スマホで確定申告するやり方は?申告方法や手順、必要なものを解説
監修者: 税理士法人 MIRAI合同会計事務所
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2019年より、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用してスマホで確定申告をすることができるようになりました。ただし、事業所得の確定申告を予定している個人事業主やフリーランスの方は、パソコンで確定申告を行うのがおすすめです。
ここでは、スマートフォンで確定申告を行う前に準備するものや、スマートフォンで確定申告する方法を紹介します。また、確定申告書等作成コーナーやe-Taxは、どのようなシステムであるのかについてもご紹介しましょう。
確定申告はスマホとe-Taxアプリで簡単にできる
スマートフォンで確定申告を行うには、まず、スマートフォンで国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のサイトにアクセスして確定申告書類を作成する必要があります。次にスマートフォンのe-Taxアプリを使って、作成した確定申告書類を提出することでスマートフォンによる確定申告が完了します。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー 」は、スマートフォンで簡単にアクセスすることができます。
個人事業主やフリーランスは、パソコンで確定申告をするのがおすすめ
給与収入がある方や、年金収入・副業等の雑所得がある方などは、確定申告書等作成コーナーをスマートフォンの専用画面で利用することが可能です。さらに、2023年1月(2022年分の所得税の確定申告)から、スマートフォンからも青色申告決算書や収支内訳書の作成ができるようになりました。個人事業主やフリーランスの方もスマートフォンから事業所得の確定申告を行うことができます。
ただし、青色申告決算書や収支内訳書の項目に記入する金額は、帳簿等から集計を自身で行う必要があります。そのため、個人事業主やフリーランスの方が確定申告書を作成するのであれば、申告ソフトを活用することをおすすめします。申告ソフトを利用すれば、帳簿作成だけでなく、帳簿から集計をして、申告書作成・e-Taxまでスムースに確定申告を済ませることができるでしょう。
パソコンで確定申告する方法の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
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確定申告書等作成コーナーを利用するときの質問内容
スマートフォンで確定申告書等作成コーナーを利用する際には、最初にいくつかの質問に答える必要があります。
どのような質問がされるのか、主な内容をご紹介します。
提出方法
書面で提出するのかどうか、e-Taxを使うのかどうかといったことが質問されます。
何年分の確定申告をするのか
前年分の確定申告をするのかどうかを質問されます。
申告する収入の種類
申告する収入について、質問されます。「給与」「公的年金」などの選択肢のうち、あてはまるものをすべて選択します。
手持ちの源泉徴収票は1枚のみかどうか
手持ちの源泉徴収票は1枚のみかどうかを、「はい」または「いいえ」で回答します。
「はい」と回答した場合は次に「年末調整が済んでいるかどうか」を質問されます。「いいえ」と回答すると「住宅に関する控除」または「外的税額控除」のいずれかを受けているかどうかを質問されます。
医療費控除または寄附金控除を受けているかどうか
前の質問の回答内容によっては、医療費控除または寄附金控除を受けているかどうかという質問がされます。
スマホで確定申告を行う際に準備するもの
続いては、スマートフォンで確定申告を行う際に準備するものをご紹介します。
スマートフォンで確定申告書等作成コーナーするときと、e-Taxを利用するときに分けて、それぞれ必要なものを確認しましょう。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するために必要な書類
スマートフォンで確定申告書等作成コーナーを利用するには、下記のものを準備する必要があります。
- 給与所得の源泉徴収票
- マイナンバーカード(マイナンバー番号がわかるもの)
- 預金通帳など還付金を受け取る口座番号がわかるもの
- 医療費控除の申告をするなら医療費の明細書
- 寄附金控除の申告をするなら寄附金受領証明書
確定申告に必要な書類については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
スマートフォンでe-Taxを利用するために必要なもの
スマートフォンからe-Taxを利用する場合、ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式の2種類の方法があります。それぞれ、必要なものは下記のとおりです。
マイナンバーカード方式で必要なもの
- マイナンバーカード
- ICカードリーダライターまたはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン
マイナンバーカード対応のスマートフォンについては「マイナンバーカードに対応したNFCスマートフォン一覧 」で確認してください。
ID・パスワード方式で必要なもの
- e-TaxのID・パスワード方式の届出完了通知
ID・パスワード方式で必要なe-TaxのID・パスワードを取得するには、税務署で申請をする必要があります。申請の際には、運転免許証などの本人確認書類が必要となりますので、忘れないようにしてください。
なお、ID・パスワード方式は、マイナンバーカード方式が普及するまでの暫定的な対応であるとされています。
スマホで確定申告を行う流れ
確定申告書等作成コーナーや、e-Taxを利用するために必要なものを準備したら、まずはスマートフォンで確定申告書等作成コーナーにアクセスしましょう。
スマートフォンで確定申告を行う、大まかな流れは下記のとおりです。
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1.「作成開始」をタップして収入や控除に関する質問に回答する。
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2.「e-Tax(マイナンバーカード方式)」「e-Tax(ID・パスワード方式)」「書面」いずれかの提出方法を選択する(書面とは作成した確定申告書を税務署に持って行くか、郵送で提出する方法)。
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3.収入や控除の金額、氏名やマイナンバーなどの個人情報を入力する。
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4.作成したデータをe-Taxで送信する。
なお、作成したデータは、スマートフォンに保存することができます。
e-Taxと確定申告書等作成コーナーの違いとは?
e-Taxと確定申告書等作成コーナーはインターネットで利用できるサービスですが、両者がどう違うのか、混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
e-Taxは、作成した確定申告書のデータをオンラインで送信するためのシステムです。一方、確定申告書等作成コーナーは、確定申告書を作成するためのシステムです。
基本的には、確定申告の書類を作成するのが「確定申告書等作成コーナー」、それを提出するのが「e-Tax」と認識しておけば問題ありません。
スマホで確定申告する際の注意点
スマートフォンで確定申告をする際にも、一定の書類については提出が必要となります。また、下記の書類についても、確定申告を行ってから一定期間(※)は、税務署から書類の提出または提示を求められることがあります。
- 本人確認書類
- 帳簿
- 領収書・請求書など、証憑書類
- 収支内訳書・青色申告決算書
- 給与所得の源泉徴収票(原本)※2019年分の確定申告書類からは、源泉徴収票の添付や保存義務はありません。
- 医療費控除の明細書と関係する領収書など
- 寄附した団体等から交付を受けた寄附金の受領証等
スマートフォン上での手続きが完了した後も、これらの書類はしっかりと手元に保管しておくようにしてください。
- ※個人事業主の場合、帳簿や書類の保存期間は、原則として7年間。それ以外は5年間保存。詳しくは、「青色申告で必要な帳簿とは?その書き方と保存期間について」をご覧ください。
参考
国税庁「記帳や帳簿等保存 」
スマホやパソコンで確定申告をスムーズに進めよう
スマートフォンでの確定申告は、画面の指示に従って入力を進めれば、それほど難しいものではないといえるでしょう。ただし、スマートフォンで確定申告書等作成コーナーを利用するにあたり、事業所得の申告においては実質的に利用が難しいなどの点はあります。
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この記事の監修者税理士法人 MIRAI合同会計事務所
四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。