請求書には発行者の住所が必要?書き方や注意点について解説
監修者: 高崎文秀(税理士)
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請求書を発行する際、「自社や自事業所の住所は記載する必要があるのだろうか」と迷うことがあります。住所を記載して身元を明らかにすることは事業者の存在や実態を確認しやすくなるため取引先との信頼構築に役立ちますが、自宅を事務所としている場合、「個人情報を公開したくない」と悩むこともあるでしょう。実際には、請求書に住所を記載することは法律上の義務ではありません。本記事では、請求書に住所を記載するメリットや、住所なしで請求書を発行する方法など、請求書の発行業務に役立つポイントを詳しく解説します。
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法律上は、請求書に発行者の住所記載は必要ない
請求書には、だれが発行したものなのかがわかるように発行者の情報を記載します。しかし民法や消費税法など、請求書に関する主要な法律では、発行者の住所や電話番号の記載を義務付けてはいません。国税庁が定める「適格請求書等の記載事項」においても、記載が求められているのは「発行者の氏名または名称」「登録番号」などであり、発行者・受領者ともに住所や電話番号は必須項目ではありません。しかし、実務上では住所を記載することが一般的です。
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参照:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項
」
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請求書に住所を記載する理由
請求書に、必須項目ではない住所を記載することが慣例となっている理由は、いくつかのビジネス上のメリットがあるためです。
取引先からの信頼につながるため
請求書への住所記載は必須ではありません。しかし事業者情報の一つとして、住所を明示することは商取引において一般的な慣習になっています。特に請求書は金銭の授受に関わる書類であるため、事業者の所在地が明確であることは「実在性の確認」につながり、相手に安心感を与える要素のひとつになり得ます。
特に近年は、オンライン上で完結する取引も増え、直接顔を合わせる機会がないケースも多くなっています。そのため、請求書に住所を記載しておくことで、「連絡がつく事業者である」「所在が明らかな事業者」であるという基本情報を示せるので、スムーズな取引や信頼にもつながるでしょう。
もちろん対面取引であっても、請求書は金銭のやり取りに関わる正式な書類のため、住所を記載することで相手に安心感を与えられます。
取引先の事務作業への配慮のため
企業・団体から業務委託を受けるフリーランスなどの個人事業主、法人の場合、請求書に住所を記載しておくことで、先方が契約書や支払調書、支払証明書といった書類を送付する際にも役立ちます。請求書は一定期間保存が必要なため、担当者が変わった場合でも自社・自事業の基本的な情報を把握してもらいやすくなります。
そのため、取引から時間が経過した後に何らかの書類送付が必要になった際にも、先方が請求書などの金銭のやり取りに関する情報から参照できるので、円滑に対応してもらえることもあるでしょう。住所記載が難しい場合でも、電話番号やメールアドレスなど連絡が取れる手段を記載しておけば、安心です。
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自宅住所の公開を控えたいときの対処法
個人事業主や一人社長の法人は自宅を事務所としているケースも多く、たとえクライアント相手であっても、住所を公開することに心理的な負担を感じる人は少なくありません。ここでは、そのような場合の対処法を紹介します。
バーチャルオフィスを利用する
自宅の住所を公開したくない場合は、バーチャルオフィスを利用する方法があります。バーチャルオフィスとは、事業用の住所を貸し出すサービスで、実際にオフィスを構えなくても法人登記や請求書への住所記載が可能です。転送サービスに対応している場合は、バーチャルオフィスの住所に届いた郵便物を転送してもらったり、来店して受け取ったりすることもできます。
料金は一般的に月額制で、実際のオフィスを借りるよりも費用を抑えることができるため、ネットショップ運営者や固定費を抑えたい事業者に人気です。ただし、業種や取引先によってはバーチャルオフィスの住所を利用することで、実在性がわかりにくいと感じて、やや不安を抱く相手先もいます。そのため、バーチャルオフィスを利用する際は、事業内容や連絡手段を明確に示すなど、信頼性を補う工夫をしておくと安心です。
シェアオフィスやレンタルオフィスを利用する
住所のみの借用でなく、シェアオフィスやレンタルオフィスを利用し、自宅以外に事務所を構える方法もあります。シェアオフィスとは、複数の利用者でオフィス空間やデスク、コピー機などの設備を共有する施設です。
法人登記にシェアオフィス/レンタルオフィスの住所を使うこともできますが、シェアオフィス/レンタルオフィスのサービスによって対応範囲が異なるため、契約内容を事前に確認しましょう。レンタルオフィスの場合は、鍵付き専有スペースを利用できることが一般的です。仕事道具を保管したい場合や、複数人で利用したい場合に便利です。事業拡大にも対応できます。
シェアオフィス/レンタルオフィスはバーチャルオフィスと同じように住所を借りられるだけでなく、実務に使える作業スペースを借りられるのが特徴です。
シェアオフィスについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
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請求書の住所の書き方
請求書に住所を載せる場合のルールは特に設けられていませんが、書類の右上に電話番号やメールアドレスなどの連絡先とともに記載するのが一般的です。ここに記載する連絡先は問い合わせ時に使用されることもあるため、連絡が取りやすく、かつ正確な情報を記載しましょう。
また、押印は必須ではありませんが、請求書が原本であることの証明や偽造防止のために求められることがあります。社印や角印を押す場合は、法人名や屋号にかかる位置に押印しましょう。
請求書への押印については、以下の記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
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請求書の住所での注意点
実際に請求書を発行する際には住所をどのように扱うべきなのか、注意点をみていきましょう。
住所を記載すべきか取引先に確認しておく
請求書には発行者の住所を載せる義務はないものの、信頼できる事業者である証として記載することが一般的です。請求書に住所を記載することをビジネスマナーと考える人も多いため、記載なしの状態で発行すると、記載漏れやマナー違反と受け取られることもあります。
しかし、自宅を事務所としている場合など、住所を伝えることに不安を感じるケースもあります。その場合は、事前に取引先に相談して事情を伝え、住所を記載しないことについての同意を得ておきましょう。そのうえで書類や物品のやり取りに支障が出ないよう、住所の取り扱いについてあらかじめ確認しておくと安心です。
郵送時は封筒にも住所を記載する
請求書を郵送する際は、封筒の差出人欄に、送り主の郵便番号を含む住所、氏名または屋号を記載します。これは郵便物を送る際のマナーであり、万が一宛先を間違えたり切手の額が不足していたりした場合、送り主へ返送されるときにも役立ちます。その一方で、電子メールで送る場合はこういった郵送上の心配はありませんが、住所を含む事業者情報を明示することで、取引先に安心感を与えられます。
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請求書の無料エクセルテンプレート
請求書を作成する際は、必要事項を入力するだけのテンプレートを利用すると手間が省けます。弥生のクラウド請求書作成ソフト「Misoca」のウェブサイトでは、無料で利用できるエクセルテンプレートを公開しています。適格請求書(インボイス)または従来型(区分記載請求書)の2種類から選択でき、住所を入れないなどのカスタマイズも可能です。テンプレートを利用することで、本格的で見やすい請求書を効率的に作成できます。
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請求書の住所に関するよくある質問
請求書に住所の記載に関するよくある疑問と、その回答をまとめて紹介します。
適格請求書(インボイス)には住所を記載する?
適格請求書発行事業者の場合、請求書に必要な事業者情報は「氏名または名称(登録名)」と「登録番号(T+13桁)」で、住所は必須ではありません。ただし、登録番号に誤りがあると正式な書類として認められず、取引先が仕入税額控除を受けられなくなるため注意しましょう。また、登録名が個人名であるのにもかかわらず、請求書に屋号のみを記載すると、照合が難しくなります。登録名と異なる名称で請求書を発行する場合は、登録名と結びつけられるように、住所や電話番号も記載しておくと安心です。
適格請求書については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
- 参照:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項
」
請求書には取引先の住所を記載しなければならない?
請求書は、発行者や受領者(取引先)の住所がなくても正式な書類として成立します。これは適格請求書(インボイス)でも同様です。ただし一般的には、取引先の住所も記載したうえで発行します。特に、窓付き封筒で郵送する際には、請求書に記載された住所をそのまま宛名として使用できるため、非常に便利です。このような実務上の利便性から、多くの事業者では、発行者・受領者(取引先)双方の住所を請求書に記載しています。
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【事例紹介】メール送信機能と郵送代行サービスで請求書送付を効率化
クラウド請求書作成ソフト「Misoca」では、請求書が簡単に作成できるだけでなく、メール送信機能や郵送代行サービスを使った送付も行えます。メールで送る場合は、請求書作成から宛先の入力、送信までが「Misoca」で完了するため、請求業務の効率化につながります。郵送する場合も、送付先を入力して「郵送手続き」をクリックするだけでよく、封入や投函の作業が不要になるため、大幅な時間短縮が可能です。
ある老舗洋菓子店では、法人向けに贈答品や引き出物としての注文を受けており、その際に納品書と請求書を発行しています。これまで手書きで行っていましたが、「Misoca」のメール送信機能や郵送サービスを活用して、納品書や請求書作成の効率化を実現しました。「Misoca」は直感的な操作ができるうえ、会計ソフトとも連携でき、請求書の内容をそのまま仕訳データに反映できる点も魅力です。
「Misoca」の導入事例については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
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請求書の住所に関するよくある質問
請求書に記載する住所について、よくある質問を一問一答形式でまとめました。
請求書で住所はどこに記載しますか?
請求書に住所や電話番号、メールアドレスなどを載せる場合は、一般的に発行者の情報を右上に、受取人の情報を左上に記載します。
請求書における住所の書き方については、こちらを参照してください。
住所の記載がない請求書も法的効力がありますか?
請求書に住所が記載されていなくても、有効な書類として認められます。民法では請求書の発行自体を義務付けておらず、また、実質的に「請求書に記載すべき項目」を定めている適格請求書(インボイス)に関しても、消費税法第57条の4において「氏名または名称」と「登録番号(T+13桁)」が正しく記載されていれば、所の記載がなくても法的な問題はないとしています。
- 参照:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項
」
- 参照:e-Gov 法令検索「消費税法 第五十七条の四(適格請求書発行事業者の義務)
」
請求書における住所記載の必要性について、詳しくはこちらを参照してください。
請求書に住所を記載する場合のプライバシー対策はありますか?
自宅住所の記載に抵抗がある場合は、バーチャルオフィスを利用して住所を借りる方法や、レンタルオフィスやシェアオフィスを借りて自宅以外にオフィスを設ける方法があります。詳しくはこちらを参照してください。
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請求書作成サービスで請求業務を効率化しよう
請求書に住所の記載は必須ではありません。適格請求書(インボイス)であっても、「氏名または名称」と「登録番号」があれば正式な書類として問題ありません。その一方で、住所を記載しておくとことで取引先との信頼関係構築に役立つほか、郵送時の利便性が高まるなど、業務効率化につながります。自宅住所を記載したくない場合は、バーチャルオフィスやレンタルオフィスを利用する選択肢もあります。
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この記事の監修者高崎文秀(税理士)
高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役
早稲田大学理工学部応用化学科卒
都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業し、現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また通常の税理士業務の他、一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行っている。

