2021/02/15更新 白色申告の帳簿の書き方は?ポイントをわかりやすく解説

白色申告の帳簿の書き方は?ポイントをわかりやすく解説
監修:
税理士法人 MIRAI合同会計事務所

白色申告では、収入と支出を1日の合計額で記帳して良いなど、青色申告よりもシンプルな帳簿付けが認められています。では、具体的にどのような帳簿を作成する必要があるのでしょうか。

ここでは、白色申告の帳簿の書き方やポイントについて解説します。

2021年2月2日、国税庁より2020年(令和2年)分 確定申告期限の1か月延長が発表されました。

2020年(令和2年)分申告所得税(及び復興特別所得税)、個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限が、2021年(令和3年)4月15日(木)まで延長となります。振替納税の振替日も延長されています。詳細は国税庁ホームページ等で最新情報をご確認ください。

白色申告に必要な帳簿付けとは?

かつて、白色申告では所得が300万円を超える人以外は、帳簿の記帳が義務付けられていませんでした。しかし、2014年よりすべての白色申告者の帳簿付けが義務化されたので、青色申告か白色申告かにかかわらず、今はすべての個人事業主が帳簿をつける必要があります。
まずは、白色申告に必要な帳簿のポイントについて見ていきましょう。

帳簿付けは事業の成長にも欠かせない

帳簿とは、確定申告時に所得税など納めるべき税金を計算するための書類のことです。白色申告で使用する帳簿は「法定帳簿」と呼ばれますが、決まったフォーマットやツールがあるわけではありません。収入金額と必要経費に関する事項を正しく記帳した内容であれば、紙のノートやExcel、確定申告ソフトなどを使用し、自由なフォーマットで作成することができます。

個人事業主が帳簿付けを行う目的は、収支を記録して納めるべき税金の額を正しく算出することですが、それ以外にもメリットが多くあります。まず、事業に関わるお金の動きを把握することができ、経営状況について数字をもとに検討、判断することが可能になります。月ごとの売上推移を比較したり、利益率の高い商品やサービスを把握したりできるため、今後の経営戦略に活かすこともできるでしょう。また、資金繰りの状態も把握できるため、早めに対処を行うことも可能です。
このように、帳簿は事業を成長させるためにも、欠かせない書類であるといえます。

帳簿書類は保管しておく必要がある

白色申告で作成した帳簿や請求書、領収書などの関連書類は、一定期間保存することが義務付けられています。個人事業主の場合、保存が義務化されている期間と書類の種類は下記のとおりです。

保存期間7年

  • 法定帳簿…収入金額や必要経費を記帳した帳簿

保存期間5年

  • 任意帳簿…業務に関して作成した上記以外の帳簿(売掛帳や固定資産台帳など)
  • 棚卸表…棚卸の際に数量や金額などをリスト化した表
  • 請求書…業務に関して作成または受領した書類
  • 納品書…届けられた製品などに添付した納品を証明する書類
  • 送り状…書類や物品などを送付する際に添付する書面
  • 領収書…業務に関して支払った代金の書類 など

保存期間は、確定申告期限日の翌日から起算します。帳簿は、その年の翌年3月16日から7年間もしくは5年間、書類は作成または受領日の属する年の翌年3月16日から5年間保存しておく必要があります。長期間の保存が義務付けられているため、紛失しないようにファイルなどで大切に保管するようにしましょう。

白色申告で帳簿をつけていないとどうなる?

白色申告で帳簿をつけていなかった場合、必ず罰せられるというわけではありませんが、推計課税で税金を追加徴収される可能性があります。推計課税とは、税務調査の際に「保存しておくべき帳簿や書類に不備や不足があり、所得を正しく証明できない」と判断された際に行われるものです。
推計課税では、同業他社との比較や損益、資産状況、人員数、生活の状況などから所得を推計して、それをもとに徴税されることとなります。実際の所得以上の税金を徴収されてしまうリスクもありますので、必ず帳簿付けを行い、正しく確定申告しましょう。

白色申告の帳簿の書き方

白色申告の帳簿は、どのように記帳すればいいのでしょうか。続いては、帳簿の形式や書き方のポイントを解説します。

決定帳簿の様式例

収入金額は「売上」と「雑収入等」に区分して記帳

白色申告の帳簿の収入金額は、「売上」と「雑収入等」に区分して記帳しましょう。収入金額を区分するときは、確定申告時に提出する収支内訳書に転記することを念頭に置いておくと便利です。
売上については、取引の年月日と相手方の名前、金額を記帳し、売上の合計金額も記帳します。小売業などの現金売上は、1日の合計額で記帳することが認められており、家計簿のようにシンプルな記帳方法で問題ありません。また、現金売上以外でも、納品書や請求書などの控えがあれば1日の合計金額で記帳することが認められています。
雑収入とは、事業に付随して得た収入のことを指します。例えば、仕入れた材料の余りなどを売却して収入があった場合は、雑収入となります。

必要経費は「仕入」と「経費」に区分して記帳

必要経費は、「仕入」と「経費」に区分して記帳しましょう。経費はさらに、「給料賃金」「外注工賃」「減価償却費」「貸倒金」「地代家賃」「利子割引料」「その他の経費」に区分します。また、自分の事業に関係する経費にあわせて勘定科目を設定しましょう。
クレジットカードなどを使わず、仕入の代金を現金で支払った場合、1日に複数の支払いが発生することがあります。そのようなときも、少額の場合は納品書や請求書の控えなどがあれば、1日分の合計金額をまとめて記帳して問題ありません。
なお、仕入だけでなく、経費に関しても金額が少ない場合は、項目ごとに1日ごとの合計額で記帳することが認められています。

詳しい内容は国税庁ウェブサイト 新規ウィンドウで開くもあわせてご覧ください。

白色申告の帳簿をつけるときのポイント

実際に白色申告の帳簿をつける際には、下記のポイントに注意して記帳しましょう。記帳が手間だとついつい後回しになってしまいがちですので、自分にとって記帳しやすい環境を整えることも大切です。

記帳は定期的に行う

記帳は確定申告前にまとめて行うのではなく、定期的に行う習慣をつけましょう。後回しにすると記帳の負担が大きくなるだけでなく、正確な内容がわからなくなり、正しく帳簿をつけられなくなるおそれもあるためです。
記帳は毎日行うのが理想ですが、少なくとも1ヵ月ごとには行うべきでしょう。日々の業務スケジュールに記帳する時間を組み込み、こまめに記帳することを心掛けてください。

最終的に紙ベースで保存する

帳簿などの書類は、紙で保存するのが原則です。Excelや確定申告ソフトなど、パソコンを使用して帳簿を作成した場合、必ず印刷して紙の状態で保存しておきましょう。なお、税務署に申請した上で許可が下りれば、帳簿類を電子データで保存することも可能です。
しかし、電子データの保存は要件が非常に複雑で、確定申告ソフトに記帳しただけでは電子帳簿保存として認められないため、注意が必要です。そのため、簡単で確実な紙での保存をおすすめします。

白色申告のメリット・デメリット

白色申告の帳簿付けは、青色申告と比べて簡単なことがメリットです。白色申告は1日分の合計額での記帳が認められているなど、家計簿のようにシンプルな単式簿記での記帳で済みますが、青色申告は精度が高く、複雑な複式簿記での記帳が求められるためです。
一方で、白色申告の場合、最大65万円の青色申告特別控除を受けられないというデメリットもあります。ここからは、白色申告と青色申告のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

白色申告のメリット

手続きに必要な書類が少ない

白色申告は、帳簿がシンプルなことに加えて、確定申告手続きに必要な書類が少ないというメリットがあります。青色申告では4ページにわたる青色申告決算書を提出する一方で、白色申告は2ページの収支内訳書のみで問題ありません。また、青色申告は貸借対照表や損益計算書などの会計書類が必要になることがありますが、白色申告ではそれらの書類は不要となっています。

事前に手続きをする必要がない

青色申告は、税務署に対して事前に青色申告承認申請書を提出し、承認を受けなければなりませんが、白色申告は事前手続きが不要です。

白色申告のデメリット

青色申告のような特別控除を受けることができない

青色申告は、最高65万円の特別控除を受けられます。一方、白色申告には特別控除がないため、節税面でのデメリットがあります。

赤字の繰り越しができない

白色申告では、青色申告と違って事業で赤字が出た場合に、年をまたいで繰り越すことができません。つまり、赤字の金額を黒字と相殺できないため、結果として、黒字の年の税金が増加することになります。

専従者給与を経費として扱える上限が決められている

白色申告の場合、家族への給与である専従者給与を経費として扱える金額の上限は、配偶者が86万円、その他の親族は50万円までとなっています。それ以上の専従者給与があっても、白色申告では経費として計上することはできません。

青色申告のメリット・デメリット

青色申告では、前述したとおり最大65万円の青色申告特別控除を受けられるほか、経費として計上できるものも白色申告と比べて多くなります。青色申告のメリットとデメリットについても見ていきましょう。

青色申告のメリット

最大65万円の特別控除を受けられる

青色申告最大のメリットは、最大65万円の青色申告特別控除を受けられる点にあります。収入から65万円を差し引き、課税対象となる所得を抑えることができるため、節税につながります。

3年間の赤字繰り越しが可能

青色申告では、事業で赤字が出た場合は、3年間繰り越すことが可能です。通常であれば利益が出た年と赤字の年があった場合、特に赤字の年の考慮はされず、利益が出た年には多額の税金を支払うことになります。しかし、赤字の繰り越しができると、例えば1、2年目の赤字を黒字の3年目に繰り越し、3年目の事業所得から差し引くことで資金繰りを安定させることができます。
反対に、前年度が黒字で今年赤字が発生した場合も、繰り戻しを行って前年度の黒字と相殺が可能です。その場合は、払いすぎた税金の還付を申請する形になるため、青色申告書といっしょに還付請求書を提出します。

30万円未満の償却資産の特例がある

通常、パソコンや車など10万円以上の資産は、減価償却資産として耐用年数に応じて毎年経費計上する必要があります。しかし、青色申告では、2022年3月31日までに購入した30万円未満の資産であれば、「1年間の合計取得価額が300万円以下」といった要件を満たすことで、その年の経費に算入することが可能です。

家族への給与を経費として扱える

青色申告の場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出すれば、家族への給与を妥当性のある範囲ですべて経費にすることが可能です。

推計課税されない

白色申告は税務調査があった際、帳簿などの書類に不備があると前述した推計課税がなされますが、青色申告は推計課税の対象ではないので、本来の所得以上の税金が課されることがありません。ただし、税務調査の際に帳簿書類を提示しなかったり、帳簿の不正や隠蔽が発覚したりした場合は、青色申告が取り消されて推計課税が適用される場合があるので注意が必要です。

青色申告のデメリット

必要書類が多い

青色申告は、4ページの青色申告決算書の提出が求められるなど、白色申告に比べて必要書類が多く、帳簿付けが難しいというデメリットがあります。しかし、帳簿をつけなければならないのは白色申告も同様ですし、確定申告ソフトを使用すれば初心者でも簡単に複式簿記を作成することができるため、最高65万円の青色申告特別控除を受けられるメリットのほうが大きいといえるでしょう。

事前の手続きが必要

青色申告をするためには、申告対象となる年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。なお、年度の途中で開業した際は、開業から2ヵ月以内の提出が求められます。そのため、期限内に手続きしていなければ青色申告を選択できません。今年、青色申告承認申請書を提出し忘れたという人は、次の3月15日までに忘れずに提出しましょう。

白色申告も青色申告も確定申告ソフトを使えば帳簿付けも簡単

白色申告は、簡単な帳簿付けが認められているというメリットがありますが、特別控除がないため節税効果は少なくなります。青色申告で求められる複式簿記も、手書きで記帳すると複雑ですが、「やよいの青色申告オンライン 新規ウィンドウで開く」などの確定申告ソフトを使用すれば、白色申告の単式簿記と同様の労力で効率的に帳簿を作成できます。
負担がほとんど変わらないのであれば、節税効果の高い青色申告のほうがメリットは大きいといえるでしょう。

確定申告ソフトなら簿記や会計の知識がなくても確定申告できる

確定申告ソフトを使うことで、簿記や会計の知識がなくても確定申告することができます。

今すぐに始められて、初心者でもかんたんに使えるクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」とクラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」から主な機能をご紹介します。

やよいの白色申告 オンライン」はずっと無料ですべての機能が使用でき、「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料で使い始められて無料期間中もすべての機能が使用できますので、どちらも気軽にお試しいただけます。

初心者にもわかりやすいシンプルで迷わず使えるデザイン

初心者にもわかりやすいシンプルなデザインで迷わず使うことができます。日付や金額などを入力するだけで、確定申告に必要な書類が作成できます。

取引データの自動取込・自動仕訳で入力の手間を大幅に削減

銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、レシートや領収書のスキャンデータやスマホで撮影したデータを取り込めば、AIが自動で仕訳を行います。これにより入力の手間と時間が大幅に削減できます。

確定申告書類を自動作成。e-Taxに対応で最大65万円の青色申告特別控除もスムースに

画面の案内に沿って入力していくだけで、確定申告書等の提出用書類が自動作成されます。青色申告特別控除の最大65万円/55万円の要件を満たした資料の用意もかんたんです。またインターネットを使って直接申告するe-Tax(電子申告)にも対応し、最大65万円の青色申告特別控除もスムースに受けられます。

自動集計されるレポートで経営状態がリアルタイムに把握できる

日々の取引データを入力しておくだけで、レポートが自動で集計されます。確定申告の時期にならなくても、事業に儲けが出ているのかリアルタイムで確認できますので、経営状況を把握して早めの判断を下すことができるようになります。

監修 税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。