく必要があります。会社設立費用について詳しくは「会社設立費用はいくら?株式会社・合同会社の法人設立費用を比較解説」をご確認ください。

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この記事の監修者高崎 文秀(税理士)

高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役。早稲田大学理工学部応用化学科卒。

都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業。現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行う。

高崎 文秀(税理士)

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