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【2026年最新】年収の壁とは?4つの壁と税制改正での変更点について解説

【2026年最新】年収の壁とは?4つの壁と税制改正での変更点について解説

年収の壁とは、税金や社会保険料の負担が新たに発生する年収額の境界線を指します。特に、パート・アルバイトで働く方やその家族、給与計算・年末調整を担当する方にとって関係が深いポイントです。

令和7年度・令和8年度税制改正では、年収の壁を意識せずに働きやすくするため、所得税がかかり始める基準が見直されました。給与収入のみの場合、所得税がかかり始める基準は、2025年(令和7年)分で160万円、2026年(令和8年)分で178万円に引き上げられています。また、年金制度改正法により、社会保険料に関係する「106万円の壁」は撤廃が予定されています。

本記事では、年収の壁の種類や、税制改正・年金制度改正による変更点について解説します。

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年収の壁とは税や社会保険の負担が発生する境界線

「年収の壁」とは、収入が一定の基準を超えることで、税金や社会保険料の負担が生じ、手取り収入に影響する境界線のことです。

一般的に「年収の壁」と呼ばれるものには、税金に関する住民税の基準や、所得税の「178万円の壁」、社会保険に関する「106万円の壁」「130万円の壁」などがあります。令和7年に成立した年金制度改正法と、令和8年度税制改正によって、複数の壁が見直されました。

額面上の年収が増えても、新たに税金や社会保険料がかかることで、手取り収入が一時的に減る場合があります。そのため、扶養の範囲内で働くパート・アルバイトの人にとって、年収の壁は勤務時間や収入を調整する目安の1つです。なお、税金と社会保険では扶養の基準が異なります。

扶養について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

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4つの年収の壁

税金に関する住民税の基準である「100万の壁」や所得税の「178万円の壁」、社会保険に関する「106万円の壁」「130万円の壁」について解説します。それぞれ、負担が発生する条件を確認しましょう。

100万円の壁を超えると住民税が発生する

パートやアルバイトなどで得た年収が一定額を超えると、住民税の課税対象になる場合があります。いわゆる「100万円の壁」ですが、実際の非課税限度額は自治体によって異なります。給与収入のみの場合でも一律に100万円とは限らないため、居住する自治体の基準を確認しましょう。

なお、令和8年度税制改正において、所得税の基礎控除や給与所得控除は見直されましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。そのため、住民税については所得税とは分けて確認しなくてはなりません。

住民税の計算方法や納税方法などについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。

178万円の壁を超えると所得税が発生する

2026年(令和8年)分では、給与収入のみで、基礎控除と給与所得控除だけを考慮した場合、年収178万円を超えると所得税がかかり始めます。この基準は、2025年(令和7年)分でいったん160万円まで引き上げられたうえで、さらに見直されたものです。

【令和8・9年分】改正後の基礎控除額(年収に応じて変動)
年収(給与以外に収入がない場合) 基礎控除額
665万5,556円以下 104万円
665万5,556円超~850万円以下 67万円

給与収入から差し引かれる給与所得控除も、令和8年度税制改正で引き上げられました。最低保障額は本則69万円ですが、令和8年・9年分は特例により74万円が適用されます。

【令和8・9年分】改正後の給与所得控除額(年収220万円以下の場合)
年収(給与以外に収入がない場合) 給与所得控除額
220万円以下 74万円

このように、年収220万円以下であれば給与所得控除は74万円です。基礎控除104万円と合わせると178万円となり、年収178万円までは課税所得が生じません。

なお、親などの税法上の扶養に入るための基準は、本人に所得税がかかる基準とは異なります。令和8年分では、扶養親族等の合計所得金額の所得要件は62万円以下であり、給与収入のみの場合は136万円以下が目安です。

所得税の計算方法やアルバイトの年末調整について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

106万円の壁を超えると社会保険の加入対象になる(2026年10月に賃金要件は撤廃予定、以降は勤務時間で判定)

106万円の壁とは、短時間労働者が一定の要件を満たすと、勤務先の社会保険の加入対象となる基準のことです。従来は、以下のような要件が定められていました。

  • 週の所定労働時間が20時間以上である
  • 月額賃金が8万8,000円以上である
  • 学生ではない
  • 従業員51人以上の企業で働いている
  • 2か月を超えて雇用される見込みがある

このうち、月額賃金8万8,000円以上という賃金要件は、令和7年に成立した年金制度改正法により、令和8年10月に撤廃される予定です。一方で、週の所定労働時間が20時間以上であることなどの要件は維持されるため、今後は勤務時間などの加入要件を確認しなくてはなりません。

パートの社会保険料について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

130万円の壁を超えると社会保険の扶養から外れる

年間の収入が130万円以上になると、原則として社会保険の扶養対象から外れ、自身で公的医療保険や公的年金に加入することになります。この扶養の境界線が130万円の壁です。

保険料の負担が新たに生まれると、手取り収入が減少する場合があります。そのため、手取りの減少を避ける目的で、年収が130万円を超えないように労働時間を調整する人も少なくありません。なお、年収を130万円未満に抑えるための目安は、月収換算で約10万8,333円です。

加入する制度や収入、居住地、年齢などによって保険料は異なります。年収が130万円をわずかに超えた場合、新たな保険料負担によって、130万円未満のときよりも手取り収入が減ることがあります。

ただし、繁忙期の労働時間延長などによる一時的な収入増で年収130万円以上となった場合は、事業主の証明によって引き続き扶養認定を受けられるしくみがあります。なお、最終的な扶養認定は保険者が判断するため、事業主が証明しても扶養として認定されるとは限りません。

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年収の壁の問題点

「年収の壁」の最大の問題は、収入が一定額を超えると税や社会保険料の負担が発生し、手取り収入が相対的に減少してしまう点です。労働時間が増えたにもかかわらず手取りが減ってしまうケースもあり、家計への影響は小さくありません。

「年収の壁」を意識することで、「壁を超えない範囲で働く」といった“働き控え”の行動が見られることも課題です。例えば、パートタイマーやアルバイトの方が年収の壁を超えないように勤務時間を調整することで、結果的に収入が頭打ちとなり、労働意欲の低下や社会全体の労働力供給の減少につながる点が指摘されます。

近年は最低賃金や時給が上昇しており、以前と同じ勤務時間でも年収の壁に達しやすくなっています。そのため、扶養の範囲内で働きたい人が勤務時間を減らし、収入を抑えるケースも少なくありません。このような働き方を選ぶと、実質的な年収の増加が見込めず、家計の改善にもつながりにくい状況が続くことがあります。

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税制改正と年金制度改正による年収の壁の変更点

令和7年度税制改正、同じく令和7年に成立した年金制度改正法、令和8年度税制改正により、年収の壁に関する複数の見直しが行われました。所得税の壁が緩和されると同時に、社会保険の壁が一部撤廃されます。

所得税の課税最低限が二段階で引き上げられた

2024年(令和6年)まで、給与収入のみの場合は、基礎控除48万円と給与所得控除55万円を合わせた103万円を超えると所得税がかかっていました。令和7年度・令和8年度の税制改正により、この基準は2年にわたって見直されています。所得税の非課税ライン(課税最低限)は、次のように推移しています。

  • 2024年(令和6年)までの非課税ライン:基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円
  • 2025年(令和7年)の非課税ライン:基礎控除95万円+給与所得控除65万円=160万円
  • 2026年(令和8年)の非課税ライン:基礎控除104万円+給与所得控除74万円=178万円

令和8年分の所得税では、給与収入のみで、基礎控除と給与所得控除だけを考慮した場合、年収178万円までは課税所得が生じません。ただし、基礎控除額は合計所得金額に応じて異なり、104万円の基礎控除がすべての人に適用されるわけではありません。

また、基礎控除額は令和8・9年分と令和10年分以後でも異なります。例えば、合計所得金額132万円以下の人は、令和8・9年分は104万円、令和10年分以後は99万円です。合計所得金額132万円超655万円以下の人も、令和8・9年分と令和10年分以後で控除額が異なるため、年末調整や給与計算では適用年分と所得区分を確認しましょう。

なお、給与収入のみの場合、合計所得金額132万円超655万円以下は、給与収入206万円超850万円以下にあたります。

今回の改正により、所得税を理由とした働き控えは緩和される可能性があります。ただし、社会保険の加入基準は所得税とは別に判定されるため、178万円以下であれば必ず扶養の範囲内で働けるとは限らない点に留意しましょう。

配偶者特別控除の満額の範囲が広がった

配偶者特別控除は、納税者に一定の所得要件を満たす配偶者がいる場合に、納税者の所得から一定額を控除できる制度です。令和8年度税制改正により、配偶者特別控除の対象となる配偶者の所得範囲が見直されました。

令和8年分では、納税者本人の合計所得金額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額が62万円超95万円以下の場合、配偶者特別控除の満額である38万円が適用されます。給与収入のみの場合は、年収136万円超169万円以下が目安です。

配偶者の合計所得金額が95万円を超えると、控除額は段階的に減少します。合計所得金額が133万円を超えると配偶者特別控除は受けられません。給与収入のみの場合は、年収207万円を超えると控除の対象外となります。

今回の見直しにより、配偶者特別控除を満額で受けられる収入の範囲が広がりました。ただし、配偶者特別控除は所得税上の制度であり、社会保険の扶養基準とは異なります。配偶者の働き方を考える際は、所得税と社会保険の基準を分けて確認すべきです。

特定親族特別控除が設けられた

特定親族特別控除は、令和7年度税制改正で創設された制度です。19歳以上23歳未満の親族の合計所得金額が一定額を超えた場合でも、納税者が段階的に控除を受けられます。大学生年代の子などが収入を増やしても、親などの税負担が急に増えにくくすることを目的としています。

令和8年度税制改正では、扶養親族等の所得要件や給与所得控除の見直しに伴い、対象となる給与収入の目安が変更されました。特定親族の合計所得金額が62万円超123万円以下の場合に、特定親族特別控除の対象となります。給与収入のみの場合は、年収136万円超197万円以下が目安です。満額の63万円控除を受けられるのは、給与収入のみの場合、年収136万円超159万円以下です。

特定親族特別控除の導入による具体的な逓減例
子の年収 親の控除額
159万円 63万円
169万円 51万円
179万円 31万円
197万円超 0円

特定親族の合計所得金額が一定額を超えると、控除額は段階的に減少します。これまで、扶養控除を受けるために学生が勤務時間や収入を調整するケースがありましたが、今回の改正により、大学生年代の子が収入を増やした場合でも、世帯全体の手取りへの影響を抑えやすくなると考えられます。

社会保険の106万円の壁が撤廃される

令和7年に成立した年金制度改正法により、短時間労働者の社会保険加入要件のうち、所定内賃金が月額8万8,000円以上、年収換算で約106万円以上とする賃金要件は撤廃されることになりました。厚生労働省は、このいわゆる「106万円の壁」について、令和8年10月に撤廃予定としています。

ただし、週の所定労働時間が20時間以上であることや、学生ではないことなどの要件は維持されます。そのため、賃金要件の撤廃後は、年収が106万円以上かどうかではなく、勤務時間などの要件を満たすかどうかで社会保険の加入対象になるかを確認しなくてはなりません。

また、従業員数に関する企業規模要件も段階的に見直されます。具体的な時期は以下のとおりです。

  • 36人以上の企業:2027年(令和9年)10月から
  • 21人以上の企業:2029年(令和11年)10月から
  • 11人以上の企業:2032年(令和14年)10月から
  • 10人以下の企業:2035年(令和17年)10月から

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年収の壁の早見表

年収の壁は、手取り収入や扶養控除などにかかわる境界線であり、それぞれが異なる税制や社会保険制度に関連しています。年収ごとにどの壁が影響を与えるのかは、以下の表のとおりです。

年収・基準 住民税 所得税 社会保険料 税法上の扶養・配偶者控除 配偶者特別控除 補足
100万円前後 対象になる場合あり 対象外 年収だけでは判定不可 対象(136万円以下の範囲) ― 住民税の非課税限度額は自治体により異なります。
106万円相当
(月額8.8万円)
賃金要件は撤廃予定 ― 所定内賃金月額8.8万円以上(年収換算約106万円)の賃金要件は、2026年(令和8年)10月に撤廃予定です。
130万円以上 対象 原則、社会保険の扶養対象外 ― 社会保険の扶養は原則として年間収入見込み130万円未満が基準です。
136万円以下 年収だけでは判定不可 対象 ― 扶養親族等・同一生計配偶者の所得要件は、給与収入のみの場合136万円以下が目安です。
136万円超~169万円以下 対象外 対象
(満額)
配偶者特別控除の満額38万円の対象範囲です。
169万円超~178万円以下 対象 配偶者特別控除は段階的に減少します。
178万円超~207万円以下 対象 給与収入のみで基礎控除・給与所得控除のみを考慮した場合、178万円超で所得税がかかり始めます。
207万円超 対象外 配偶者特別控除の対象外です。
注記
  • 住民税は自治体によって非課税限度額が異なるため、「100万円前後」としています。
  • 社会保険は年収だけでは判定できません。短時間労働者の加入要件(週20時間以上、学生でないこと等)や企業規模要件もあわせて確認しましょう。
  • 配偶者控除・配偶者特別控除は、納税者本人の所得要件や配偶者の収入状況によって扱いが異なります。

特に、令和8年度税制改正後の金額の基準や、社会保険の加入要件を確認しましょう。

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給与計算・年末調整業務の負担は弥生給与 Nextで軽減しよう

年収の壁は、一定の収入を超えると税金や社会保険料の負担が発生し、手取り収入に影響する境界線です。令和8年度税制改正により、所得税がかかり始める基準や扶養親族等の所得要件、配偶者特別控除、特定親族特別控除などが見直されました。また、社会保険では106万円の壁にあたる賃金要件の撤廃が予定されています。

こうした制度改正は、働き控えの緩和につながる一方で、給与計算や年末調整の実務を複雑にします。さらに、令和8年は国税システムの更改に伴う申告書や帳票の様式変更も重なるため、人事給与担当者は最新の基準に沿って正確に対応しなくてはなりません。紙での申請手続きや手計算、古いシステムを使い続ける場合は、正確な処理や問い合わせ対応に時間がかかる可能性があります。

そこで活用したい給与計算・年末調整ソフトが「弥生給与 Next」です。税制改正に伴う新たな計算ロジックや国税の最新様式に対応したツールを活用することで、給与計算や年末調整業務を効率的に進めやすくなります。「弥生給与 Next」を活用して、効率的な制度対応を目指しましょう。

  • ※本記事は2026年7月17日時点の情報を基に制作しています。
    ※ご契約のプランによって利用できる機能が異なります。

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よくあるご質問

所得税がかかるのは年収いくらからですか

2026年(令和8年)分では、給与収入のみで、基礎控除と給与所得控除だけを考慮した場合、年収178万円を超えると所得税がかかり始めます。

所得税を算出する際は、給与収入から給与所得控除を差し引き、さらに基礎控除などの所得控除を差し引きます。令和8年分では、給与収入のみの場合、基礎控除104万円と給与所得控除74万円を合わせた178万円までは課税所得が生じないため、所得税がかかりません。

ただし、基礎控除額は合計所得金額に応じて異なります。また、給与収入以外の所得がある場合や、各種控除の適用状況によっても税額は変わるため、個別の状況に応じて確認すべきです。

106万円の壁は今後どうなりますか

社会保険の加入要件のうち、所定内賃金が月額8万8,000円以上、年収換算で約106万円以上とする賃金要件は、令和8年10月に撤廃予定です。

賃金要件が撤廃された後も、週の所定労働時間が20時間以上であることや、学生ではないことなどの要件は維持されます。そのため、今後は「年収が106万円以上かどうか」ではなく、勤務時間などの要件を満たすかどうかで社会保険の加入対象になるかを確認しなくてはなりません。

扶養の範囲で働くには年収をいくらに抑えればよいですか

扶養に入るための基準は、税金と社会保険で異なります。

税法上の扶養については、扶養親族等の合計所得金額が62万円以下であることが原則です。給与収入のみの場合は、年収136万円以下が目安です。ただし、19歳以上23歳未満の親族については、給与収入のみの場合、年収136万円超159万円以下でも、親などが特定親族特別控除として63万円の控除を受けられるしくみがあります。

一方、社会保険の扶養については、原則として年間収入の見込み額が130万円未満であることが基準です。

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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
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