請求業務とは?作業フローや大変な理由、効率化する方法を解説
監修者: 高崎文秀(税理士)
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請求書の発行や入金確認を中心とした請求業務は、事業のキャッシュフローを支える重要な業務の1つです。その一方で、請求業務は確認事項や必要な手続きが多いため、経理担当者や作業者にとって大きな負担になっていることも少なくありません。
そこで本記事では、請求業務の概要や作業フローの他、そこで直面しがちな課題や業務効率化の方法をわかりやすく解説します。
請求業務とは?
請求業務とは、商品・サービスの売手側が、その代金を回収するために行う一連の業務のことです。請求書の発行が代表例ですが、それ以外にも入金確認や未入金時の催促など、多岐にわたるタスクが含まれます。
請求業務は、商品やサービスの提供を実際の利益に結びつけるために不可欠であり、その業務が滞ると、キャッシュフローに重大な悪影響を及ぼしかねません。請求書の不備などで取引先(買手側)に迷惑がかかり、信頼関係が崩れてしまう恐れもあります。そのため、請求業務の担当者には、正確な知識と強い責任感が求められます。
請求業務の一般的な流れ・作業フロー
請求業務は大まかに以下の流れで行われます。
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1.請求金額を確定させる
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2.請求書を発行して送付する
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3.買手側からの入金を確認して消込処理をする
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4.未入金があれば買手側に伝えて入金を依頼する
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以下では、それぞれの作業フローでの仕事内容を解説します。
1. 請求金額を確定させる
請求業務の第一歩は、請求金額を正確に確定することです。まず、買手側ごとに契約内容や取引内容をしっかりと確認し、単価や数量、取引日などを基に請求金額を計算します。請求金額のミスは信頼関係の損失につながるため、慎重な確認が欠かせません。
請求方法は大きく「都度請求」と「掛売方式(締め請求)」に分かれます。
都度請求は、取引が発生するたびに請求を行う方法です。それに対して、掛売方式(締め請求)はあらかじめ取り決めた期間ごとに、まとめて請求を行う方法です。例えば「毎月末締め」であれば、月末までの取引を一括で請求します。
請求のタイミングや締め日は、取引先ごとに異なる場合があるため、契約段階でしっかり合意しておくことが重要です。
なお、締め日の詳細や請求のタイミングについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
2. 請求書を発行して送付する
請求金額が確定したら、次は請求書を発行・送付します。ただし、企業によっては、買手側に送付する前に、上長などから承認を得ることが必要な場合もあります。
請求書の送付方法としては、郵送やFAX、メール添付、クラウドサービスなどを通じた電子交付などが挙げられます。いずれにしても、買手側の必着日に間に合うように、余裕をもって送付することが重要です。
なお、請求書を適格請求書(インボイス)として交付する場合は、控えを作成し、インボイス制度に従った方法で保存しなければなりません。これを怠ると、原則的に買手側が仕入税額控除を受けられなくなります(買手側が消費税の簡易課税制度を選択した場合を除く)。したがって、取引先との信頼関係を守るためにも、適切に処理しましょう。
また、メール添付など電磁的方法で請求書を交付する場合は、電子帳簿保存法における「電子取引」に該当します。この場合、電子帳簿保存法で定められた仕方でのデータ保存が必要です。
簡易課税制度や、電子帳簿保存法に対応した請求書の保存方法についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
3. 買手側からの入金を確認して消込処理をする
請求書の送付後、指定の支払期日までに買手側から入金があるかどうかを確認します。その際に注意したいのは、入金の有無だけでなく、入金額が請求金額ときちんと一致しているかどうかも必ず確認することです。もし金額に過不足がある場合は、買手側に確認し、返金対応や追加の支払依頼など必要な対応を行います。
実際に入金を受けるまで、請求金額は帳簿上、まだ代金を回収できていない「売掛金」として管理されます。入金が確認できたら、売掛金を回収できたことを帳簿上で示すために「消込処理」を行いましょう。消込処理を怠ると、未回収金の見落としや二重請求などをしてしまう可能性があるため、確実に対応することが大切です。
消込について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
4. 未入金があれば買手側に伝えて入金を依頼する
支払期日を過ぎても入金が確認できない場合は、迅速に原因を特定し、適切に対応する必要があります。まずは請求書の送付忘れや誤送付など、自分側(自社・自事業)に不備がなかったか確認しましょう。金融機関のシステムメンテナンスや不具合が原因の場合もあるため、その点もチェックします。
もし未入金が、自分側や金融機関の事情などの原因が見当たらなければ、買手側に状況を確認するため、メールや電話で現状確認の連絡をし、改めて入金を依頼します。メールで入金の催促をする場合は、事前にテンプレートを作成しておくと便利です。
未入金時の催促メールの文例については、以下の記事で紹介しています。ご参考にしてください。
請求業務における課題・大変な理由
請求業務は、しばしば大変な業務だと言われます。その理由は、請求業務が以下のように煩雑な手間を要する作業だからです。
作業に時間や手間がかかる
請求金額の計算から請求書の発行・送付、入金確認まで、請求業務には多くの時間と労力がかかります。納品・請求・入金など、取引が発生するたびに帳簿への転記作業も必要になり、これも決して軽視できません。特に手書きや手計算、エクセルなどの表計算ソフトを使って請求業務を行っている企業では、その業務負担が大きくなりがちです。
また、請求業務は取引先(買手側)ごとに個別対応する必要があるため、取引先が増えるほど手間が増えるのも厄介な点です。専任の担当者がいればまだしも、営業担当者が兼任している場合や個人事業主の場合などは、請求業務の負担によって本来の業務に支障をきたしてしまうこともあります。
人的ミスが発生しやすい
手間の多さとも密接に関係する課題として、人的ミスが発生しやすいことも挙げられます。特にアナログな方法で請求業務を行っていると、集計ミスや、請求金額や取引先名の転記ミス、入力漏れ、二重発行など、さまざまなミスが起こりがちです。
例えば請求書の記載内容に不備があった場合、再発行に伴う追加の手間が発生するだけでなく、買手側との信頼関係にも悪影響が出かねません。そのため、多くの経理担当者はダブルチェックなどを徹底し、請求業務を慎重に処理しています。しかし、このような注意深さを常に要求されることが、担当者の心身の負担にもつながっています。
書類の保存・管理にコストがかかる
発行した請求書や関連書類を長期間にわたって適切に保存することも重要な請求業務の一部です。特に紙の請求書の場合、保管スペースの確保やファイリングの手間などが大きな課題になります。郵送時の宛名書きや封入、切手の貼付などの作業も軽視できない負担です。
近年は電子取引(電子請求書)も増加していますが、この場合も電子帳簿保存法の要件を満たすために、システム整備や運用ルールの策定などの新たな課題が生じます。
請求書の保存期間や、電子請求書の保存方法などについては、以下の記事を参考にしてください。
入金の確認や未入金の回収が必要である
請求業務においては、請求書の発行後に入金の有無やその金額をきめ細かく確認する必要があります。多くの取引先を抱えていたり、入金日が分散したりしている場合、この確認作業は特に煩雑になりがちです。
さらに、予定通りに入金がなされなかった場合は、原因を調査し、買手側に連絡を取って入金を催促する必要があります。未回収金の発生は、資金繰りの悪化などの経営リスクに直結する深刻な問題です。また、取引先に入金を催促すること自体も、経理担当者にとっては非常に神経を使う業務となります。これらの点から、未入金の対応はストレスを感じやすい業務の1つです。
最新の法令への対応が求められる
請求業務には、消費税法や法人税法・所得税法をはじめ、数多くの法令が関係しています。特に近年は、インボイス制度の施行や電子帳簿保存法の改正など大きな変化が続いており、請求業務担当者はその対応に頭を悩ませることになりました。
こうした最新法令の対応にあたっては、請求書のフォーマット変更や保存方法の整備、業務フローの見直し、従業員の教育など数多くの負担が発生します。最新法令を絶えずチェックし、対応し続けることは経理担当者にとって大きな課題です。
不正や横領のリスクがある
請求業務は金銭を直接扱うため、従業員による不正や横領のリスクも無視できません。特に手作業に依存していたり、属人化したりしている場合、不正な処理が行われやすくなります。具体的には、請求担当者が請求書を発行せずに取引先へ直接支払いを請求し、そのお金を着服するなどです。
こうしたリスクを減らすためには、システム導入による業務の標準化や、承認プロセスの強化、担当者の定期的な入れ替え、二重チェック体制の徹底など、不正を防ぐしくみづくりが重要です。
請求業務を効率化する方法
請求業務には数多くの課題があり、担当者を悩ませています。業務負担を軽減するためには、以下の方法を参考に業務効率化を推進するのが重要です。
業務フローを見直し、無駄な工程を削減する
まず取り組みたいのが、現行の業務フローの見直しです。請求業務の各工程を洗い出し、手作業で行っている部分、時間や手間がかかっている部分などをチェックします。
このように最初に業務フローの課題を見える化することで、改善すべきポイントが明確になり、業務効率化を進めやすくなります。業務の重複や待ち時間の発生など、無駄が多いと判断できる工程に関しては積極的に削減していきましょう。
外部に委託して負担を減らす(アウトソーシング)
請求業務そのものをアウトソーシングするのも検討する価値があります。請求代行サービスを活用すれば、請求書の作成や発行、送付・管理、場合によっては入金確認や未回収金の回収、与信管理まで、幅広い業務を委託できます。
外部委託は、業務負担の軽減だけでなく、管理コストの削減にも効果的です。代行業務の対応範囲は業者ごとに異なりますので、どこまでの業務を外注したいか希望を明確にし、そのニーズに合致するサービスを選択しましょう。
ペーパーレス化する
請求書や関連書類をペーパーレス化することも有効な方法です。ペーパーレス化すれば、郵送やファイリングが不要になり、保管スペースの問題も解決できます。また、電子化によって検索性や業務スピードが向上することも期待できます。
これらの効果は業務効率化やコンプライアンスの強化、管理コストの削減などに役立つものです。なお、買手によっては紙の請求書を希望する場合もあるため、ペーパーレス化する際は先方から合意を得ておくことを推奨します。
請求業務を支援するシステム・ツールを導入する
請求業務を根本的に効率化するためには、請求書作成ソフトなどの請求業務を支援するシステム・ツールを導入するのがおすすめです。
こうしたシステムを活用することで、請求書の作成・送付・入金管理・消込処理といった一連の作業を自動化できます。自動化によって人的ミスの削減や属人化の解消も実現できるため、業務品質の向上や業務の標準化にも効果的です。
近年はクラウド型の支援ツールも増えています。クラウドシステムなら社外からもアクセスできるため、テレワークにも対応可能です。インボイス制度や電子帳簿保存法などに対応したシステムを選べば、法令対応の面でも安心できます。
自社に合った請求業務効率化の方法を見つけよう
請求業務には、請求金額の計算から入金の対応まで多岐にわたる業務が含まれます。各工程では慎重な確認を要することが多く、手間や時間がかかりがちです。
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この記事の監修者高崎文秀(税理士)
高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役
早稲田大学理工学部応用化学科卒
都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業し、現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また通常の税理士業務の他、一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行っている。
