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クラウドファンディングで確定申告は必要?節税のコツも解説

監修者:齋藤一生(税理士)

2024/02/22更新

クラウドファンディングは、社会課題の解決や地域活性化、映画の制作、アイドルのサポートなど、多岐にわたる分野で利用されています。気になるクラウドファンディングへの資金の提供を検討している人や、自らクラウドファンディングを立ち上げたいと考えている人も多いでしょう。

ただし、クラウドファンディングは手軽な資金調達の手段として知られていますが、金銭の授受が行われる以上、税金の支払いや確定申告が必要になることがあるので注意が必要です。

ここでは、クラウドファンディングにおいて資金調達者と資金提供者にかかる税金と確定申告の方法について、効果的な節税のコツと併せて解説します。

クラウドファンディングで集めた資金は確定申告が必要な場合がある

クラウドファンディングは、インターネット上のプロジェクトページを通じて、不特定多数の人々から資金を募る仕組みです。「クラウド(crowd)」は「群衆」を、「ファンディング(funding)」は「資金調達」を意味し、これらの言葉を組み合わせたのがクラウドファンディングです。クラウドファンディングの形式には、主に「寄付型」、「購入型」、「投資型」があります。

購入型のクラウドファンディングを通じて資金調達者が集めた資金は、事業所得雑所得と見なされ、所得税の課税対象になることがあります。

所得税は、国や自治体が税額を計算する固定資産税などとは異なり、個人事業主の場合は納税者が自身の所得金額に応じて税額を計算し、確定申告を行うことで納税額が決まる仕組みです。

一方、投資型のクラウドファンディングでは、資金提供者の受け取る分配金が雑所得として確定申告の対象になることがあります。

クラウドファンディングの種類別にかかる税金と確定申告の方法

クラウドファンディングの形式は、主に「寄付型」、「購入型」、「投資型」の3つがあります。ここでは各形式でかかる税金の種類や計算方法のほか、確定申告の方法を説明します。

寄付型

寄付型は、資金提供者への商品やサービスのリターンがない形式のクラウドファンディングで、主に社会課題の解決や慈善活動などの目的で利用されます。資金提供者は、資金調達者のプロジェクトへの貢献を目的に支援し、資金調達者はリターンの代わりに活動報告の配信などを行うことが一般的です。

寄付型の場合、個人の資金調達者が個人の資金提供者から受け取った資金は、贈与税の対象になる可能性があります。贈与税は、年間110万円を超える個人間の寄附に対して課される税金です。贈与税の対象になったら、寄附を受けた翌年の2月16日~3月15日に確定申告および納税を行いましょう。

贈与税の計算方法は、その年の1月1日~12月31日に受けた寄附金総額から基礎控除額の110万円を差し引いて、課税価格を算出します。そこに一定の税率を掛け、さらに課税価格の区分に応じた控除額を引いた額が納税額となります。課税価格の区分および税率と控除額は以下のとおりです。

贈与税の計算方法
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

また、資金提供者が法人で、資金調達者が個人の場合、寄附金は一時所得として扱われます。寄附金の総額から必要経費を引いた後の額が一時所得となり、50万円の特別控除額を超える場合、所得税が課税されます。

なお、課税対象となる金額は、特別控除額を差し引いた一時所得の金額の2分の1です。例えば、寄附金総額から必要経費を差し引いた一時所得の金額が60万円だった場合、特別控除額の50万円を引いた10万円の半額である5万円が課税対象です。

また、法人が寄付型のクラウドファンディングで調達した資金は、法人税の対象となります。

購入型

購入型のクラウドファンディングは、資金調達者が商品やサービスを制作・開発するための資金を集め、完成した商品・サービスを資金提供者にリターンとして提供する形式です。

商品・サービスの売買と同様に、資金調達者に課されるのは所得税や住民税、法人税などです。クラウドファンディングでは、資金を受け取る段階では商品・サービスを提供していないため「前受金(負債)」として会計処理され、商品・サービスの提供が完了した時点で「売上(収益)」として計上されます。

クラウドファンディングで得た資金から、商品の配送料やクラウドファンディングのサイト手数料などの必要経費を引いた額が所得となり、所得税や住民税、法人税などが課されます。なお、資金調達者が個人の場合、個人事業としてクラウドファンディングを行って得た所得は「事業所得」、そうでない場合は「雑所得」として計上し、確定申告してください。

一方、通常は資金提供者に税金は課されません。ただし、資金提供者が個人でも法人でも、クラウドファンディングのリターンを事業目的で使用する場合、その費用は必要経費として計上することが可能です。

投資型

投資型のクラウドファンディングでは、資金調達者が資金提供者に対してリターンを提供しますが、購入型とは異なり、このリターンは商品やサービスではなく分配金です。投資型では、出資や融資などの形態で資金を集め、リターンとして事業収益からの配当を提供します。投資型には、融資型のほかに、株式型やファンド型などがあり、それぞれに税制上の違いがあります。

資金調達者にかかる税金については、融資型・株式型・ファンド型を問わず、集めた資金は最初「借入金(あるいは仮受金)」として扱われ、その後、株式型・ファンド型については資本に組み入れられた段階で、通常の新株発行と同様の扱いとなり、「資本金」などの科目で計上します。利益が発生していない段階では課税対象になりません。集めた資金を使って事業を行い、利益が出た場合には所得税や法人税が課税され、確定申告が必要です。

一方、資金提供者にかかる税金に関しては、融資型とファンド型では、資金調達者からリターンとして受け取った分配金が原則「雑所得」として、所得税の対象になります。また、資金提供者が法人で、分配金を受け取った場合、収入金額に算入されます。

なお、投資型クラウドファンディングの分配金は源泉徴収され、具体的な源泉徴収税率は20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)です。これは所得税の前払いに該当するため、確定申告を行うことによって、還付を受けられる可能性があります。

クラウドファンディングで資金調達者が節税する方法

クラウドファンディングで資金を調達した場合、確定申告においてさまざまな控除の適用や必要経費の計上を行うと、所得税の納税額を減らすことが可能です。

ここでは、資金調達者が利用できる節税方法をいくつか紹介します。

青色申告をして青色申告特別控除を受ける

青色申告は、個人事業主が利用することのできる申告・納税制度です。帳簿の整備と正確な納税金額の申告を行うと、税制上のさまざまなメリットを受けることができます。中でも節税効果が高いのが、65万円、55万円、10万円の控除を受けることができる青色申告特別控除です。

青色申告をするためには、申告したい年の3月15日まで、または新規開業の場合は開業から2か月以内に、所轄税務署に青色申告承認申請書を提出します。そのうえで、控除額の上限である65万円の青色申告特別控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

具体的な条件は、以下のとおりです。

65万円の青色申告特別控除を受けるための条件

  • 事業所得または事業規模の不動産所得があること
  • 複式簿記により記帳を行っていること
  • 貸借対照表や損益計算書、その他の計算明細書を確定申告書に添付すること
  • 申告期限内に確定申告を行うこと
  • 仕訳帳・総勘定元帳を電子帳簿保存法に従って保存していること、またはe-Taxで確定申告を行うこと

青色申告については別の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

必要経費を計上する

所得税は、収入から必要経費(法人の場合は損金)を差し引いた所得に基づいて計算されます。そのため、クラウドファンディングで資金を調達した個人事業主や企業は、関連する必要経費を正確に計上することで所得を減らし、所得税を抑えることが可能です。

クラウドファンディングの必要経費に含まれることが多いのは、次のような費用です。

クラウドファンディングにおける必要経費の例

  • クラウドファンディングのプラットフォームの利用料
  • 資金提供者へのリターン商品の制作費および配送料
  • 事業のために利用する事務所の家賃や光熱費
  • 事業のために購入したパソコンやオフィス用品、書籍などの購入費
  • 通信費や電話料金など

一方で、個人的な生活費や医療費、保険料、クラウドファンディング事業に関係のない書籍代や携帯電話の料金などは必要経費には含まれません。これらを業務経費として計上すると、税務署によって不正な申告と見なされる可能性があります。

調達資金を税金がかからない金額に抑える

個人事業主がクラウドファンディングを通じて得た所得が年間48万円を超えない場合、基礎控除によって所得税がかからず、確定申告の必要もありません。ただし、これは事業所得や雑所得、一時所得などを含むすべての所得の合計が48万円以下である場合に限られます。

なお、寄付型のクラウドファンディングにおいては、1年間に調達した資金が110万円以下であれば贈与税は課されません。さらに、個人事業主が法人から資金提供を受ける場合、その金額は一時所得として計上されます。ただし、この一時所得の総収入金額から収入を得るために支出した金額を引いた額が50万円以下であれば、特別控除額が50万円であるため、実質的な税負担が0円となります。

クラウドファンディングで資金提供者が節税する方法

クラウドファンディングで資金を提供する側にも、節税の方法があります。ここでは、資金提供者の節税方法をいくつか紹介します。

寄附金控除を受ける

寄付型のクラウドファンディングに個人が資金を提供した場合、寄附金控除の対象になる可能性があります。個人が国や地方公共団体、特定公益増進法人、認定NPO法人などに寄附した際に、確定申告を通じて寄附金控除を受けることが可能です。

寄附した金額の合計が総所得額の40%以下の場合、寄附金の合計金額から2,000円を差し引いた額が寄附金控除として適用されます。確定申告時には、資金調達者から発行された領収書などの証明書類を税務署に提出しましょう。

ただし、寄附金控除は寄附の対象が法人や地方公共団体などの場合に限られます。一般の個人や法人に対する寄附では適用されません。NPO法人などが運営するクラウドファンディングの場合、寄附金控除の対象となることがプロジェクトページなどで明記されていることがあるので、確認してみてください。寄附金の領収書に寄附金控除の対象となることが明記されているかを確認し、不明な点がある場合は資金調達者に確認しましょう。

源泉徴収済みの分配金を確定申告する

融資型やファンド型のクラウドファンディングで資金提供を行い、分配金を受け取る場合、その分配金は雑所得として所得の一部になります。分配金の受け取り時には、源泉徴収(税率20.42%)が行われていることが一般的です。このため、所得税率が20%以下である場合、確定申告を行うことで過払いの所得税が還付される場合もあります。

所得税率が20%以下になるのは、課税される所得金額(所得の合計から所得控除を差し引いた金額)が695万円以下の場合です。この範囲内であれば、確定申告をすることで源泉徴収された税金の一部が還付される可能性があります。

クラウドファンディングにおける税金に関する注意点

クラウドファンディングを通じて事業所得を得た場合、税金の申告において特に注意が必要なのは、経費関連の書類の保存です。個人事業主であれ、法人であれ、経費を証明する領収書や振込の証明書類などは必ず保存しておきましょう。

個人事業主のうち青色申告者と法人は、経費に関する領収書や預金通帳などの書類は7年間保存することが求められ、白色申告者は5年間保存することが定められています。

税務署は、提出された領収書や預金通帳などの書類を基に、申告された経費が正しく計上されているかどうかを確認するため、保存していない書類に基づく経費は必要経費として認められない場合があります。また、税務署は過去の申告に対しても調査を行うことがあり、必要に応じて証明書類の提示が求められるケースもあるため、書類はしっかり保存しておいてください。

税金の仕組みを理解してクラウドファンディングを行おう

クラウドファンディングは、実施形式によって税金の種類や節税方法が異なります。資金調達者だけでなく、資金提供者にも税金がかかる場合があり、適切な申告方法や節税の方法を知っておくとことが大切です。資金調達者は、自身が選択したクラウドファンディングの形式を理解し、資金提供者は、自らが資金を提供している形式に応じた税金や確定申告の方法を正しく理解しておきましょう。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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