2021/02/15更新 白色申告に必要な収支内訳書の書き方は?内容や入手方法について解説

白色申告に必要な収支内訳書の書き方は?内容や入手方法について解説
監修:
税理士法人 MIRAI合同会計事務所

確定申告で白色申告を選択した場合、確定申告書のほかに収支内訳書も作成して税務署に提出しなければなりません。収支内訳書は売上や経費などを記入する書類で、項目が多いため一見わかりづらいかもしれませんが、内容を理解すれば問題なく作成できます。
ここでは、白色申告に必要な収支内訳書の概要や書き方のほか、入手方法などについて解説します。

2021年2月2日、国税庁より2020年(令和2年)分 確定申告期限の1か月延長が発表されました。

2020年(令和2年)分申告所得税(及び復興特別所得税)、個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限が、2021年(令和3年)4月15日(木)まで延長となります。振替納税の振替日も延長されています。詳細は国税庁ホームページ等で最新情報をご確認ください。

収支内訳書とは?

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、白色申告は青色申告に比べて控除額が少ないものの、簡易な記帳が認められているのが特徴です。そして、白色申告を選択した場合は、確定申告書Bとともに収支内訳書を提出することになります。

白色申告の特徴と、メリット・デメリットについては別の記事で解説していますので、参考にしてください。

収支内訳書とは、1月1日から12月31日までの1年間の収入、売上原価、経費の内訳、減価償却の計算、事業専従者の氏名や給与賃金の内訳などをまとめ、所得を計算するための書類です。「一般用」と「農業所得用」「不動産所得用」の3種類があり、事業所得を得ている個人事業主などは、一般用を使用することになります。

収支内訳書が必要な理由

収支内訳書は、青色申告の決算書と似た役割を果たす書類で、所得の根拠となる売上や経費などのデータをまとめたものです。収支内訳書をもとに納めるべき所得税を正しく算出し、税務署は算出された所得税額の根拠として収支内訳書の内容を確認します。

なお、収支内訳書は日頃つけている帳簿の内容に沿って記載する必要があります。確定申告時に帳簿自体を提出する必要はありませんが、帳簿に記載した内容をもとに収支内訳書を作成し、税務署から不備などの指摘があった場合は帳簿を提出することになります。

元々、白色申告では帳簿づけが義務とはなっていませんでしたが、2014年1月より、すべての個人事業主に帳簿の記帳が義務づけられました。そのため、白色申告の場合でも、日々の収支を必ず帳簿に記録しておくようにしましょう。

収支内訳書を作成する前の準備

収支内訳書を作成するには、どのような準備が必要なのでしょうか。事前に準備すべきポイントを2つご紹介します。

年間の収支を大まかにまとめる

まずは、帳簿をもとに1年間の収支をまとめます。具体的な記帳は収支内訳書を作成する際に行いますが、最初に「9月にまとまった収入があったな」など、1年間の収支を大まかに把握しておけば、スムーズに記帳を進められます。

減価償却の対象を確認する

次に、減価償却の対象があるかどうかを確認します。減価償却とは、長期にわたって事業で使用する資産を購入した際に、耐用年数で分割して1年ごとに経費計上していくことを指します。耐用年数とは「その資産の使用可能期間」のことで、資産ごとに耐用年数が何年かは国税庁のウェブサイト 新規ウィンドウで開くで確認が可能です。
減価償却の対象になる物は、取得価額が10万円以上かつ使用期間が1年以上のもので、一般的にはパソコンや事業用の車、機械設備などが挙げられます。収支内訳書を作成する前に減価償却の対象になる資産をリストアップし、経費計上を正しく行いましょう。

収支内訳書の書き方

それでは、収支内訳書の書き方を具体的に見ていきましょう。収支内訳書は手書きでも作成できますが、「やよいの白色申告 オンライン 新規ウィンドウで開く」などの会計ソフトを利用すると計算ミスや記入ミスもなく、効率的に作成することができます。
なお、前述したとおり、2014年から白色申告でも帳簿の記帳が義務づけられたため、簡単に済むという白色申告のメリットは薄れたといえます。青色申告に対応した「やよいの青色申告 オンライン 新規ウィンドウで開く」などの会計ソフトを活用して、より多くの控除を受けられる青色申告で確定申告するのがおすすめです。

1枚目の書き方

収支内訳書の1枚目に、収入金額や売上原価、経費、専従者控除など、1年間の合計金額を記入することで、確定申告書Bに記入する事業所得を算出することが可能です。

収支内訳書の1枚目は大きく、下記の8つのパートに分かれています。

  • 1.
    住所・氏名など
  • 2.
    収入金額
  • 3.
    売上原価
  • 4.
    経費
  • 5.
    専従者控除
  • 6.
    給与賃金の内訳
  • 7.
    税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
  • 8.
    事業専従者の氏名等

8つのパートに記入する内容について、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1.住所・氏名など

収支内訳書の一番上の欄には、自分の氏名や住所、屋号などを記入します。屋号を決めていない場合は、空欄でもOKです。

2.収入金額

「収入金額」には、1年間で得た収入の合計を記入します。「売上(収入)金額」の欄には1年間の売上金額を記入し、年度内の売上であれば、当該年度に入金されなかった分も含めます。「家事消費」は、例えば飲食店が自分の家族に食事を提供するなど、棚卸資産などを家事のために使用した場合に記入する欄です。「その他の収入」の欄は、事業に付随して発生する少額収入があった場合に記入します。

3.売上原価

売上原価は、飲食店や小売店など仕入れを行う個人事業主が記入する欄です。「期首商品(製品)棚卸高」は、前年度から売れ残った1月1日時点の在庫金額、「期末商品(製品)棚卸高」は12月31日時点の在庫金額を記入します。期末商品(製品)棚卸高が、次年度の期首商品(製品)棚卸高となる形です。「仕入金額(製品製造原価)」には1年間の仕入金額を記入します。仕入金額も収入金額と同様に、年度内の仕入れであれば当該年度に支払わなかった分も含めます。

4.経費

経費は、旅費交通費や通信費、広告宣伝費、接待交際費など、1年間の経費を帳簿にもとづいて記入します。
代表的な経費の書き方として、例えば「給料賃金」は従業員を雇っている場合に記入し、紙面右側の「給料賃金の内訳」に詳細を記します。また、「外注工賃」は外部に仕事を発注している場合に記入し、「減価償却」では10万円以上の資産を購入した際に、法定耐用年数にもとづいて分割計上するといった具合です。
ほかにも、「貸倒金」は相手方の倒産などによって売掛金や貸付金が回収できなかった場合に、「利子割引料」は事業資金として借り入れた際の利子を記入します。
なお、「租税公課」には国や地方自治体に納めた消費税(税込経理の場合)や個人事業税、固定資産税、不動産取得税、登録免許税、自動車税、印紙税などの税金を記入しますが、個人の所得税や住民税、国民健康保険料、国民年金保険料は対象となりません。

経費については別の記事で解説していますので、参考にしてください。

5.専従者控除

事業に専念している家族がいれば、専従者として記入します。専従者の条件は「生計を一とする15歳以上の家族が6か月以上事業に専念して働いた場合」となっています。

6.給与賃金の内訳

家族以外の人へ給料の支払いを行なった場合は、「給与賃金の内訳」に従業員の氏名、年齢、業務への従事月数、支払った給与・賞与の金額、源泉徴収税額を記入します。なお、源泉徴収税額は、年末調整が終わった後の税額を記入してください。

7.税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳

その年に、税理士や弁護士に報酬を支払った場合には、「税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳」の欄に、支払先の住所や氏名、支払った金額、源泉徴収税額などを記入します。

8.事業専従者の氏名等

家族が従業員として働いている人は、「事業専従者に関する事項」に、家族(事業専従者)の氏名や、従事月数などを記入します。

2枚目の書き方

収支内訳書の2枚目は、1枚目に記載した内容の内訳を記入する用紙です。収支内訳書の2枚目は、大きく、6つのパートに分けることができます。

  • 9.
    売上(収入)金額の明細
  • 10.
    仕入金額の明細
  • 11.
    減価償却費の計算
  • 12.
    地代家賃の内訳
  • 13.
    利子割引料の内訳
  • 14.
    本年中における特殊事情

それぞれのパートに記入する内容を詳しく解説します。

9.売上(収入)金額の明細

「売上(収入)金額の明細」の欄には、主な取引先の会社名や所在地、売上金額を記入します。

10.仕入金額の明細

「仕入金額の明細」の欄には、仕事で利用した仕入先の情報、仕入れの金額を記入します。なお、事業で商品などを仕入れていない場合は、記入する必要はありません。

11.減価償却費の計算

「減価償却費の計算」の欄には、パソコンなど、減価償却の対象となる資産の名称や台数、購入金額や購入した日付などを記入します。
「償却方法」の欄は、「定額法」もしくは「定率法」のいずれかを選択して記入しますが、基本的には「定額(定額法)」と記入してください。定額法は、毎年同額を経費として計上する方法です。定率法を選択する際には、税務署に事前に申請する必要があります。

12.地代家賃の内訳

「地代家賃の内訳」は、事務所や店舗の地代家賃の内訳を記入する欄です。借りている物件の大家さんや不動産会社の名前と住所のほか、物件の用途、賃貸料などを記入します。

13.利子割引料の内訳

「利子割引料の内訳」の欄は、金融機関以外の個人や法人からお金を借りていて、借入金の利子がある場合にだけ記入します。借入先に、1年間で支払った利子の金額や手形の割引料などを記入します。

14.本年中における特殊事情

不良在庫を処分して事業で赤字が出たなど、何か特殊な事情があって税務署に伝えるべきことがあれば、「本年中における特殊事情」に内容を記入します。特に伝えておきたいことがなければ、空欄のままで問題ありません。

収支内訳書の入手方法

税務署では、収支内訳書と確定申告書Bが配布されています。また、国税庁のウェブサイト「確定申告特集 新規ウィンドウで開く」からデータをダウンロードすることも可能です。国税庁が運営する「確定申告書等作成コーナー 新規ウィンドウで開く」というウェブサイトを利用すれば、サイト上で収支内訳書や確定申告書Bの内容を入力し、自動的に計算して書類を作成することができます。ここでデータを作成し、印刷した書類を税務署に提出することも可能です。

白色申告の帳簿のつけ方

青色申告の帳簿は詳細な帳簿づけが求められますが、白色申告の帳簿は、家計簿のようにシンプルな内容で問題ありません。
業種によっては、1件の売上が少額の場合、現金売上を1日の合計金額で記帳することも認められています。白色申告で認められている簡易な記帳の方法は、下記のとおりです。

白色申告で認められている記帳方法
項目 記帳の方法
売上、収入
  • 小売業などの現金売上は1日の合計額で記入できる
  • 納品書・請求書などの控えがあれば1日の合計金額で記入できる
仕入れ
  • 現金仕入れは1日の合計金額で記入できる
  • 納品書や請求書などの控えがあれば1日の合計金額で記入できる
経費
  • 金額が少ない場合、項目ごとに1日の合計額で記入できる

帳簿の形式は定められていない

白色申告に必要な帳簿は法定帳簿と呼ばれますが、特に書式やツールなどが定められているわけではありません。収入金額と必要経費が正しく記帳されていれば書式は自由です。法定帳簿は税務署に提出する必要がありませんが、収支内訳書のもとになる書類なので、経費欄を収支内訳書と同じ区分にしておくと、転記しやすくなります。

白色申告の帳簿の付け方については、別の記事で解説していますので、参考にしてください。

収支内訳書の書き方を理解して確定申告をスムーズに行おう

収支内訳書は納めるべき所得税の根拠となるため、非常に重要な書類です。日頃から正しく帳簿づけを行い、収支内訳書の書き方を事前に理解した上で、スムーズに確定申告を行えるようにしましょう。
なお、確定申告ソフトを使用すれば、白色申告はもちろんのこと、青色申告も簡単かつスムーズに行うことができます。弥生の確定申告ソフトは白色申告と青色申告どちらにも対応しており、初めての確定申告でもわかりやすく安心してご利用いただけますので、ぜひご活用ください。

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監修 税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。