2020/02/20更新 青色申告とは?白色申告との違いやメリット、条件などを解説

監修:
税理士法人 MIRAI合同会計事務所

個人事業主やフリーランスで収入を得たら、必ず対応しなければならない確定申告。「青色申告がお得」という話は聞いたことがあっても、具体的にどのようなメリットがあるのかわからない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、青色申告のメリットや対象者の他、申請手続きの方法について解説します。

確定申告の種類の1つ、青色申告

青色申告は、確定申告の種類の1つで、所得税を正しく納税するために行う申告納税制度のことです。青色申告では、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得金額を計算するために、収入金額や必要経費に関する日々の取引状況を記録した複式簿記の帳簿が必要になります。加えて、それらに伴う書類を保存する必要があります。
事前に手続きを行った上で一定の水準を満たす場合は、不動産や事業等から生ずる所得から最大65万円が控除されたり、家族の給与を経費扱いにできたりといったメリットがある青色申告を利用することができるのです。

白色申告との違い

確定申告には青色申告の他に「白色申告」というものがあります。白色申告は、複式帳簿による帳簿の必要がないなど青色申告よりも対応が簡単ですが、節税メリットがありません。
以前は収入が300万円未満であれば記帳や帳簿保存の義務はありませんでしたが、2014年度からは収入が300万円以下の事業者にも記帳や帳簿保存が義務づけられるようになりました。そのため、かかる手間は青色申告とあまり変わらなくなったにもかかわらず、節税メリットの違いだけが際立つようになりました。

青色申告のメリット

青色申告で確定申告を行うメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。代表的なものを見ていきましょう。

最大65万円の青色申告特別控除を受けられる

複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付することで、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。単式簿記による記帳を行い、損益計算書を添付した場合は10万円の青色申告特別控除が受けられます。
税金の対象である所得が控除されるため、大きな節税効果が得られるのです。ただし、提出期限内に確定申告書を提出しなければ、最大65万円の控除を受けることができません。

控除が無い場合と比べ、青色申告特別控除がある場合は、税金がかかる所得から65万円控除を受ける事が出来る。

家族の給与を必要経費にすることができる

家族が仕事を手伝っている場合など、青色申告者と生計を一にしている15歳以上の配偶者や親族が、青色申告者の事業に専従して、その人に対して給与が支払われていれば、その給与を必要経費として算入することができます。ただし、事前に税務署へ提出する「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載された金額の範囲内で、かつ「専従者の労務の対価として適正な金額である」と認められる必要があります。

事業所得を得ている個人事業主やフリーランスであれば問題ありませんが、事業的規模ではない不動産貸付業を営み、不動産所得を得ている個人事業主は、青色事業専従者給与の特例が適用されません。また、青色事業専従者は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれないので注意が必要です。

純損失の赤字を3年間繰り越せる

個人事業に損失がある場合は、まず同一年の他の所得と通算し、それでも控除しきれない金額を翌年以降3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。また、前年も青色申告をしている場合は、損失額を前年分の所得金額に繰り戻して、所得税の還付を受けることが可能です。
純損失の繰り越しと繰り戻しを活用して所得金額を少なくすることで、各年の税負担を軽減することができます。

青色申告の場合 4年間で合計150万円分の所得税を支払う 1年目 赤字:①-50万円 ②-150万円 ③-300万円 赤字300万円分、所得税0円 2年目 黒字:①50万円 1年目の赤字で相殺、所得税0円 3年目 黒字:②1年目の赤字で相殺、所得税0円 4年目 黒字:③一年目の赤字で相殺、所得税0円+150万円部の所得税 所得税:1年目 300万円の赤字 所得税は0円,2年目 50万円の黒字を1年目の赤字50万円分と相殺 所得税は0円,3年目 100万円の黒字を1年目の赤字100万円分と相殺 所得税は0円,4年目 300万円の黒字を1年目の赤字150万円分と相殺 所得税は黒字150万円分 白色申告の場合 4年間で合計450万円分の所得税を支払う 1年目 赤字:300万円分、所得税0円 2年目 50万円分の所得税 3年目 100万円分の所得税 4年目300万円分の所得税※300万円分の黒字(収入)に対する所得税という意味 所得税:1年目 300万円の赤字 所得税は0円,2年目 50万円の黒字 所得税は黒字50万円分,3年目 100万円の黒字 所得税は黒字100万円分,4年目 300万円の黒字 所得税は黒字300万円分

減価償却の特例を受けられる

白色申告の場合、仕事で使うパソコンや車などの固定資産で10万円以上の物は、使用できる期間に応じた減価償却をしなければなりません。例えば20万円で購入したパソコンの場合、減価償却期間は4年なので、毎年5万円ずつを経費として計上します。すべての経費を計上し終えるのは4年後です。
しかし青色申告の場合、30万円未満の物であれば一括で全額経費とすることが可能です。購入したその年に全額経費として計上できるので、所得金額を減らすことができ、結果的に所得税を抑えることができます。

貸倒引当金の計上が可能

事業所得を得ている青色申告者は、「貸倒引当金」を必要経費として計上することができます。「貸倒れ」とは、取引先が倒産したなどの理由で、売掛金などの債権を回収できなくなることです。その貸倒損失によるリスクに備えて、発生する損失の金額を予想して、一定の率により計算した見積額をあらかじめ計上することを貸倒引当金と呼びます。

青色申告では、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金として計上すると、その金額を必要経費として認めてもらうことができます(金融業は3.3%以下)。貸金のうち、貸倒れなどによる損失の見込み額については、それぞれの事由に応じた限度額までを貸倒引当金勘定に繰り入れることが可能です。

青色申告の対象者

青色申告の対象者は、「事業所得」「不動産所得」「山林所得」のいずれかの所得がある個人事業主です。ライターやデザイナー、プログラマーとして活躍するフリーランスも、事業所得が発生しているため青色申告の対象となります。
なお、会社員の給与所得や退職所得、土地などの譲渡による譲渡所得、株の配当金などの配当所得、預貯金などの利子による利子所得、ギャンブルなどの一時所得、雑所得は、青色申告の対象にはなりません。

青色申告の申請手続きの方法

以上のように、節税や資金のやり繰りにおいてメリットの大きい青色申告ですが、何も手続きをしなければ、白色申告しか利用できません。
青色申告を利用したい場合は、「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。1月16日以降に新規開業した場合は、業務を開始して2か月以内に申請書を提出すると青色申告を利用することができます(開業が1月1日~1月15日の場合は3月15日が提出期限)。しかし、提出を忘れてしまうリスクもあるため、開業届とともに青色申告承認申請書を提出するといいでしょう。

すでに事業を開始しており、「今年の収入から青色申告に切り替えたい」という場合は、その年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出しなければなりません。なお、3月15日が土日の場合は、翌月曜日が期限になります。

青色申告承認申請書の提出期限
提出期限
新規開業 1月15日以前に開業 承認を受けようとする年の3月15日まで
1月16日以後に開業 業務を開始した日から2か月以内
白色申告から青色申告へ切り替え 承認を受けようとする年の3月15日まで

青色申告は簿記の知識がないと少し大変

青色申告は複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を作成して、添付した上で提出しなければなりません。現金出納帳や売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備えつけて、簡易な記帳をするだけでも認められますが、簡易な記帳をした場合、青色申告特別控除の金額は65万円ではなく10万円になります。これらの帳簿や書類は、原則として7年間保存することが義務づけられていますが、請求書や見積書、納品書、送り状などは、5年間の保存で良いとされています。

複式簿記は単式簿記に比べて複雑で、一定の簿記の知識がなければ対応が難しいものです。そして、日々の取引内容をこまめに記帳していくという手間が発生します。しかし近年は、簿記の知識がなくても、青色申告を簡単に行えるさまざまな青色申告ソフトがリリースされています。こうしたソフトを使えば、専門知識がなくても簡単に青色申告書類を作ることができます。

青色申告ソフトなら簿記や会計の知識がなくても青色申告できる

青色申告ソフトを使うことで、簿記や会計の知識がなくても青色申告することができます。

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初心者にもわかりやすいシンプルで迷わず使えるデザイン

初心者にもわかりやすいシンプルなデザインで迷わず使うことができます。日付や金額などを入力するだけで、青色申告に必要な複式簿記の帳簿と貸借対照表などの書類が作成できます。

取引データの自動取込・自動仕訳で入力の手間を大幅に削減

銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、レシートや領収書のスキャンデータやスマホで撮影したデータを取り込めば、AIが自動で仕訳を行います。これにより入力の手間と時間が大幅に削減できます。

青色申告の提出書類が自動作成。青色申告特別控除の最大65万円控除に対応

画面の案内に沿って入力していくだけで、確定申告書・青色申告決算書などの提出用書類が自動作成されます。青色申告特別控除の最大65万円の要件を満たした資料も作成できます。用紙を印刷することなくインターネットを使って直接申告するe-Taxにも対応しています。

自動集計されるレポートで経営状態がリアルタイムに把握できる

日々の取引データを入力しておくだけで、レポートが自動で集計されます。確定申告の時期にならなくても、事業に儲けが出ているのかリアルタイムで確認できますので、経営状況を把握して早めの判断を下すことができるようになります。

監修 税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。