仮想通貨(暗号資産)取引は確定申告が必要?税金の計算方法や申告方法

2024/02/29更新

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この記事の監修田中卓也(田中卓也税理士事務所)

仮想通貨(暗号資産)の取引を行って利益が出た場合は、所得税の確定申告をしなければならない可能性があります。仮想通貨の売却だけでなく、仮想通貨で商品の購入や別の仮想通貨に交換を行った場合も「利益が出た」とみなされることがあるため、申告漏れがないように気をつけましょう。

ここでは、仮想通貨の取引で確定申告が必要かどうかの判断基準と税金の計算方法の他、申告方法や申告時の注意点などについて解説します。

仮想通貨(暗号資産)取引で確定申告が必要なものと不要なもの

仮想通貨の取引は、確定申告が必要なものと、必要ないものに分かれます。どのようなときに申告が必要なのか、仮想通貨を使った場合と受け取った場合に分けて解説します。

仮想通貨を買った・使った場合

仮想通貨を自身で購入し、保有し、売却するなどした場合、所得税の確定申告が必要になる可能性があるケースと、不要なケースがあります。取引の場面別の確定申告の要否を、一覧にまとめました。

なお、ここでは仮想通貨の取引だけで生計を立てている人は少ないと思いますので、下記一覧は、「給与所得のほかに仮想通貨取引がある」ということを前提にとりまとめたものとご理解ください。

仮想通貨を買った・使った場合の確定申告の要否
取引内容 所得税の確定申告の要不要
仮想通貨を買った 不要
仮想通貨を保有している 不要(含み益があっても確定申告は不要)
仮想通貨を売却して現金を受け取った 20万円を超える利益が出た場合や、そのほかの所得との合計額が20万円を超えたら必要
仮想通貨で商品代金等を支払った 商品代金等を支払うために仮想通貨を売却したとみなされる。仮想通貨を売却した額が所得時の価額より20万円を超えたら必要
仮想通貨で別の仮想通貨を買った(交換した) 別の仮想通貨を購入するために、仮想通貨を売却したとみなされる。仮想通貨を売却した額が所得時の価額より20万円を超えたら必要
マイニングやレンディングで報酬を受け取った 受け取った報酬が20万円を超えた場合は必要

仮想通貨を購入しただけ、保有したりしているだけの方は所得が発生しないため、所得税の確定申告は不要です。また、仮想通貨の分裂(分岐)に伴い、新たに誕生した仮想通貨を取得した場合も、その時点では課税対象となる所得は生じませんので、所得税の確定申告は不要です。

一方、仮想通貨を売却したり、仮想通貨で商品を購入や別の仮想通貨を買う(交換)のに使ったりした場合と、仮想通貨によって発生した報酬を受け取った場合には、所得税の確定申告が必要な可能性があります。

これらのうち、所得税の確定申告をしなくても良いのは、下記の2点を両方満たす方です。

仮想通貨の売却等をしても確定申告が不要になるケース

  • 給与所得者の場合、年末調整を受けた給与所得以外の所得の合計(仮想通貨の利益を含む。副業の給与収入は所得ではなく収入で加算)が20万円以下
  • 仮想通貨以外の所得がない場合は、仮想通貨等の利益の合計が年間48万円以下

仮想通貨の売却をした場合、所得税の確定申告をしている個人事業主や、給与所得以外の年間所得が20万円を超える会社員は、所得税の確定申告で仮想通貨の利益を申告・納税することが必要となります。

反対に、仮想通貨で得た利益が20万円以下の会社員で年末調整をしていて、確定申告を行わない方などは、仮想通貨で発生した利益に対して所得税の確定申告は不要となります。しかし、給与所得の会社員でも給与所得以外で1円でも利益がある場合は、住民税の申告が必要なので、注意しましょう。なお、仮想通貨で得た利益は、購入時のレートと売却時(または利用時)のレートの差額で判断します。

また、仮想通貨取引をしていても利益が出ていない場合は、所得税の確定申告は不要です。詳細は後述しますが、原則、仮想通貨取引の損失は他の所得との損益通算ができないため、赤字であれば申告する必要がないのです。なお、仮想通貨取引で発生した損失は、翌年以降に繰越はできません。

一方、仮想通貨取引の収入によって生計を立てていることが客観的に明らかである場合や、事業所得者が、事業用資産として仮想通貨を保有し、棚卸資産等の購入の際の決済手段として仮想通貨を使用した場合であれば事業所得として取り扱っても良いとされています。

仮想通貨を受け取った場合

商品を売った際の対価や、贈与によって仮想通貨を受け取ることも想定されます。その場合は下記のように、所得税の確定申告や贈与税の確定申告が必要になる可能性があります。

仮想通貨を受け取った場合の確定申告の要否
取引内容 確定申告の要不要
商品代金を仮想通貨で受け取った 必要な可能性がある
仮想通貨を相続や贈与により取得した場合 所得税の確定申告は不要だが、相続税や贈与税の確定申告が必要な可能性がある

仮想通貨は、金銭的な価値のあるものとみなされるため、受け取った際にも確定申告が必要になる可能性があるのです。

企業や個人事業主が商品代金を仮想通貨で受け取った場合は、通常の商取引と同様に申告が必要です。副業で行う個人間売買などでも、その時点での仮想通貨の価値と同様の現金を受け取ったとみなされます。それぞれの方の状況に応じて確定申告をしましょう。

一方、相続や贈与により仮想通貨を取得した場合、相続税または贈与税が課税されます。贈与された仮想通貨の価格がほかに贈与された金額とあわせて、110万円を超える場合は、贈与税の申告が必要です。

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仮想通貨の税金の計算方法

仮想通貨の取引で得た所得は、原則として、雑所得に該当し、他の所得と合算して所得税の計算を行います。ただし、売却額等の全額に税金がかかるわけではありません。売却価額から売却原価、手数料等を差し引いて所得金額を算定し、それを雑所得欄の「その他」欄に記載することにより確定申告書を作成します。

仮想通貨の所得額の計算方法には「総平均法」と「移動平均法」の2種類がありますが、仮想通貨の単価計算は、原則として「総平均法」で計算します。2019年(平成31年)4月1日後、初めて仮想通貨を取得した場合やもともと取得しているものとは別の仮想通貨を取得した場合、仮想通貨を取得した年の所得税の確定申告期限(通常、翌年3月15日)までに、管轄の税務署に「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を提出しましょう。

所得税の暗号資産の評価方法の届出書

届出をしない場合は、総平均法で計算をします。移動平均法を利用したい場合は、届出が必須です。ただし、一度届出を行うと、原則として3年間は計算方法を変更できません。

総平均法

総平均法では、1年間で購入した仮想通貨の平均レートをもとに、取得金額の合計と売却金額の合計の差額を計算します。取引事業者が発行する「年間取引報告書」を、国税庁のWebサイトでダウンロードできる「暗号資産の計算書(総平均法用)」に転記すると自動計算できるので非常に便利です。一方で、年間の取引が完了するまで所得を確定しにくいという難点もあります。

下記は、総平均法による簡単な計算例となります。

例)

  • 45万円、40万円、50万円のそれぞれ1単位ずつ、合計で3単位の仮想通貨を購入し、49万円と55万円で1単位ずつ売却

上記の場合、取得価額の平均レートは「(45万円+40万円+50万円)÷3=45万円」です。売却額が49万円と55万円ですから、利益は(49万円+55万円)-(45万円×2)=14万円となります。

移動平均法

移動平均法は、購入のたびに単価を計算していく方法です。こちらも、国税庁のWebサイトで「暗号資産の計算書(移動平均法用)」がダウンロードできますが、総平均法用のものと違って、取引業者からの「年間取引報告書」からの転記だけで計算することはできません。

上記の総平均法の計算例と同様の事例で、今度は購入と売却の時期も設定し、移動平均法で計算するとどうなるか具体的に見てみましょう。

例)

仮想通貨の購入・売却を、下記の日付で行った

  • 1月1日 45万円(1単位購入)
  • 2月1日 40万円(1単位購入)
  • 6月1日 49万円(1単位売却)
  • 8月1日 50万円(1単位購入)
  • 12月1日 55万円(1単位売却)

上記の場合、6月1日に売却を行った時点の単価は「(45万円+40万円)÷2=42万5,000円」となります。よって、この時の利益は「49万円-42万5,000円=6万5,000円」です。

12月1日売却時点の保有通貨の単価は、8月1日に50万円を買い足したことで「(42万5,000円+50万円)÷2=46万2,500円」になっています。このときの利益は「55万円-46万2,500円=8万7,500円」となります。6月1日売却時と12月1日売却時の利益を合わせると、年間の利益は6万5,000円+8万7,500円=15万2,500円です。

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仮想通貨の申告は経費の計上が可能

仮想通貨の所得を計算する際は、売却価額から売却原価を差し引くだけでなく、手数料等必要経費を差し引くことができます。仮想通貨の経費として認められる主な費用としては、下記のようなものが挙げられます。

仮想通貨の経費として認められる費用

  • セミナー費用
  • 書籍費用
  • 通信費
  • 取引に利用するパソコン代 など

ただし、通信費やパソコン代を計上する際は、プライベートの使用分と仮想通貨取引に使用した分を按分して計算しなければなりません。仮想通貨の取引にのみ使っている通信回線やパソコンであれば全額を経費にできますが、プライベートと共用している方は、取引に利用した時間等をもとに割合を定めて計上することが必要です。

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仮想通貨の利益がある場合、どのように確定申告をする?

仮想通貨で利益を得た場合は、下記の流れに沿って確定申告をしましょう。ただし、すでにご紹介したとおり、会社員で利益が一定金額以下であるなど、申告が不要な場合もあります。

仮想通貨の確定申告の流れ

  • 1.
    取引所から「年間取引報告書」が交付される
  • 2.
    「暗号資産の計算書」を作る
  • 3.
    「確定申告書」に暗号資産の計算書の内容を転記する
  • 4.
    確定申告書を提出する
  • 5.
    所得税の納税をする(損益通算不可)

暗号資産の計算書に取引内容を転記することで、確定申告書に記入する「収入金額」「必要経費」「所得金額」が算出できます。暗号資産の計算書は、総平均用と移動平均用の両方が用意されているため、活用しましょう。なお、計算書を確定申告書に添付する必要はありません。

確定申告の期限

確定申告と納税の期限は、利益が出た年の翌年3月15日です(土日祝日に重なる場合は翌平日)。原則として、期限内に申告を行わないと無申告加算税、納付を行わないと延滞税が税額に加算されます。期限を守って申告するようにしてください。

確定申告の期限については、以下の記事で解説していますので参考にしてください。

仮想通貨(暗号資産)取引の確定申告書作成方法

確定申告では、仮想通貨を「暗号資産」と呼びます。確定申告する際も「仮想通貨」ではなく、「暗号資産」と記載してください。

ここでは、仮想通貨(暗号資産)取引の確定申告書を作成する方法を、3つご紹介します。

確定申告ソフトを利用する

暗号資産の申告に対応した確定申告ソフトを利用すれば、画面の案内に従って入力をするだけで簡単に確定申告書を作成できます。「やよいの青色申告 オンライン」や「やよいの白色申告 オンライン」では、確定申告画面で「事業以外の収入がありますか?」という質問が表示されます。「はい」を選択して、「その他雑所得」に内訳を入力するだけで、仮想通貨に対応した確定申告が可能です。そのままe-Taxで申告手続きまでできるので、手間がかかりません。

確定申告書等作成コーナーを利用する

「確定申告書等作成コーナー」は、国税庁が提供している確定申告書の作成や送信ができるWebサイトです。作成画面の「雑所得」「業務・その他」欄の「入力する」ボタンをクリックして、取引内容を記入しましょう。「種目」欄に「暗号資産」という項目があるので、そちらを選択して必要事項を入力してください。

手書きで作成する

確定申告書を手書きする場合は、区分や所得額などを自分で記入しなければいけません。暗号資産は「その他の雑所得」に該当します。

まず、第一表の「雑」「その他(ケ)」の「区分」欄に「2」を記入しましょう(個人年金保険の収入と暗号資産両方ある場合は「3」)。次に、第二表「所得の内訳」の所得の種類に「雑」、種目に「暗号資産」と記入し、取引所の名称と所在地を書きます。

所得税及び復興特別所得税の確定申告書(第一表)

所得税及び復興特別所得税の確定申告書(第二表)

仮想通貨取引の申告に関する注意点

仮想通貨取引の申告において、留意しておきたい点が3つあります。どちらも納税額に関わる問題ですから、意識しておきましょう。

損益通算ができない

仮想通貨の所得は、原則、雑所得に該当するので他の所得と損益通算することができません。損益通算とは、損失が出た所得があった場合、その損失を他の利益から差し引くことができるということです。

例えば、土地を購入するための借入金がなく、国内の物件に不動産投資をしている方が100万円の損失を出した場合、事業所得や給与所得の黒字から100万円の損失分を差し引いて税金を計算できます。

ところが、仮想通貨で損失が出た場合は、他の所得から損失分を引くことができません。さらに、仮想通貨で生じた損失は、繰越もできないので、翌年以降の利益と相殺することもできません。

総合課税される

仮想通貨の所得税は、給与所得や事業所得などと合算して課税されます。所得税は累進課税で、所得額が上がるほど税率が高くなるため、合算して計算するとその分税額が高くなる可能性がある点に注意しましょう。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
1,000円超194万9,000円以下 5% 0円
195万円超329万9,000円以下 10% 9万7,500円
330万円超694万9,000円以下 20% 42万7,500円
695万円超899万9,000円以下 23% 63万6,000円
900万円超1,799万9,000円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超3,999万900円以下 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

評価方法は仮想通貨(暗号資産)の種類ごとに設定する

仮想通貨の評価方法は、「ビットコイン」「イーサリアム」といった、通貨の種類ごとに決める必要があります。届出も種類ごとに行わなければいけません。新しい通貨の取引を開始した際は、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を税務署に提出しましょう。提出しなかった場合、該当の仮想通貨の利益は総平均法で算出することになります。

仮想通貨取引をするなら確定申告の方法も知っておこう

仮想通貨取引で利益が出ると、確定申告で申告しなければいけない可能性があります。申告方法や流れを事前に把握して、申告・納税に備えておきましょう。

特に、事業を行っている個人事業主の方は、原則として毎年確定申告が必要です。利益額にかかわらず仮想通貨の申告もしなければいけません。「やよいの青色申告 オンライン」や「やよいの白色申告 オンライン」では、仮想通貨取引の申告にも対応しています。事業所得の申告と併せてご活用ください。

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この記事の監修田中卓也(田中卓也税理士事務所)

税理士、CFP®
1964年東京都生まれ。中央大学商学部卒。
東京都内の税理士事務所にて13年半の勤務を経て独立・開業。
従来の記帳代行・税務相談・税務申告といった分野のみならず、事業計画の作成・サポートなどの経営相談、よくわかるキャッシュフロー表の立て方、資金繰りの管理、保険の見直し、相続・次号継承対策など、多岐に渡って経営者や個人事業主のサポートに努める。一生活者の視点にたった講演活動や講師、執筆活動にも携わる。

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